誰が名付けたか、人呼んで“現代版サージェント・ペパーズ”などと形容されるアルバム。といっても、時は流れて既に四半世紀前(80年代)の作品なので、“80年代のサージェント・ペパーズ”と呼んだ方がいいだろうか。『パープル・レイン』を大ヒットさせた後、プリンス(Prince)が1985年に発表したのが本盤『アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ(Around The World In A Day)』である。ヒットやセールスの度合いでは必ずしも抜きんでたものではなかった(とはいえ、全米アルバムチャート1位、全英は5位)作品であるが、プリンスのファンの中にはこれこそが最高作という声もある、そんな1枚である。