《櫻井ジャーナル》

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2013.01.23
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カテゴリ: カテゴリ未分類
マリ政府とアル・カイダは同じベッドの中にいる

 アルジェリアの東部にある天然ガス関連施設に対する襲撃を命令したと言われているモクタール・ベルモフタールはアル・カイダの正式加盟組織、AQIMの「元幹部」で、現在はAQIMから分離したMUJAOに参加している。マリで活動している別の組織、アンサール・ア・ディーンを率いるイヤド・アグ・ガリーはAQIMで司令官を務めるハマダ・アグ・ハマの甥である。

 ちなみに、AQIMとは「Al-Qaeda in the Islamic Maghreb(イスラムのマグレブにおけるアル・カイダ)」の略称。マグレブはチュニジア、アルジェリア、モロッコの総称である。つまりAQIMはアル・カイダ。MUJAOもアンサール・ア・ディーンもアル・カイダに近い武装集団ということになる。リビアでNATO軍と同盟関係にあったアル・カイダの正式加盟組織LIFGもAQIMと緊密な関係にある。

 AQIM、MUJAO、アンサール・ア・ディーンは近い関係にあるのだが、その出発点はアルジェリア。AQIMの前身、GSPCはアルジェリアで活動していた武装集団で、1998年にGIAから飛び出す形で誕生した。GIAは1992年にアルジェリアで組織されたのだが、殺戮と破壊を繰り返すだけで、一種の「死の部隊」だった。

 さらに歴史をさかのぼるとアフガニスタンにたどりつく。これはLIFGも同じ。1980年代にソ連軍と戦っている、つまりアメリカの情報機関や軍から訓練を受け、武器の提供を受けていた。この当時からサウジアラビアはイスラム武装勢力に資金を提供、要するに雇っている。

 こうした経緯を考えると、 AQIM、MUJAO、アンサール・ア・ディーンにカタールから資金が提供されるのは自然。ところが、フランスから流れてくる情報によると、トゥアレグ系のMNLAも資金を受け取っている 。マリ政府はMNLAを恐れていたのかもしれないが、カタールはマリとアルジェリアの体制を揺るがしてNATO軍が介入する道を切り開こうとしていたのだろう。マリ政府とアル・カイダは「同床異夢」だった可能性がある。

 アル・カイダ系グループの存在を口実にしてフランスはマリに軍事介入したが、アメリカ軍は来年からアフリカの約35カ国に顧問団を派遣し、訓練するという。2007年にアメリカ政府はAFRICOM(アメリカ・アフリカ統合軍)の創設を発表、翌年に活動を始めたのだが、アフリカ諸国から拒否され、本部はドイツにある。



 ソ連圏からの攻撃に備えるという名目で創設されたNATOと似た目的で作られたと言える。NATOを組織した真の目的は米英両国のヨーロッパ支配、米英の利権を維持拡大することにある。(本ブログや拙著『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』で説明しているので、ここでは割愛する)だからこそソ連が消滅した現在でも存在意義は失われず、解体されないのだ。軍や情報機関のネットワークは「国家内国家」を作り出し、国の組織を内側から蝕んでいくことになる。日米同盟も同じことが言える。日本を支配する仕組みだということである。





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最終更新日  2013.01.24 01:50:11


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