《櫻井ジャーナル》

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2011.07.16
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 危機的な状況にあるソマリアをアメリカの バラク・オバマ政権は無人機で攻撃

 アフリカ東部が苦難の道を歩んでいる最大の原因は、欧米の巨大企業、特に石油産業の利権にある。特に、ソマリアは重要な位置を占めている。インド洋から紅海を通り、スエズ運河へ向かう入り口に位置しているということだ。

 そこで、ソマリアを含むアフリカ東部がイスラムの勢力圏に入ることをアメリカ政府は嫌がり、反イスラム武装勢力を支援してきた。CIAは秘密裏に毎月10万から15万ドルをそうした勢力へ提供していたが、その仲介役を務めていたのがジブチ駐留のJCTF(統合連合機動部隊)だった。ジブチを拠点にしてアメリカは秘密工作を展開しているようだ。

 しかし、こうした工作が思惑通りに進んできたとは言えない。例えば、1993年にソマリアの内戦に介入、その際に首都モガディシュでアメリカ軍のヘリコプターが撃墜されて20名近い米兵が戦死している。この時の出来事を映画化したのが「ブラックホーク・ダウン」である。(ソマリア側は数百名が殺されているのだが)

 2006年には、CIAが支援していた武装集団がイスラム勢力に敗北、アメリカ政府は隣国のエチオピアに支援を要請した。一旦はエチオピア軍がイスラム勢力を一掃したのだが、予想された通り、占領を長く続けることはできなかった。エチオピア軍が撤退すれば、イスラム勢力が盛り返してくるだけのことだ。

 実際、2009年1月にエチオピア軍が撤退すると「ソマリア再解放連(イスラム法廷連合)」のシェイク・シャリフが大統領に就任、アル・シャバーブなどの武装勢力が戦闘を激化させて首都モガディシオでも多数の死傷者が出る事態になった。

 アメリカの介入をアフリカ連合などは批判しているが、それに対してアメリカ政府はソマリアのイスラム勢力がアル・カイダと関係していると主張、「テロとの戦争」だからエチオピアの軍事侵攻は正当な行為だと弁護している。

 本ブログでは何度か書いたが、リビアでは現体制を倒すため、米英仏の3国はアル・カイダ系の武装勢力と手を組んでいる。アル・カイダを持ち出してソマリアへの軍事介入を正当化することはできない。



 ソマリア沖の「海賊」は漁民や沿岸警備隊崩れだとされている。外国の水産会社がソマリアの「主権を侵害してソマリアの水産資源を略奪している」と非難する声があるほか、外国企業が放射性物質を含む産業廃棄物を沿岸に投棄、沿岸の漁師など数万人に健康被害が発生、漁業を続けることも困難になっているとする話も伝わっている。その結果、一部の人々が海賊になったというわけだ。

 しかし、こうしたことが言えるのは2000年代の初頭まで。イギリスの民間軍事会社で訓練を受けたというプントランドの「海上警備隊」が海賊行為に深く関与しているとする話も伝わっている。

 プントランドはソマリア北東部にあり、1998年からダロッド氏族が独自の地方行政組織の設立、ソマリアの「国家内国家」になっているのだ。このプントランドの有力者が「海賊」を支援、さらに「投資家」が資金を提供してきたと報道されている。アル・シャバーブなどの武装勢力も海賊と深い関係にあると言われている。

 スペインから流れてきた情報によると、ロンドンには情報活動を担当するチームが存在し、そこからソマリアの実行部隊へ船舶に関する情報、つまり積み荷やコースなどを衛星電話で連絡しているというのである。しかも、実行グループは襲撃の訓練を受けている。ソマリアの海賊とは、独自の教育/訓練システムやスパイ機関を持ち、最新の通信機器や巨大な資本を有した国際的な組織だということである。

 日本が基地を建設する前からジブチにはアメリカとフランスが基地を持っていた。それでもソマリアの海賊を押さえ込めないでいる。そんな相手を海上自衛隊が封じ込めるとは思えない。むしろ、海賊行為を口実にして、海外派兵を推進しようとしているのだろう。その先に何が待ち受けているのか、どの程度の日本人が考えているのだろうか?





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最終更新日  2011.07.17 02:54:34


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