《櫻井ジャーナル》

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

寄付/カンパのお願い

巣鴨信用金庫
店番号:002(大塚支店)
預金種目:普通
口座番号:0002105
口座名:櫻井春彦

2013.11.21
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 安倍晋三政権は「国家安全保障基本法案」や「特定秘密保護法案」を成立させると同時に「国家安全保障会議」を創設して憲法の機能を停止させ、TPPでアメリカ資本による日本支配を実現しようとしている。民主主義の建前を投げ捨て、独裁体制を築こうとしているのだ。

 その作業は現在、最終段階に入った。支配層に「王手」を宣言されてしまったということだ。この段階になってからマスコミの一部はおずおずと声を上げ始めたわけだが、そもそも安倍政権の誕生を後押ししたのは検察やマスコミ。まだ沈黙している人がマスコミの世界に多いというが、不思議ではない。

 すでに書いたことだが、アメリカで憲法の機能を停止させ、独裁体制を実現するためのプロジェクトが始まったのは1980年代、ロナルド・レーガン政権が始まって間もない頃のことだ。

 核戦争を想定して「秘密政府」の仕組みが作られたのは1950年代からだが、その仕組みを利用してクーデターを実行しようとするプロジェクトが動き始めるのは1982年。この年、レーガン大統領はNSDD55を出してCOGプロジェクトをはじめたのだ。

 国民に気づかれないように進められていたが、1987年に「イラン・コントラ事件」の公聴会で取り上げられる。オリバー・ノース中佐に対し、下院のジャック・ブルックス議員が「大災害時に政府を継続させる計画」、つまりCOGプロジェクトについて質問したのだ。

 ところが、この質問は委員長のダニエル・イノウエ上院議員が「高度の秘密性」を理由にして止めてしまう。憲法を無力化して「秘密政府」がアメリカを動かす仕組みを作り上げることは秘密であり、国民に知らせてはならないということだ。このエピソードは「特定秘密保護法案」が日本にもたらす事態を暗示している。

 こうして練られたCOGは2001年9月11日に始動する。この日、ニューヨークの超高層ビルへ航空機が突入、国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されたことを引き金にして1000ページにおよぶ「愛国者法」や国家安全保障省の「エンド・ゲーム計画」が成立しているが、その基礎になったのがCOGだ。

 この法律の本質を見抜き、反対する議員もいた。その代表格がトム・ダシュル上院議員とパトリック・リーヒー上院議員。炭疽菌で汚染された手紙が送られた議員である。手紙を送られた後、両議員は法案に反対するのをやめてしまった。

 9/11以降の出来事はクーデターと呼ぶにふさわしいが、その準備作業は1982年から始まっている。こうした動きに呼応する形で日本の支配層も動きはじめる。マスコミを支配する作業は1980年代から始まっているが、「国家改造」の動きが出てくるのは1990年代になってからだろう。大本にはアメリカ支配層の一部が存在しているのだが、その勢力の指示を自分たちの利権拡大に利用しているのが官僚たち。その延長線上に「国家安全保障基本法案」や「特定秘密保護法案」はある。



 現在、TPPに関する話し合いが秘密裏に進められているのだが、巨大企業にとってはオープンになっている。600を超す大企業のロビイストはTPPの文面を参照するだけでなく、意見を述べる権利もあるのだ。

 TPPの条項の中で特に問題なのがISDS(国家投資家紛争処理)条項。この条項によって、企業活動や金融システムに対する規制、食糧の安全、環境汚染の防止、労働者の権利保護などを各国の政府や議会で決定することが不可能になってしまい、庶民は巨大企業に生殺与奪の権を握られる。

 「国家安全保障基本法案」にしろ、「特定秘密保護法案」にしろ、TPPにしろ、原発問題にしろ、安倍首相は心配ないと言う。例えば、IOC(国際オリンピック委員会)の総会で、「汚染水による影響が福島第1原発の港湾内0.3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされ」、「健康問題については、今までも現在も将来も全く問題ないということをお約束いたします」言い切ってしまった。

 しかし、東電福島第一原発の事故は収束からほど遠い状態。東電のみならず、日本の政治家や官僚も嘘つきで信用できず、犯罪組織を使って作業している碌でもない集団だと世界では評価されている。そうした目で4号機の使用済み核燃料プールから燃料棒を取り出す作業を世界の人びとは見ているわけで、気が気でないのだろう。

 安倍首相は状況を理解できないのか、あるいは生まれつきの嘘つきなのか、いずれにしろ安倍首相は信用できない人物だ。そうした人物が首相になる環境を作り上げたマスコミの責任は重い。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2013.11.21 21:11:22


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: