《櫻井ジャーナル》

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

寄付/カンパのお願い

巣鴨信用金庫
店番号:002(大塚支店)
預金種目:普通
口座番号:0002105
口座名:櫻井春彦

2014.02.02
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 安倍晋三首相はリチャード・チェイニーやI・ルイス・リビーの属す勢力、ネオコンの影響下にある可能性が高い。これは 前回のブログ

 その戦略を示す 文書DPG(国防計画指針)の草稿が1992年3月にリーク された際には大きな問題になった。一旦は取り下げられた形になったものの、2000年にはネオコン系のシンクタンクPNACがDPGをベースにした報告書「米国防の再構築」を公表している。

 DPGが問題になった理由は、内容があまりに攻撃的だったため。アメリカを「唯一の超大国」と位置づけ、西ヨーロッパ、東アジア、旧ソ連圏、南西アジアなどでのライバル出現を阻止すると宣言しているのだ。こうした目的のため、軍事費を大幅に増やし、「予防的攻撃」、つまり先制攻撃も辞さないとしていた。他国との協調政策を放棄するということでもある。

 この当時、アメリカはジョージ・H・W・ブッシュが大統領の時代。DPG作成の最高責任者は国防長官だったリチャード・チェイニーで、その下にはポール・ウォルフォウィッツ国防次官、I・ルイス・リビー、ザルメイ・ハリルザドがいた。実際に草案を書き上げたのは国防総省内部のシンクタンク「ONA(ネット評価室)」のアンドリュー・マーシャル室長だと言われている。

 ネオコン系のハドソン研究所で安倍首相を紹介したのはリビーにほかならない。ウォルフォウィッツは1991年、湾岸戦争でブッシュ・シニア大統領がイラクからサダム・フセインを排除する前に停戦した直後、 シリア、イラン、イラクを殲滅 すると語っていたという。これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官の話だ。

 1991年の段階では、アメリカ支配層の内部でもネオコンの戦略を懸念する人は少なくなかったが、そうした声を2001年9月11日の出来事が粉砕してしまった。それから間もなくして、ドナルド・ラムズフェルドを長官とする国防総省では、統合参謀本部の意見に関係なく、攻撃予定国リストを作成している。 イラク、イラン、シリア、リビア、レバノン、ソマリア、スーダン

 石油パイプラインの建設でアメリカ系の企業を排除したアフガニスタンをまず攻撃、次いで1980年代からネオコン/イスラエルが望んでいたフセインの排除に着手して実現、リビア、シリア、ソマリア、スーダンへ直接、間接の軍事介入を実施、イランに対する秘密工作を実行している。その一方、「潜在的ライバル」のロシアと中国に対するプロジェクトも始まった。菅直人、野田佳彦、安倍たちは、その片棒を担いでいる。

 リビアやシリアに対する軍事介入で明確になったように、「西側」やペルシャ湾岸の産油国はイスラム教スンニ派の武装勢力(アル・カイダ)を傭兵として使ってきた。その直接的な雇い主がサウジアラビアのバンダル・ビン・スルタン総合情報庁長官だということも公然の秘密。スルタン長官が頻繁にイスラエルと接触していることもわかっている。

 当初の計画では、アル・カイダを投入して国内を混乱させ、NATO軍を投入して一気に殲滅することになっていたようだが、シリアではNATO軍の直接的な投入に失敗した。特殊部隊を潜入させているようだが、戦闘部隊の主力はサウジアラビアやカタールが雇った傭兵。最近はサウジアラビア系が力を持っているが、思惑通りには進んでいないようだ。

 シリアでの戦闘が長引くにつれ、世界各地からさまざまな人間がカネや武器を求め、軍事訓練を受けるためにシリアへ流れ込んでいる。欧米からも少なからぬ傭兵が来ているようで、帰国してから、それぞれの国で破壊活動を展開するのではないかという懸念が「西側」の支配層で広がっている。

 また、現在、ネオコンはロシアを見据え、ウクライナを揺さぶっているが、その手駒として使われているのはネオ・ナチと見られている勢力。スボボダをはじめとするファシストたちで、OUN(ウクライナ民族主義者機構)の流れをくんでいる。

 OUNはイェブヘーン・コノバーレツィなる人物を中心として創設された反ポーランド/反ロシア組織で、ステファン・バンデラが引き継いだ。当初、ドイツに接近していたが、1930年代にソ連情報が欲しいイギリスの情報機関MI6に雇われている。第2次世界大戦が始まると、バンデラの一派はドイツと手を組む。ウクライナの独立を宣言したことからドイツとの関係が悪くなるが、1943年にOUNはドイツと再び同盟関係に入り、UPA(ウクライナ反乱軍)として活動を開始、「反ボルシェビキ戦線」を設立、大戦後の1946年にはABN(反ボルシェビキ国家連合)となり、APACLと合体してWACL(世界反共連盟)になった。WACL創設にはCIAが協力している。

 ネオコンは現在、アメリカを利用して自分たちが世界を支配しようとしている。その手先としてイスラム教スンニ派の武装勢力(アル・カイダ)やネオ・ナチを使っているのだが、そうした勢力の矛先が「西側」や湾岸産油国に向かう兆候が見られる。日本の支配層はそうしたネオコンに従属しているわけだ。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2014.02.03 12:05:18


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: