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2011.05.29
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 福島第一原発1号機で現在、 「チャイナシンドローム」が起こっている可能性が高いと指摘

 小沢一郎氏は ウォールストリート・ジャーナルのインタビュー で次のように発言している。小沢氏に対しては様々な意見があるだろうが、それはともかく、福島第一原発事故の認識は決して大げさでない。

 「汚染はどんどん広がるだろう。だから、不安・不満がどんどん高まってきている。もうそこには住めないのだから。ちょっと行って帰ってくる分には大丈夫だが。日本の領土はあの分減ってしまった。あれは黙っていたら、どんどん広がる。東京もアウトになる。ウラン燃料が膨大な量あるのだ。チェルノブイリどころではない。あれの何百倍ものウランがあるのだ。みんなノホホンとしているが、大変な事態なのだ。それは、政府が本当のことを言わないから、皆大丈夫だと思っているのだ。私はそう思っている。」(「ウォールストリート・ジャーナル」、2011年5月27日)

 1号機ではチャイナシンドロームのシナリオにしたがって事態が進み、溶融物はコンクリートの中にあると推測する人が少なくない。1号機の原子炉建屋地下に深さ4mを超えるとみられる大量の水がたまっているのが見つかったと発表されている、つまり大量の水が漏れ出ている。このことを考えると、チャイナシンドロームが現実のものになっている可能性は高いだろう。

 こうしたシナリオの始まりは燃料のメルトダウンである。この現象が起こったことは最近、東電も認めている。問題はその原因だが、元原発設計技師の田中三彦氏は早い段階から配管の破損/破断を懸念、東電が少しずつ出すデータの解析でそうした懸念が現実に起こった可能性があると判断している。破損/破断した部分から大量の冷却材が圧力容器から格納容器へ噴出、その結果、冷却材喪失事故になり、メルトダウンしたということである。( Part 1 Part 2 Part 3

 冷却材喪失事故に至るもうひとつのシナリオは、「主蒸気逃がし安全弁」が開いて閉じなくなったというもの。田中氏によると、原子力安全・保安院はこのシナリオを主張していたようだが、問題の時点における原子炉の圧力は6.9メガパスカル(大気圧分を引いたゲージ圧)で、安全弁の開放設定圧力より低い、つまり通常なら開かない。(前掲書)

 ともかく、冷却材を喪失し、空焚き状態になって温度が上昇し、燃料棒のジルカロイ被覆管が周囲の水蒸気と反応して水素を発生、それが損傷箇所か、格納容器の蓋を持ち上げる形で外部に漏れて水素爆発に至ったということだ。

 温度の上昇は燃料のメルトダウンを引き起こして圧力容器の底に落下した可能性が高いわけだが、そこには制御棒がある。制御棒は多くの穴から出し入れされる形になっているのだが、その部分は容器本体に比べて弱い。溶接部を溶かして冷却材が漏れたり、溶融物が落下したりしかねない。溶融物が落下した場合、格納容器の底に水があれば水蒸気爆発の恐れがあり、なければそのまま容器を溶かしてコンクリートの中へ入っていく。東電もこうしたことが起こっていることを否定していない。

 原子炉建屋の地下に深さ4mを超えると大量の水があるというのだが、それだけ大量の水が流れ込むだけの大きな穴が開いていると推測できる。つまり、溶融物の相当量が格納容器の外部に出ている可能性が高く、人為的に冷却することは困難になっていることが懸念されている。2号機や3号機でもこうしたことが起こった、あるいは起こるならば、事故の深刻度は間違いなくチェルノブイリ原発のケースを超えることになる。





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最終更新日  2011.05.29 14:22:34


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