<あん> 作品情報は こちらから
あんこがね・・・
そりゃあ美味しそうに、沸々と煮えてるのぉ!!
さすが、映画的ビジュアルに訴えかけるにふさわしい、あんの煮え方でした☆
あのアカの鍋(銅製のボールみたいねの)のこと、「サワリ」っていうんだって。
でも、映画ではその名前でてこなかったと思う。
小説には書いてある。
きっと「一般には馴染みがない名前」なので、使わないことにしたのかな。。。
深い映画でした。
重いはずでもあるのだけれど、たぶん、河瀬監督のチカラで透明感のある
ちょっと爽やかな風さえ感じる仕上がりの映画でした。
私はなぜドリアン・助川さんがこの原作の小説を書いたのか、
そこから気になっていたのです。
そのことは、
キネマ旬報ムック「あん」オフィシャルブック (これが今回のプログラムとして売られてました) の
ドリアンさんによる、 物語「あん」の生まれるまで に詳しく書かれていました。
ちょっと長いけど、冒頭を引用させてもらいます。
ハンセン病の元患者の生涯を背景に、生きるということに意味を新たに問う小説を
書こうと思ったのは、もう20年近くも前、私がラジオの深夜放送のパーソナリティを
やっていた頃だ。きっかけは、番組内で若いリスナーたちが好んで口にする言葉だった。
「社会の訳に立つ人間になりたい。そうじゃないと生まれてきた意味がない」
ダレからも否定されないであろう立派な言葉だ。でも、だからこそ思う所があった。
重い障害があり、寝たきりの人、歩けるようになる前に亡くなってしまった乳児、
役に立つことが人の存在価値になるなら、
そうした命には生まれてきた意味がなかったのだろうか?
ハンセン病療養所の元患者たちの人生を私は特に考えた。1996年の「らい予防法」廃止
にともない、完治してもなお隔離され続けてきた人々の過酷な状況が、
この頃ちょうど明るみに出始めていた。。。。(続く)
この後、実際にペンを持ち書きはじめるのに10年以上かかったこと、
執筆中すでに映画化を考え、樹木希林さんが演じることをイメージして書き続けたこと、
監督も河瀬さんと決めていたこと。
そして、出来上がった本をお二人に送ったこと。。。。
映画が深く良かったこと以上に、
この原作者のドリアン・助川さん(名前がみょうちきりんなのに!)が
素晴らしいと思えてしまったのでした。
キネマ旬報ムック「あん」オフィシャルブック 楽天ブックス扱いあり
また、希林さん演じる徳江さんのいう、
この世にあるものは全て言葉を持っていると私は信じています。
生きているものなら、いえ、陽射しや風に対してさえ、
耳を澄ますことが出来るのではないかと 思うのです。
とうのが印象的でした。
600時間分のフィルムを撮って、そこから2時間の映画にしたって聞きました。
なので、俳優さんたちが遠いロケ現場まで行って演じたものや、
厳しい気象条件の中で演じたものや、
それでもカットされ、
それらの氷山の一角がこの凝縮された2時間にあるのですね。
あるシーンがカットされたとしても、それを演じたことは、他のすべてのシーンの中で
生きていること。
その撮影で演じたこと、体験したことのすべてが、出来上がった映画の中に凝縮されている
っていうこと。
インタビュー頁にそう書かれてましたが・・・そういう事なんですね☆
DVDでもOKですが、だいぶ先になりますので、映画館にお出かけになれない方は
文庫本でも出ましたので、そちらを先にお読みになるのがオススメ。
原作と映画、大きく変わっているところは、ほとんどないです。
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