音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2013年02月14日
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テーマ: 洋楽(3405)




 スティーヴ・ウィンウッド(Steve Winwood)は、日本での知名度こそあまり高くないものの、英米では早くから高く評価されたミュージシャンであった。1948年生まれなので、現在は64歳ということになるが、そもそものシーンへの登場は10代半ば、スペンサー・デイヴィス・グループで天才児と騒がれたところにさかのぼるから、そろそろ半世紀に近い長いキャリアである。

 自我の目覚め(?)とともに同グループを抜けたスティーヴは、トラフィックというバンドで活躍する。細かい経緯は省くが、この前後にはエリック・クラプトンなどとも一緒に活動(アルバム1枚で終わったブラインド・フェイスでの活動や、 こちらの盤 への参加)した経験がある。時は流れ、70年代後半以降はソロでの活動を進めていくことになる。ソロ2枚目となる1980年の 『アーク・オブ・ア・ダイバー』 はヒット作となり、その天才ぶりをいかんなく発揮した。

 そんなスティーヴが80年代半ばを過ぎて再び脚光を浴びることになったのが、本盤『バック・イン・ザ・ハイ・ライフ(Back In The High Life)』である。それまでは自分で全楽器を演奏してレコーディングに臨もうとしていた彼が、多彩なゲスト陣を迎えたのが大きな特徴となっている。ナイル・ロジャース(セッション・ミュージシャン、アレンジャー)やジョー・ウォルシュ(元イーグルス)がギターを担当し、ミッキー・カーリー(ホール&オーツのバンド)やスティーヴ・フェローン(スクリッティ・ポリッティ)らがドラムを叩く。バッキング・ヴォーカルには、チャカ・カーン、ジェームス・テイラー、ジェームス・イングラムといった面々が参加し、いくつかの曲(1.~3.)ではトロンボーン、アルト・サックス、テナー・サックスから成るホーン・セクションも擁している。

 もちろん、スティーヴの十八番であるハモンド・オルガン(3.)をはじめ、彼自身のプレイ(特にキーボードやドラムのプログラミング)も含まれている。けれども、何と言っても際立っているのは、ヴォーカルと全体にわたるオーガナイザーぶり(多数の共作曲、共同プロデュース)である。80年代らしいきらびやかなサウンドという部分を差っ引いても、やっぱり彼は天才だったのだろうと思わされる。

 ちなみに、ヒット・シングルとなった1.「ハイヤー・ラヴ」は、全米ビルボードで1位を記録し、グラミー受賞曲ともなった。この曲だけ聴くのも悪くはないが、全編を通して聴くと、この1曲で想像しうる天才ぶりが偶発的なものではなく、地に足の着いた天才ぶりであることがますます明瞭になる(1.以外の個人的おすすめは、4.「バック・イン・ザ・ハイ・ライフ・アゲイン」や6.「ジャッジメント・デイ」)、そんなアルバムとも言えるかもしれない。



[収録曲]


2. Take It as It Comes
3. Freedom Overspill
4. Back in the High Life Again
5. The Finer Things
6. Wake Me Up on Judgement Day
7. Split Decision
8. My Love's Leavin’

1986年リリース。





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Last updated  2013年02月14日 07時43分44秒
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