音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2015年02月23日
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テーマ: 洋楽(3405)




 ジョーン・オズボーン(Joan Osborne)は、1962年ケンタッキー州生まれの女性シンガーソングライター。ニューヨークに出て学費をや生活費を稼ぐために始めた音楽活動が高じて、1995年、本作『レリッシュ(Relish)』で、遅咲き(当時32歳)のメジャー・デビューを果たすこととなった。

メジャー・デビュー後、早々にセールスに恵まれた。シングル曲の6.「ワン・オブ・アス(One of Us)」は、ビルボードの4位(さらにカナダやオーストラリアのチャートでは1位)の売り上げを記録した。アルバム自体も全米で9位、全英5位とヒットした。筆者もその当時、ラジオで繰り返し彼女の曲を耳にしたのを覚えている(本アルバムもすぐに買って繰り返し聴いた)。

 でもって、その当時はあまり深く考えることもなかったのだけれど、あれから20年経ってみて今感じるのは、果たして“売れる音楽”だったのかということ。別に悪い意味で言っているわけではなく、上記「ワン・オブ・アス」の内容が刺激的で聴衆受けしやすいメロディでもあったことからヒットしたけれども、彼女の創り出す音楽は実はもっとシリアスで、そもそも一般大衆受けを狙ったものではなかったように思う。

 同曲が売れた要因としては、“もし神様に名前があったなら”、“もし神様が私たちのようだったなら”、“もし神様に顔があったなら”といった、クリスチャンの間では大きな議論になりそうな詞の刺激性があった。加えて、映画のサウンドトラックに使用されたり、グラミー賞にノミネートされて一層の注目を浴びた(さらに後に2000年代になってからはTVドラマのテーマとしても再録版が使用された)。でも、その一方で、ジョン・オズボーン自身もそのギャップに苦しんだものと思われる。本盤の成功の後、新しいアルバム制作はなかなか進まず(途中、初期作を編んだCDは発売されたものの)、ヒットを欲しがるレコード会社との溝は埋まることなく、結局、マーキュリーからは契約解除されてしまう。インディーズ系のレーベルから新作が出るのには、本デビュー作から5年を待った2000年のことだった。

 他の注目曲としては、ボブ・ディランの2.「マン・イン・ザ・ロング・ブラック・コート(黒いコートの男)」、さらにはサニー・ボーイ・ウィリアムソンIIの10.「ヘルプ・ミー」も収められている。

 本作を“唯一のヒット作”と言うべきか、はたまた“コマーシャリズムに翻弄された1作品”と呼ぶべきか、正直答えはよくわからない。でも、筆者個人としては、このヒットがなければ、ジョン・オズボーンの音楽を知るきっかけすらなかったかもしれないという意味では、よかったと言うことになるだろうか。



[収録曲]

1. St. Teresa

3. Right Hand Man
4. Pensacola
5. Dracula Moon
6. One of Us
7. Ladder
8. Spider Web
9. Let's Just Get Naked
10. Help Me
11. Crazy Baby
12. Lumina

1995年リリース。






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Last updated  2015年02月23日 07時06分15秒
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