《櫻井ジャーナル》

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2011.10.20
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 リビア内戦で米英仏軍が行った空爆では多くの市民が犠牲になっているようだ。8月8日の空爆で85名の市民が殺害されたと政府側は主張、 アムネスティー・インターナショナル

 反カダフィ軍も 暴力的な性格 をすでに露呈させている。肌の色が濃い、つまりアフリカ中南部の出身だと思われる人びとを「傭兵」だとして拘束、一部が処刑されているとする情報もある。その大半は労働者だと言われているが、傭兵だとしても暴力的な扱いは許されていない。それともアメリカの真似をして、「敵戦闘員」だから何をしても良いと言うのだろうか?

 国連によると 反カダフィ軍は約7000人を拉致 、劣悪な環境の中、不当に拘束されているのだが、その多くはアフリカ中南部の出身者だと見られている。事実上の「民族浄化」が行われていると言えるだろう。この件に関しては、 アムネスティー・インターナショナル も報告書を出している。

 今後、放射能の影響が問題になってくる可能性もある。米英仏軍は 劣化ウラン弾を使用している疑い も出ているだ。この問題はコラムニストのコリン・ハリナンさん、アメリカのシンクタンク「FPIF」のコン・ハリナンさん、あるいはイギリスの反核活動家、 ケイト・ハドソン

 米英仏軍はリビア市民の犠牲を気にしているようには見えない。市民の犠牲を防ぐなどという目的で軍事介入したわけでないことは明白だ。その理由とは、リビアの石油とアフリカ中南部の資源にほかならない。カダフィ政権は石油と金という資産を使い、中南部を自立させようとしていたのだ。しかも、ロシアや中国に接近していた。

 カダフィ政権を倒したことで、米英仏はリビアの石油利権を奪い、アフリカの資源利権を手放さずにすんだと言えるだろうが、今回の内乱で新たな問題も浮上している。内乱の深刻化だ。

 まだ親カダフィ派は残っているわけだが、それだけでなく反カダフィ派が内部分裂する可能性が高い。反カダフィ派の内部には、元内務大臣のアブデルファター・ユニス将軍をはじめとする軍からの離反組、ベンガジを拠点とする分離独立派、NCLO(リビア反体制国民会議)/NFSL(リビア救済国民戦線)、そしてLIFGなどが含まれている。いわば、同床異夢の集団。

 軍の武器庫から消えた武器/兵器の行方も不安材料だ。親カダフィ派が持ち出した可能性もあるが、アル・カイダのルートで中東/北アフリカの全域に流れているかもしれない。「カダフィ後」に安定した政権ができると考えるのは、あまりにも楽観的すぎる。





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最終更新日  2011.10.21 04:16:26


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