音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2015年04月29日
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テーマ: Jazz(1978)
カテゴリ: ジャズ




 セルダン・パウエル(Seldon Powell)は、1928年ヴァージニア州生まれのテナー・サックス奏者で1997年に亡くなっている。リーダー作は少なく、サイドマンとしての盤が多いが、この『セルダン・パウエル・セクステット(Seldon Powell Sextet)』は、彼が初期にルーストに残した2枚のうちの1つ。初リーダー作の『セルダン・パウエル・プレイズ』もいいのだけれど、今回はもう1枚のこの盤を取り上げてみたい。

 スイングするときは軽快かつドライヴ感をもって、バラードを演奏する際にはスウィートな感覚をどこかに残したまま見事に抒情的に。抽象的に言えば、そんな感じなのだけれど、何よりも本番の彼のテナーの特徴はメリハリがあってカッコいい。表題にあるように、これこそダンディと言うのがぴったりだと思う(セルダン・パウエルは“チョコレート・ダンディ”の愛称が付けられている)。

 メンバーには、当時売り出し中だったトロンボーン奏者のジミー・クリーヴランド、人気ギター奏者のフレディ・グリーン、ピアノ奏者には“ハック”・ハナとクレジットされているローランド・ハナが含まれており、アルバム表題の通り、セクステット(6人組)の構成。それぞれにソロを聞かせる場面はそれなりにあるが、全体としては主役であるセルダン・パウエルの露出が多い。

 収録曲のうちから、上記の“ダンディさ”という点での注目曲を挙げておきたい。まずは、2.「シーズ・ファニー・ザット・ウェイ」どうすればこんなに甘い感じを端正なまま出せるのか、これこそダンディそのまんまと言えそう。似た感覚は、名曲の5.「アイル・クローズ・マイ・アイズ」にも当てはまるように思う。甘そうで甘くならない、紙一重のうまさ。それは、6.、7.、11. なんかに見られる力強くシリアスな演奏の裏付けがあるからなのだろう。最後に、興味深いのが10.「スリーピー・タイム・ダウン・サウス」。一見すると、インタールード的な小品に思えるが、実は本番の中で一番に気迫が込められた演奏ではないだろうかと思えたりする。




[収録曲]

1. Woodyn' You
2. She's Funny That Way
3. Lolly Gag

5. I'll Close My Eyes
6. 11th Hour Blues
7. Undecided
8. A Flower Is A Lonesome Thing
9. It's A Crying Shame
10. Sleepy Time Down South
11. Button Nose
12. Biscuit For Duncan


[パーソネル、録音]

Seldon Powell (ts)
Jimmy Cleveland (tb)

Aaron Bell (b)
“Hac” Hanna (p)
Gus Johnson (ds, 3., 6., 10., 12.)
Osie Johnson (ds, 上記以外)

1956年録音。







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Last updated  2015年04月29日 21時24分58秒
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