音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2012年12月17日
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 気が付くと師走真っ只中。ジョンの命日も過ぎ、師走の名にふさわしく、筆者の身の回りも慌ただしい雰囲気に包まれている(別に商売繁盛で忙しいというわけではないですが)。12月と言えばクリスマスという方も多くいるであろう、ということで、本ブログでも例年のパターンでクリスマス物を取り上げておきたいと思う。上に記した通り、今回のキーワードは“心温まるクリスマス・アルバム”。忙しく慌ただしい中でも、ほっと一息つけるクリスマス盤をご紹介したい。

 まずはエイミー・グラント(Amy Grant)の『クリスマス・アルバム(A Christmas Album)』(1983年)。1960年生まれのエイミー・グラントは、現代キリスト教音楽(CCM, コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック)からメジャーになったアーティストで、“クリスチャン・ポップの女王”とも呼ばれる。

 彼女は、元シカゴのピーター・セテラとのデュエット(1986年のシングル「ネクスト・タイム・アイ・フォール」)でポップ/ロック界でも広く知られるようになった。けれども、その前からずっと活動をしていた。16歳の誕生日を目前にレコーディング契約を得て、1977年にデビュー・アルバムを発表している。その後、1982年の作品ではクリスチャン・ミュージックとしては異例のセールスを挙げ、翌年のグラミー(最優秀コンテンポラリー・アルバム)に輝いている。本盤『クリスマス・アルバム』はちょうどそうしたブレークの頃の作品で、その後何枚も出されることになるエイミーのクリスマス盤の最初の1枚となった。

 本盤のコンセプトは“アメリカ人にとってのよきクリスマス”。ライナーでエイミー自身が過去のクリスマスの思い出を綴っている。“冷たい風、コートと手袋、赤鼻と毛糸の帽子、暖炉の木の香り、学校の休み…”など思い浮かぶものをいろいろと挙げていて、さらには“家族と一緒にいること、昔からの友達と会うこと、話す時間、聴く時間、…子供たちみんな、たくさんの料理、みんなの笑い…、そしていつも音楽があった”と続く。家族や親戚、友人たちと過ごすローカルでアットホームなクリスマスのイメージを浮かべながらアルバム制作に臨んだであろうことがうかがわれる。実際、大家族の集合写真もそこには収められ、家族全員の名前まで記されているといった具合だ。

 取り上げられている曲は、伝統的なものからエイミー自身がライターとなっている曲まで新旧組み合わされている。とはいえ、アルバム全体のトーンは均一で、概ね静かでアットホームに楽しむクリスマスの温もりを連想させる雰囲気に仕上がっている。エイミーのヴォーカルは上手いとか技巧的というよりは、ストレートで温かい印象を与える(無論、歌そのものは上手なのだけれど)。筆者の印象に特に残っている曲をいくつか挙げておきたい。1.「テネシー・クリスマス」はエイミー自身の曲(ゲイリー・チャップマンとの共作)で、テネシーへの思い入れがクリスマス曲として結実したもの。エイミーは生まれたのはジョージア州だが、7歳頃に家族はテネシー州に移り住み、そこで育った。そんな故郷の安らかで穏やかなクリスマスをイメージできる曲。4.「エマニュエル」は本盤からカットされたシングルでもあり、エイミーの歌唱力が最大限生かされ、アレンジもドラマティックな本盤いちばんの推奨曲。他に注目すべきは本業(?)ともいうべき讃美歌系の曲。2.、6.、11.ともにエイミーの得意なタイプのヴォーカルなのだろう。この手の曲ばかりだとアルバムとしては間のびするかもしれないけれど、タイプの違う曲と組み合わせて並べられているだけに、かえってこれらの存在感が強調されているようにも思える。




[収録曲]

1. Tennessee Christmas
2. Hark! The Herald Angels Sing(あめにはさかえ(讃美歌98番))

4. Emmanuel
5. Little Town(小さな街ベツレヘム)
6. Christmas Hymn(クリスマス賛歌)
7. Love Has Come
8. Sleigh Ride(楽しいソリすべり)
9. The Christmas Song (Chestnuts Roasting On an Open Fire)
10. Heirlooms(わたしの宝もの)
11. A Mighty Fortress/Angels We Have Heard On High(マイティ・フォートレス/あら野のはてに(讃美歌106番))

1983年リリース。




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Last updated  2012年12月17日 20時30分39秒
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