《櫻井ジャーナル》

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2014.05.09
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 アメリカをはじめとする「西側」の政府やメディアはウクライナをロシアが軍事侵攻、蹂躙すると叫び続けてきたが、そうした事実があるわけではない。例えば、ロシアとウクライナは1997年に結んだ協定でロシアはクリミアで20年間の基地使用権と2万5000名の部隊を駐留させることが認められ、協定締結から1万6000名が駐留しているのだが、この部隊を「西側」の政府やメディアは「侵攻軍」と表現している。

 現在、キエフのクーデター政権は東部や南部を制圧するために軍や「親衛隊」を派遣、右派セクターも乗り込んで暴力的に制圧するつもりのようだ。クリミアでは住民の圧倒的多数がクーデター政権を拒否したことから平和的に「無血」で離脱は実施され、 オデッサでネオ・ナチが行ったような住民虐殺 はなかった。少なくとも東部や南部でキエフの政権が住民から支持されていない以上、流血と破壊は避けられない。

 そうした中、ロシア軍の軍服200着やロシア軍将校の偽ID70枚を携えた20名の集団をSBU(ウクライナ治安局)は東部へ派遣したとロシアのRIAノーボスチが伝えている。この集団はドニエプロペトロフスク市のイゴール・コロモイスキー市長のボディーガード(アメリカ人傭兵の可能性がある)で、ドネツクで右派セクターのメンバーと会ったと伝えられている。ロシア兵を装った右派セクターのメンバーにウクライナの国境警備隊を5月11日より前に襲撃させるのではないかと推測する人もいる。この日、ドネツクやルガンスクではクリミアに続き、地域の地位に関する住民投票を実施する予定だ。

 クリミアで住民投票が行われる前、「アノニマス」と名乗る集団(ウクライナの情報機関でクーデター政権に反対しているグループの可能性がある)がハッキングで入手した電子メールとされる文書が明らかにされたのだが、それによると、 アメリカの駐在武官補佐官ジェイソン・グレシュ中佐がウクライナ参謀本部のイーゴリ・プロツュクに対し、クリミアで住民投票が行われる前に、ロシア軍の特殊部隊を装った戦闘員にウクライナ空軍第25基地を襲撃するように指示 している。

 軍服や偽ID、あるいは電子メールの話が事実かどうかは不明だが、ある秘密工作の計画を摑んだ場合、証拠を出せなくても情報を流して中止させるという手法はある。

 実際、アメリカは軍事侵略を正当化するため、偽旗作戦を使ってきた。例えば、1898年にあった「メイン号」の爆沈。キューバで独立運動が起こると、南への侵略を狙うアメリカの支配層はメイン号を派遣していたのだが、この船が沈没すると、スペインの破壊活動だと主張して戦争を開始、ラテン・アメリカ支配の第一歩を踏み出した。この戦争に勝利したアメリカはスペインにキューバの独立を認めさせ、プエルトリコ、グアム、フィリピンを買収、ハワイも支配下においている。

 キューバをアメリカ軍が攻撃することを正当化するために作成された「ノースウッズ作戦」も偽旗作戦であり、ベトナムへの本格的な軍事介入の切っ掛けになった「トンキン湾事件」もそうだった。アメリカの破壊工作人脈を黒幕として、イタリアでは「極左」を装った爆弾攻撃が繰り返されている。最近ではシリアにおいて「化学兵器攻撃」がある。「西側」は政府軍が実行したと大合唱だったが、嘘だったことが明確になってきた。



 現在、キエフのクーデター政権で制圧作戦を指揮しているのはSBUのバシリー・クルトフ第1副長官だとされてるが、最近では国家安全保障国防会議(国防省や軍を統括)のアンドレイ・パルビー議長が前面に出ている。

 パルビーはネオ・ナチの「ウクライナ社会ナショナル党(後に「スボボダ」へ党名を変更)」を創設したひとり。クーデターの拠点になった広場への出入りを管理していたのはこのパルビーで、武器の持ち込みも彼の許可が必要だったことから、スナイパーが彼の指揮下にあったことは間違いないと見られている。

 クーデターまでSBUの長官を務めていたアレクサンドル・ヤキメンコによると、最初の狙撃はパルビーが制圧していたビルから。狙撃部隊のメンバーにはウクライナの特殊部隊員も含まれていたが、ユーゴスラビアなど他国からやって来た傭兵が主力で、狙撃チームはアメリカ大使館を根城にしていたという。パルビーもアメリカの特殊部隊と接触していたと言われている。





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最終更新日  2014.05.10 01:00:55


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