メディアとは「一般大衆」を支配層が操作する道具、プロパガンダ機関だと語っているわけだ。ウォーターゲート事件を実際に記者として追いかけたひとり、カール・バーンスタインによると、1970年代の時点で400名以上のジャーナリストがCIAに雇われていた。ニューヨーク・タイムズ紙は1950年から66年にかけて、少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供しているともいう。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)
ベレゾフスキーの背景はチェチェンの戦闘集団や犯罪組織だ。このベレゾフスキーを日本では「民主化」を象徴する「実業家」として紹介していたが、実際は違うことをクレイブニコフは明確にしている。(Paul Klebnikov, "Godfather of the Kremlin", Harcourt, 2000)こうした状況があるため、クレイブニコフ暗殺の背後にベレゾフスキーがいるのではないかと疑う人も少なくない。