《櫻井ジャーナル》

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2011.02.09
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 1981年10月以来、ホスニ・ムバラクは大統領として、エジプトの親米/親イスラエル体制を維持してきた。1928年5月生まれなので現在82歳、5月には83歳になる。人間には老化と寿命があるわけで、アメリカやイスラエルの支配層が「ムバラク後」について十分に準備してきたことは言うまでもない。

 2005年6月にフィナンシャル・タイムズ紙はムバラク大統領が副大統領を指名するつもりだという記事を書いているが、 その情報源はオマール・スレイマンEGIS(エジプト総合情報局)長官(当時)であり、副大統領の最有力候補はスレイマン自身だと推測 されていた。現在、そのシナリオ通りの展開になっている。

 スレイマンがアメリカで特殊訓練を受けた軍人で、CIAの拉致/監禁/拷問の秘密工作に協力してきたエジプトの「拷問人」だということは本コラムでも指摘済みだが、こうした関係は必然的にイスラエルとの友好的な関係につながる。今年1月29日に副大統領となり、EGIS長官を辞めたことになっているが、それが形式的なものにすぎないことは言うまでもないだろう。

 2008年8月、 イスラエルのエーウド・バラク国防相がエジプトを訪問した際、ムバラクの老け込み具合にショックを受けた という。そのとき、イスラエルの交渉相手はスレイマンだったようで、その頃からムバラク大統領は「お飾り」に近い状態だったのだろう。

 実務的には引退状態のムバラクでも、「権威の象徴」という意味はある。ムバラク辞任を先送りにしている理由はそこにあるのだろう。そして、その去就を決定するのはスレイマンということになる。イスラエルにとっても、ムバラクはすでに「過去の人」である。

 その前年、2007年にガザをめぐってイスラエルとエジプトの関係が悪化していた。イスラエルは、エジプト側から武器がガザへ入っていると主張していたのだが、これに対して スレイマンとタンタウィ国防相はイスラエル軍がフィラデルフィ(エジプト領)に再侵攻することを歓迎すると口にしている



 この軍事侵攻で、人道法や人権法に違反する多くの行為があったことを国連の調査委員会も認めている。委員長を務めた「ユダヤ系」のリチャード・ゴールドストーンをイスラエル政府や親イスラエル派は激しく攻撃していたが、委員長は毅然とした態度を崩さなかった。





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最終更新日  2011.02.09 13:43:36


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