音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2012年04月17日
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 スペインと言えば、フィエスタとシエスタの国(?)。牛追い祭(サン・フェルミン祭)、バレンシアの火祭り(ファージャス)、トマト祭(トマティーナ)など有名な祭りを思い浮かべる人も多いかもしれない。シエスタの方は、“お昼寝”なわけだが、実際、スペインへ行ってみると、午後は見事にお店が閉まってしまう。実際に昼寝をするかどうかはともかく、夕刻、再び開店して夜まで営業。このリズムがスペインの人たちの生活リズムとしてすっかり馴染んでいる。

 こういうのって、おそらくはスペインの一面的なイメージでしかないんだろうけれど、やっぱりフィエスタ好きなんだろう。古きよき地方の村や地区のフィエスタの光景を思い浮かべさせる1曲が、ジョアン・マヌエル・セラーの「フィエスタ(Fiesta)」である。

 この曲は1970年のアルバム『ミ・ニニェス(子どもだった頃)』に収録されたが、当局の検閲で歌詞の一部が変更されたといういわくつきの曲でもあった。作者で歌い手のセラーは、1943年、バルセロナ生まれ。1943年と言えば、日本でも戦時中生まれということになるのは想像できる(そして日本やドイツでは戦後、社会が大きく転換した)。けれども、スペインでは、古い体制をさらに数十年引きずることになる。フランコ独裁体制である。フランコ死去が1975年だから、この「フィエスタ」が発表された時を含め、初期のセラーの作品は、当然のごとく検閲の対象だった。結果、スペイン本国では若干変更した詞で、それ以外の国々(スペイン語圏である中南米方面)では変更なしのオリジナル・バージョンで発表されるというイレギュラーな状況だったようだ(フランコ死去後はオリジナル・バージョンに統一された)。

 冒頭の話に戻るが、スペインの生活リズムで夜が長いのはフランコ体制で長らく抑えつけられたからで、その反動で開放的になったのだ、とスペイン人はよく言う。フランコ時代が終わってもう40年になろうかというのに、本当にそうなのだろうか。いやはや、フィエスタ好きな伝統はもともとこの国民の中にあったんだろうかな、と思ったりもするけど。

          *          *          *

ついでながら、動画も付けておきます。まずはリリース前年、1969年のソング・フェスティヴァルからのバージョンです(古臭い雰囲気がいまいちな方はとばしてもう一つ下の映像をどうぞ)。




続いては、90年代のライブ映像から。スペイン系のシンガーソングライター系との共演です。なお、ボーカルは次の順序です。








[収録アルバム]

Joan Manuel Serrat / Mi ni?ez(1970年)
その他、編集盤(ベスト盤)類にも収録。





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Last updated  2012年04月18日 07時19分25秒
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