《櫻井ジャーナル》

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2013.02.12
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 中国軍のフリゲート艦が自衛隊の護衛艦(駆逐艦)に対して火器管制レーダーをロックしたとされる問題で、状況が少しずつ明らかになってきた。 伝えられているところによると

 こうした事態を受け、 中国では戦争に備えるかのような動き が見られる。例えば、福建省の南安で砲兵隊が2月3日から数日にわたって演習を行い、中国福建省の厦門、漳州、そして浙江省の湖州で2月3日から6日に100輌近い軍用車両が移動、2月3日には湖北省の十堰の軍事基地から多くの戦車など軍用車両が沿岸地域へ移動したという。

 開戦になった場合、日本側の最も近い空軍基地は約500キロメートル離れた沖縄で、自衛隊のF-15はその分、戦闘に制約を受けることになる。それに対し、中国は福建省にある基地を使えるため、戦闘機の能力を考えると、日本のような制約はない。アメリカの空母が出てこない限り、日本は負けるという見方が常識的。

 両国間の全面的な戦闘になれば、海岸線に乱立する日本の原発は破壊され、それだけで終わりだ。日本が敗北するというだけでなく、人間が住める場所ではなくなり、環境破壊は全世界に及ぶ。

 小野寺五典防衛相は2月5日にレーダーの件を公表したが、 その前にアメリカ政府へ通告、新たな体制に移行しつつあるバラク・オバマ政権に「中国の脅威」を強調して「日米同盟」の重要性を喚起させようとした とも伝えられた。この件は 日本政府から説明を受け、納得している と国務省のスポークスパーソン、ビクトリア・ヌランドは2月11日の記者会見で語っているが、平和的な解決を求めている。



 安倍晋三政権も「中国の脅威」を演出しようとしている。今年1月13日に陸上自衛隊の第1空挺団が「離島防衛」のシナリオで訓練を実施して中国を挑発、15日には 小野寺五典 防衛相は記者会見で尖閣諸島を特別扱いしないと語った。状況によっては警告射撃の可能性はあると示唆したわけである。

 さらに、 菅義偉 官房長官も16日の記者会見で、尖閣諸島周辺でも国際的な基準に基づいて、領空侵犯機に対しては厳正な対領空侵犯措置を実施すると述べている。尖閣諸島を中国や台湾は自国領だと主張しているわけで、そうした国々から見れば、単に攻撃してきたということになる。

 翌16日にはアンス・フォ・ラスムセンNATO事務総長に「NATOとの安全保障上の連携強化を呼びかける首相親書」を手渡すため、安倍首相は自民党の河井克行をベルギーに派遣、自分自身はベトナム、タイ、インドネシアを歴訪している。

 18日には岸田文雄外相がアメリカを訪問したが、アメリカ側から期待したような反応はなかったようだ。 ヒラリー・クリントン 国務長官(当時)は記者会見で領土問題に関して中立だとする従来の立場を繰り返している。安倍政権としては「中国の脅威」をますます必要とする状況だが、一歩間違えれば東アジアは火の海だ。

 田中角栄政権が切り開いた日中友好の流れが断ち切り、「棚上げ」になっていた尖閣諸島の領土問題に火をつけたのは、前原誠司、石原伸晃、石原慎太郎、猪瀬直樹のような政治家とマスコミだが、最前線で戦う覚悟ができているとは思えない。家族を戦場へ送り出すという発想もなさそうだ。

 こうした人々は「戦争ごっこ」と本当の戦争が区別できない幼児と思考回路が似ているのだろうが、幼児と違って社会的な影響力があり、始末が悪い。子どもがおもちゃを欲しがるように、石原は核兵器を持ちたがっている。 石原に言わせると、外交力とは核兵器なのであり、核兵器を日本が持っていれば中国は尖閣諸島に手を出さない のだそうである。

 この発言が掲載されたのは2011年3月8日付けの紙面。記事が掲載された翌日に三陸沖でマグニチュード7.3の地震があり、この地震に誘発されたかのようにして11日にマグニチュード9.0の巨大地震、「東北地方太平洋沖地震」が発生する。この巨大地震で東電の福島第1原発が「過酷事故」を起こしたわけだ。

日本が保有する核兵器級のプルトニウムは70トン に達する。

 いつ日本が核兵器を作ってもおかしくないが、その先にあるのは日中核戦争。ネオコンやキリスト教系カルトなどはそうした戦争を望んでいるかもしれないが、日本人にとっては地獄。アメリカ政府としても、日本の「瀬戸際戦術」につきあう余裕はなくなりつつある。

 今日、朝鮮が核実験をしたと報道されているが、これは日本、中国、アメリカにとって状況を打開する突破口になるかもしれない。





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最終更新日  2013.02.12 19:27:43


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