『トゥルー・ブルー』からの第1弾シングルが、この「リヴ・トゥ・テル(Live To Tell)」という曲だった。その当時は深く物事も考えずに、ぼけーっと聴いていたが、今から思えば、この曲でマドンナは新しい境地に足を踏み入れたのだと思う。それまでのマドンナは、「ライク・ア・ヴァージン」に典型的に見られるように、第一に女性シンガーであり、何よりも“踊れる”(あるいは“踊られる” )音楽をやるアーティストという印象が強かった。それが、ヒットを重ねる中で、正面切って重い曲調のバラードを、新作のファースト・シングルとして出してくるのは、ある種の賭けだったのかもしれない。