《櫻井ジャーナル》

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

寄付/カンパのお願い

巣鴨信用金庫
店番号:002(大塚支店)
預金種目:普通
口座番号:0002105
口座名:櫻井春彦

2011.08.12
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 羽田空港発、伊丹空港行きの日本航空123便が群馬県南西部の山岳地帯に墜落し、乗員乗客524名のうち520名が死亡したのは1985年8月12日のこと。事故の当時、日本航空には政治家が食らいつき、株価が暴騰する過程にあった。いわゆる「政治銘柄」である。

 当時、日本航空は1987年に「完全民営化」するスケジュールで動いていたので、それまでに配当を復活させなければならなかった、つまり利益を出す必要があった。そこで無理なコスト・カット、つまり安全の軽視を進める。復配し、株価を上昇させ、大蔵大臣名目で保有されていた4089万9000株を高値で売却、その先の1988年には700万株の時価発行増資を行うという皮算用だ。

 実際、2000円台で推移していた日航株が1984年から急騰、事故の直前には8000円を突破した。事故で5000円を切るまで急落するのだが、10月あたりから再び急騰、1987年には2万円を突破している。

 日本航空の株価暴騰には「プラザ合意」、つまりアメリカからの「円高誘導圧力」も影響していた可能性が高い。円高、つまりドル安が見通されている中、日本の金融機関はドルを買いたくはない。そこで日本航空にドルを押しつけた可能性が高い。

 そして同社は超長期のドル先物買い予約をしたということだ。通常、先物予約は長くとも5年であり、その倍の期間の契約は常軌を逸している。為替取引のプロも「クレージー」と表現していた。当然、損が出るわけだが、その代償が700万株の時価発行増資だったと考えても矛盾はない。

 そうした中、123便の事故が起こり、運輸省航空事故調査委員会はボーイング社の「修理ミスが原因で、飛行中に後部圧力隔壁が客室与圧に耐えられなくなって破壊し、客室内与圧空気の圧力によって尾部胴体、垂直尾翼が破壊され、油圧系統も破壊され操縦不能となり墜落した」とする事故調査報告書を1987年6月19日に公表したわけだ。

 しかし、この報告書を疑っている人は少なくない。何しろ、説得力のある理由が示されていないのだ。隔壁が損壊し、尾翼が内部圧力で吹き飛ばされ、操縦系統も失われるような状態になれば、客室では急減圧が起こっているはずなのだが、事故調査に協力した航空関係者によると、調査委員会の主張に反し、急減圧がなかったことは実験で確認されたとしている。

 実験の結果、酸素マスクをつけなければ3分もすると小学校1年の国語教科書を読む速度が遅くなり、6分30秒を経過すると手に痙攣が見られるようになり、チアノーゼで指先が紫色に近くなることがわかっているが、異常が発生してから約9分後でも123便の機長は酸素マスクをつけていないのに、手の痙攣や意識障害はなかった可能性が高い。

 救助作業にも疑問が持たれている。墜落直後から現地の住民から落ちた正確な地点を知らされていたにもかかわらず、救援隊が現場に到着したのは事件の翌日、13日の8時半頃だった。



 アントヌッチによると、米軍機は横田基地に向かって大島上空を飛行中、日航機の管制に対する最初の緊急コールを聞いている。ただ、その時は切迫しているようには感じられなかったという。異常を感じたのは18時40分のコール。その時は叫び声のようで、明らかに尋常ではなかった。そこで、横田基地の管制から許可を受けた上で日航機に接近を図る。

 日航機は18時56分には墜落していたが、その地点を米軍機は19時20分に特定、報告している。運輸省に捜索本部が設置されたのは19時45分。捜索を始めた時点で日本政府は日航機の墜落現場を把握していたはずだ。

 C-130が墜落現場に到着した直後、厚木基地から海兵隊の救援チームが現地に向かっている。20時50分には救援チームのヘリコプターが現地に到着、2名の隊員を地上に降ろそうとしたのだが、このときに基地から全員がすぐに引き上げるように命令されている。日本の救援機が現地に急行しているので大丈夫だということだった。

 21時20分に日本の救援部隊を乗せた航空機が現場に現れたのを確認してからC-130と米軍の救援チームはその場を離れているのだが、自衛隊は救援活動を行っていない。夜間の山間部で救難活動ができなかったというのならば、自衛隊に戦闘などできないだろう。米軍は救助活動を始めようとしていたのだ。

 ともかく、事故を再調査するように求める声が出ていたのだが、調査委員会は1.6トンと言われる事故調査関連資料を破棄したという。事故の真相が明らかにされることを調査委員会も恐れていると思わざるをえない。福島第一原発の事故と構図は似ている。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011.08.13 02:11:37


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: