《櫻井ジャーナル》

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2013.08.05
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 原子力規制庁で東電福島第1原子力発電所事故対策室長を務める金城慎司にまで、 東京電力は「危機感が希薄」

 金城室長によると、東電が汚染水の流出を防ぐために設けた地中の遮水壁を上回った可能性があるという。汚染された地下水は「法的基準」を超えて海に流出している可能性が高く、東電の地下水くみ上げ計画は一時しのぎにすぎないとも述べたようだ。現在、汚染水を貯めているタンクや地下貯水槽がどの程度持つのかもわからない。

 圧力容器の内部よりプラントの外の方が線量が高いとも伝えられているが、そうなると現場の作業は困難になってくる。メルトダウンした燃料棒は溶融し、周囲の装置などを溶かし込みながら下へ向かっているのだろうが、すでに格納容器やコンクリートを突き抜けて地中へ潜り込み、地下水を直接、汚染している可能性もある。放射性物質に汚染された「温泉」が地表へ出てくるかもしれない。

 原発で「過酷事故」が起こったなら、手の打ちようがなくなるわけだが、それにしても東電や政府の対応はお粗末。幹部が無能だからという意見もあるようだが、単に無能なら外国の専門家などに助けを求めれば良いだけのこと。ところが、日本側は外部の人間を拒否してきた。

 事故直後には、汚染水を海へ流さないため、巨大タンカーやバルク船に汚染水へ移し、それを柏崎刈羽原子力発電所廃液処理装置へ運んで処理するという案が日本国内でも出ていたが、政府も東電も無視する。最初から汚染水を海へ流すつもりだったのだろう。その行き着く先はカリフォルニア沖。

 汚染水の問題以外でも、福島第一原発は「綱渡り」の状態が続いている。地震なり台風なりで建造物が損傷すれば日本が滅ぶだけでなく、太平洋の対岸にある国、アメリカも大きな影響を受けることになる。

 にもかかわらず、2011年12月16日、野田佳彦首相(当時)は「発電所の事故そのものは収束に至ったと判断される」と事故収束を宣言した。事故に多少でも興味を持っていた人なら、収束からほど遠いことは知っていたが、マスコミはこのときも無責任な姿勢を維持、首相の宣言を信じた国民も少なくなかったようだ。絶望的な状況の中、「神風が吹いて勝つ」と信じたどこかの国の人びとと似ている。

 ところが、そうした日本側の姿勢に好意的な姿勢を見せている人もいる。国際原子力協会やアメリカの国務省などだ。核エネルギーの利権で日本の「原子力村」とつながっている人たちだと言えるだろう。



 アメリカからの圧力もあって原発を再稼働させなければならないという焦り、外部の専門家が中へ入ると過去の悪事が露見してしまうという恐怖感はあるかもしれないが、東電の経営者に危機感と責任感はない。参議院選の後に発表すれば、原発推進派は痛手を被ることなく当選し、原発を再稼働させ、各国へ売れると計算したのかもしれないが、それほど甘い状況ではない。





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最終更新日  2013.08.06 04:17:58


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