《櫻井ジャーナル》

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2013.08.10
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 シリアの北部にある町、タル・アビアドで今月5日にアル・カイダ系のアル・ヌスラがクルド系住民を虐殺したとイランのメディア、 アル・アラム

 アフガニスタンでソ連軍と戦わせるため、1970年代の終わりにアメリカ政府はイスラム武装勢力を編成した。その中からアル・カイダは生まれたのだが、そのときから戦闘員は傭兵として使われてきた。

 現在、シリアで残虐な行為を繰り返している アル・ヌスラの場合、トルコの情報機関が背後にいる とも伝えられている。彼らが傭兵を集め、訓練した上でシリアへ送り込み、そうした活動をシリアのムスリム同胞団が監督しているのだという。タル・アビアドの虐殺情報が正しいなら、その反作用がトルコへ向かう可能性がある。

 勿論、トルコだけがシリアの体制転覆を仕掛けているわけではない。 1991年の段階でアメリカの親イスラエル派(ネオコン)はイランやイラクと同じように、シリアを攻撃する計画を持っていて、2001年9月11日から数週間後、ジョージ・W・ブッシュ政権はイラク、イラン、シリア、リビア、レバノン、ソマリア、スーダンを攻撃する計画を作成 していた。

 2007年に調査ジャーナリストの シーモア・ハーシュ が書いた記事によると、その段階でアメリカ政府はサウジアラビアやイスラエルと共同でシリアやイランをターゲットにした秘密工作を開始していた。その手先として使われるのがスンニ派の武装グループ(アル・カイダも含まれる)だ。



 他国からの軍事侵略に対し、シリアでは政府に批判的だった勢力も反発し、外部勢力に同調するシリア人は少ないようだ。そこで戦闘は政府軍が優勢に展開している。そのためか、イスラエルがシリアを空爆する一方、アメリカも武器を供給すると公言しはじめ、 対戦車ミサイル も供給している。

 イギリス、フランス、アメリカ(ネオコン)はシリア政府軍が化学兵器を使ったと宣伝し、自らが空爆に乗り出したかったようだが、成功しなかった。化学兵器が使用されたという戦闘で被害が出たのは政府軍であり、イスラエルの ハーレツ紙 も使用したのは反政府軍だと分析、しかも最初に調査を要求したのは政府側だった。

 それでも反シリア政府勢力は政府軍が使ったと叫び続けるが、これに冷水を浴びせたのが国連独立調査委員会メンバーの カーラ・デル・ポンテ 。反政府軍が化学兵器を使った疑いは濃厚だと発言したのだ。

 その後、化学兵器が着弾したとされる地点で採取された試料をロシアが分析した結果、サリンや砲弾は工業的に作られたものではなく、「家内工業的な施設」で製造されたことが判明したと発表されている。

 軍隊が使う兵器の場合、製造と使用の間に長い期間があるため、化学的に安定化させる物質を使わないと役に立たない。その安定剤が添加されていなかったことが「家内工業的」に作られたと判断した理由のひとつだという。分析結果は80ページの報告書にまとめられ、国連の潘基文事務総長に提出された。

 シリアの体制転覆に執着してアル・カイダへのてこ入れを続けていると、その影響は全世界に広がることになる。すでに欧米では個人的にアル・カイダへ参加する人が出ているようで、危険な状況だ。





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最終更新日  2013.08.11 04:14:11


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