chao★chao

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2015年06月01日
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カテゴリ: 映画は素敵♪
ポスター画像

   <あん>  作品情報は こちらから

  あんこがね・・・

  そりゃあ美味しそうに、沸々と煮えてるのぉ!!


  さすが、映画的ビジュアルに訴えかけるにふさわしい、あんの煮え方でした☆


  あのアカの鍋(銅製のボールみたいねの)のこと、「サワリ」っていうんだって。

  でも、映画ではその名前でてこなかったと思う。

  小説には書いてある。

  きっと「一般には馴染みがない名前」なので、使わないことにしたのかな。。。






  深い映画でした。

  重いはずでもあるのだけれど、たぶん、河瀬監督のチカラで透明感のある

  ちょっと爽やかな風さえ感じる仕上がりの映画でした。




  私はなぜドリアン・助川さんがこの原作の小説を書いたのか、

  そこから気になっていたのです。

  そのことは、

  キネマ旬報ムック「あん」オフィシャルブック (これが今回のプログラムとして売られてました) の 

  ドリアンさんによる、 物語「あん」の生まれるまで  に詳しく書かれていました。

  ちょっと長いけど、冒頭を引用させてもらいます。

ハンセン病の元患者の生涯を背景に、生きるということに意味を新たに問う小説を
  書こうと思ったのは、もう20年近くも前、私がラジオの深夜放送のパーソナリティを 
  やっていた頃だ。きっかけは、番組内で若いリスナーたちが好んで口にする言葉だった。
  「社会の訳に立つ人間になりたい。そうじゃないと生まれてきた意味がない」
  ダレからも否定されないであろう立派な言葉だ。でも、だからこそ思う所があった。
   重い障害があり、寝たきりの人、歩けるようになる前に亡くなってしまった乳児、
  役に立つことが人の存在価値になるなら、
そうした命には生まれてきた意味がなかったのだろうか?
   ハンセン病療養所の元患者たちの人生を私は特に考えた。1996年の「らい予防法」廃止
  にともない、完治してもなお隔離され続けてきた人々の過酷な状況が、
  この頃ちょうど明るみに出始めていた。。。。(続く)


  この後、実際にペンを持ち書きはじめるのに10年以上かかったこと、

  執筆中すでに映画化を考え、樹木希林さんが演じることをイメージして書き続けたこと、

  監督も河瀬さんと決めていたこと。

  そして、出来上がった本をお二人に送ったこと。。。。



  映画が深く良かったこと以上に、

  この原作者のドリアン・助川さん(名前がみょうちきりんなのに!)が

  素晴らしいと思えてしまったのでした。

             IMG_5734.JPG キネマ旬報ムック「あん」オフィシャルブック 楽天ブックス扱いあり




  また、希林さん演じる徳江さんのいう、

この世にあるものは全て言葉を持っていると私は信じています。

   生きているものなら、いえ、陽射しや風に対してさえ、

   耳を澄ますことが出来るのではないかと 思うのです。

  とうのが印象的でした。




  600時間分のフィルムを撮って、そこから2時間の映画にしたって聞きました。

  なので、俳優さんたちが遠いロケ現場まで行って演じたものや、

  厳しい気象条件の中で演じたものや、

  それでもカットされ、

  それらの氷山の一角がこの凝縮された2時間にあるのですね。

  あるシーンがカットされたとしても、それを演じたことは、他のすべてのシーンの中で

  生きていること。

  その撮影で演じたこと、体験したことのすべてが、出来上がった映画の中に凝縮されている

  っていうこと。

  インタビュー頁にそう書かれてましたが・・・そういう事なんですね☆





  DVDでもOKですが、だいぶ先になりますので、映画館にお出かけになれない方は

  文庫本でも出ましたので、そちらを先にお読みになるのがオススメ。

  原作と映画、大きく変わっているところは、ほとんどないです。

あん[ドリアン助川] ポプラ文庫 「あん」






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Last updated  2015年06月01日 05時39分49秒
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