音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2013年12月02日
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 佐野元春は1956年東京生まれのロックミュージシャンで、1980年にデビュー。それから30年以上を経た現在も活動中のミュージシャンである。80年代当時、洋楽のイディオムを日本語の曲の中に持ち込んだミュージシャンでもあり、例えば初期の曲などでは“これってブルース・スプリングスティーン?”みたいな所が多分にあったりする。

 1986年発表の本盤『カフェ・ボヘミア(Café Bohemia)』では、スタイル・カウンシルに代表される当時のイギリス音楽シーンの影響を大きく取り込み、録音は東京で行われたものの、ミキシングの一部はロンドンでこのムーヴメントを引っ張っていたアラン・ウィンスタンレーによって行われている。楽曲自体はイギリスやフランスなどに行った体験に基づいたものとのことで、演奏はザ・ハートランド(本盤ジャケには“A Young Soul Ensemble THE HEARTLAND”と表記されている)との共演による最初の盤となっている。

 「SOMEDAY(サムデイ)」で既に人気に火がついていた佐野元春であったが、本盤に先行して出されていたシングル「Young Bloods(ヤングブラッズ)」(1985年)は、初のトップ10入りシングルとなり、この曲とあわせて、同年末リリースの年末シングル「Christmas Time In Blue -聖なる夜に口笛吹いて-」もこの『カフェ・ボヘミア』に収録されることとなった。

 全体としては、コンセプト・アルバム風の作りで、様々な音楽要素を取り込んでセンス良く組み合わせている。詞も(佐野元春は、もともと“言い放つ感じ”で歌うヴォーカリストだから詞は聞き取りにくいのだけれど)、一捻りも二捻りも利いていて、単純になっていないところがいい。

 四半世紀以上経って、いま思えば、80年代の日本の音楽シーンの中で、よくぞ本盤は受け入れられたことだと思う。アルバムとしては、『No Damage』の1位には及ばず『カフェ・ボヘミア』はオリコンチャート2位が最高位だったものの、この数字は日本の“歌謡界”に新風を送り込んだことを意味していると思う。アイデアの源泉がたとえアメリカやイギリスにあったとしても、それを日本語で歌い、日本の音楽界に広めた功績は計り知れないくらい大きいものだったんじゃないだろうか。しかも、その作りがしっかりしたものであったことは、“古めかしく聞こえない”という点で確認できる。同時期のスタイル・カウンシルなどは、いい音楽ではあるし好きではあるのだけれど、21世紀の現在となってはどこか色褪せて聞こえる。それに比べ、佐野元春の本盤は“21世紀に出た盤です”と嘘をつかれて聴いてみても、そう思わされてしまいそうな気がする。





[収録曲]

1. Café Bohemia (Introduction)
2. 冒険者たち

4. カフェ・ボヘミアのテーマ
5. 奇妙な日々
6. 月と専制君主
7. ヤングブラッズ
8. 虹を追いかけて
9. インディビジュアリスト
10. 99ブルース
11. Café Bohemia (Interlude)
12. 聖なる夜に口笛吹いて
13. Café Bohemia (Reprise)

1986年リリース。






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Last updated  2013年12月02日 21時24分14秒
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