《櫻井ジャーナル》

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2011.11.02
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 一部の人間に富が集中するように仕組まれた不公正なシステムに対する怒りが表面化しつつある。そのひとつの切っ掛けになったのがウォール街を占拠しようという運動で、アメリカだけでなく西ヨーロッパにも波は広がり、ギリシャではアメリカの巨大銀行が仕掛けた債務問題に対する怒りとも一体化している。

 抗議されている側は当初、警察の力で運動を抑え込もうとしたものの失敗する。その暴力がインターネットを通じて全世界に発信されて逆効果だった。 オークランドでは警官が発射したと見られる「非致死性」の弾丸が活動に参加していた人の頭部に命中、重体になるという事態 にもなった。

 警察力を使えない場合、犯罪組織やならず者が使われることが少なくない。日本でも労働運動に対抗するため、アウトローたちを集めたことがある。1951年に法務総裁の木村篤太郎が構想した「反共抜刀隊」は一例だ。

 それまでバラバラに活動していた博徒やテキ屋を組織化、それを手駒として使おうとしたのである。結局、この構想は実現できなかったが、広域暴力団を生み出す下地を作ることにはなった。

 そうした暴力団のひとつ、山口組が強大な力を持つようになった一因は港湾労働者の支配にある。海運が物流の中心であった時代、港の労働者を支配することは支配層にとっても重要な意味を持っていた。

 不公正な政治経済システムに対する抗議活動の発火点になったのは、ニューヨークのズコッティ公園。10月の中頃から抗議活動を妨害するような人たちが公園に現れるようになったようだ。

 公園に来れば食べ物や寝袋を手に入れられるわけで、抗議活動に興味がない人が集まってくるのも仕方のない面があるのだが、 刑務所を出所する人に当局が公園へ行くように言っているという噂 もある。その結果、暴力行為、犯罪行為が見られるようになったのだが、 抗議活動を暴力的に抑え込もうとした警察は、こうした暴力的、犯罪的な行為は容認

 当局のエージェントは別にして、抗議活動に興味がなくても公園にやってくる人たちは不公正な政治経済システムの被害者でもある。問題は、自分のおかれた状況を作り出している社会の仕組みについて自覚していないこと。被支配者を分断し、相互に戦わせるのは支配者が昔から使う戦術であり、ニューヨークでも使われ始めたようだ。過去を振り返っても、こうした問題は繰り返されている。

 ただ、これで支配システムは安泰、ということにはなりそうもない。それだけ庶民の怒りは大きく、自分たちのおかれた状況を理解している人も増えているからだ。カトリックの総本山である ローマ教皇庁 に続き、英国教会の カンタベリー大主教 も不公正な仕組みを変えるように発言している。支配層の内部にも危機感を持つ人が増えているのだろう。





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最終更新日  2011.11.02 16:48:12


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