《櫻井ジャーナル》

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2013.02.25
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 シリアのバシャール・アル・アサド体制がなかなか倒れず、反政府軍、そしてNATOや湾岸産油国の正体がばれてきた。早く体制を倒そうと焦っているのか、ここにきて外部から対戦車用の武器などがヨルダンから大量に持ち込まれ、反政府軍へ渡されていると ワシントン・ポスト紙

 どの国が武器を供給しているかは不明だとしているが、戦争の経過を考えれば、アメリカ、イギリス、フランス、トルコのNATO諸国やサウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦といった湾岸産油国、そしてイスラエルが関係、直接的に渡しているのはサウジアラビアやカタールの可能性が高い。

 こうしたテコ入れが行われる中、2月21日にダマスカスのバース党本部やロシア大使館の近くで爆破工作があり、53人以上が死亡、数百人が負傷したと言われている。政府軍参謀本部にも迫撃砲弾が撃ち込まれたという。

 本ブログでは何度も書いてきたことだが、シリアの体制転覆作戦はNATOや湾岸産油国を後ろ盾とする傭兵部隊が軍事侵攻しているのが実態で、傭兵の最大供給源はアル・カイダ系の武装グループ。

 リビアの体制転覆に成功した LIFG は2007年からアル・カイダの正式加盟グループで、自分たちとアル・カイダとの関係を隠していない。もし、この事実を報道していないメディアがあるとするならば、それは「政治的配慮」、つまり保身のためだ。LIFGの戦闘員はリビアのムアンマル・アル・カダフィ体制が崩壊した後、シリアへ移動して戦闘に参加している。

 ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官によると、 1991年の段階でネオコンのポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)はシリア、イラン、イラクを掃除すると語り 2001年9月11日から10日後にジョージ・W・ブッシュ政権はイラク攻撃を決定、6週間後に作成された攻撃予定国リストには、イラクのほか、イラン、シリア、リビア、レバノン、ソマリア、スーダンが載っていた

 勿論、2001年9月11日とは、ニューヨークの世界貿易センターにそびえ立っていた超高層ビル2棟に航空機が突入、さらにペンタゴンが攻撃されるという出来事が引き起こされた日である。

 ブッシュ・ジュニア政権は軍内部の反対を押し切って2003年にイラクに軍事侵攻、それから2、3年後には シリアの反体制派を支援 し始めている。調査ジャーナリストの シーモア・ハーシュが2007年に書いた記事 によると、その頃にはシリアやイランを攻撃する秘密工作をアメリカ政府は始めていた。この工作にはサウジアラビアやイスラエルが協力していたという。

 この3国はイランを脅威とみなすことで一致、ブッシュ・ジュニア政権はスンニ派諸国(イランはシーア派が強い)との関係を深め、サウジアラビアはハマスとファタハを和解させることになった。ちなみに、2007年2月にハマスとファタハは挙国一致内閣の樹立で合意している。そして、サウジアラビア政府はシリアのアサド政権を弱体化させるために資金や物資を供給することも決まったという。

 現在、シリアの反政府軍はサウジアラビアやカタールから資金や武器などの支援をうけていて、アメリカ政府は武器を提供していないとしているが、意味のない弁明だということがハーシュの記事からわかる。

 こうした流れの中、ダマスカスでの爆破で多くの死傷者が出た。国連ではこの無差別攻撃を非難する決議を採択しようとする動きがロシアを中心にあったのだが、アメリカ政府が阻止した。シリア政府を非難しないのは怪しからんということのようだ。現在、アメリカやその同盟国はシリアで攻勢を強めようとしているわけで、その手駒が行ったことを非難する決議に賛成することはできないのだろう。

 シリア政府を攻撃するために「西側」のメディアが使ったホウラでの虐殺について、 東方カトリックの修道院長 はサラフィ主義者や外国人傭兵が実行したと報告、「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は、地上の真実と全く違っている。」としている。また、キリスト教の聖職者、 マザー・アグネス・マリアム は外国からの干渉が事態を悪化させていると批判した。これが「シリア戦争」の本質だろう。





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最終更新日  2013.02.26 04:01:38


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