《櫻井ジャーナル》

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

寄付/カンパのお願い

巣鴨信用金庫
店番号:002(大塚支店)
預金種目:普通
口座番号:0002105
口座名:櫻井春彦

2011.05.03
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 パキスタンの首都イスラマバードから90キロメートルほど北上しすると、アボッタバードにたどり着く。多くの将軍が住み、士官学校もある治安の良い美しい都市だという。その士官学校の近くに建つ豪華な邸宅を25名で編成されたSeal(米海軍の特殊部隊)の「チーム6」が2機のヘリコプターを使って襲撃したのは5月2日未明のことだった。

 そこにオサマ・ビン・ラディンと呼ばれる男がいるとCIAが結論したのは昨年9月のことだというが、状況から考えて、その邸宅にビン・ラディンがいることをパキスタンの軍や情報機関が知らなかったとは考えにくい。9月より前に知っている人物やグループがアメリカ側にいても不思議ではない。

 ところで、チーム6に襲われた際、その男は頭に銃弾を受けて死亡したとされているのだが、遺体は海に流されたというので確認はできない。殺された人物がビン・ラディンかどうかという点に関しても、アメリカがDNAで確認したという説明を信じるしかないようだ。戦闘の際、ビン・ラディンの息子も殺されたと伝えられている。

 昨年9月の頃といえば、CIAは約3000名で編成される極秘の「殺人部隊」をパキスタンとアフガニスタンの国境地帯で活動させていることが判明、無人機を使った攻撃を劇的に増加させて非武装の市民を多数、殺害して問題になっていた時期でもある。NATO軍もアフガニスタンからパキスタンへ侵入して攻撃を加え、パキスタン政府が抗議するということもあった。

 イスラマバードから南へ約300キロメートル下った場所にあるラホーレで昨年1月、レイモンド・デイビスというCIAのエージェントがパキスタン人を射殺し、逮捕されるという出来事があった。このパキスタン人はISI(パキスタンの情報機関)のエージェントだという噂もある。

 デイビスは無人機での攻撃に関係しているという見方もあったが、ビン・ラディン殺害作戦との関係もないとは言えないだろう。この事件によってパキスタンとアメリカとの関係は険悪化したのだが、今回のビン・ラディン暗殺作戦で両国の「協力」を強調し、関係を修復する方向へ動くかもしれない。

 多くの人が指摘しているように、すでにオサマ・ビン・ラディンはアメリカの「敵役」として「賞味期限切れ」の存在。つまり、ビン・ラディンが生きていても、死んでも状況が大きく変化することはないだろう。だいたい、リビアでは、政府軍と戦うために米英仏軍はアルカイダ系の武装勢力と手を組んでいる。この共闘関係がどうなるかもビン・ラディン殺害の真相に迫る手がかりになるかもしれない。

 アルカイダを危険だと考え、徹底した弾圧を行ったイラクのサダム・フセイン体制はアメリカ軍によって潰され、フセインやその側近たちは殺されている。そしてビン・ラディンも殺された。言わば敵対関係にあったフセインとビン・ラディンだが、その両者には共通点もある。CIAの協力者だったという過去である。

 フセインがイラクの大統領に就任したのは1979年のことだが、1968年には実権を握っている。その5年前にCIAは「目障り」だということでアブデル・カリム・カシム将軍を暗殺していた。カシムは1958年に王制を倒した革命の中心人物。イラクのリーダーとして石油産業の国有化を進めるなど、欧米の利権システムを解体しようとしていた。



 ビン・ラディンの死によって2001年9月11日の出来事、つまり世界貿易センターのツイン・タワーへ航空機が突入し、ペンタゴンが攻撃された事件の真相がわからなくなったかのようにいう人がいるのだが、これは奇妙な話。この「9/11」には疑問点が多々あるのだが、アメリカ政府は真剣に調べていないのである。ビン・ラディンのことを言う前に、アメリカ政府に実行させなけらばならないことは山ほどある。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011.05.04 13:17:41


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: