《櫻井ジャーナル》

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2014.06.03
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 ウクライナ東部の制圧作戦で合計181名が死亡、そのうちウクライナ軍(クーデター政権派)の兵士が59名だとオレー・マクニスキー検事総長代理は6月3日に語ったという。戦闘員や市民の死傷者数は様々な数字が飛び交っていて明確でないが、犠牲者が増えていることは確かだろう。

 ネオ・ナチが軍や治安部門を支配しているクーデター政権を圧倒的多数の住民が拒否している東部や南部では地上戦だけで制圧することは難しく、 戦闘機や戦闘ヘリを投入して軍事拠点だけでなく住宅街も攻撃、多くの犠牲者が出ている 。リビア方式を使っているとも言えるだろう。

 地上部隊にしても、クーデター政権が掌握し切れていない正規軍を頼るわけにはいかないようで、ネオ・ナチで編成された「国家警備隊(親衛隊)」やアメリカの傭兵会社から派遣された戦闘員(元特殊部隊員が中心)が活動していると言われている。

 親衛隊はクーデター後に創設が認められた軍事組織で、隊員は6万人程度が予定されていた。アメリカの傭兵会社「アカデミ(旧社名はブラックウォーター)」系の傭兵がウクライナへ入ったという情報は早い段階から流れ、制圧作戦に参加している部隊の内部で英語が飛び交っているとする証言があった。

 その後、ドイツでは 400名程度の傭兵がウクライナ東部の制圧作戦に参加している と伝えられ、そうした情報が確認された形。4月29日にドイツの情報機関BNDがアンゲラ・メルケル政権へこの情報は報告済みだという。

 アメリカ政府はクーデター政権を支えるため、 顧問としてCIAやFBIの専門家数十名を送り込んでいる とも伝えられている。東部や南部の制圧作戦を実際に指揮、つまり住民を虐殺しているのはこの顧問団だと言えるかもしれない。



 こうしたクーデター政権が手駒として使っているネオ・ナチは2004年頃からバルカン諸国にあるNATOの施設で、また昨年からポーランドでも軍事訓練を受けてきたと報道されている。ポーランドのニエ誌によると、 ポーランド外務省は2013年9月にクーデター派の86人を大学の交換留学生として招待、ワルシャワ郊外にある警察の訓練センターで4週間にわたって暴動の訓練 をしたという。

 この ポーランドにはASBSオタゴという軍事会社 がある。ポーランドの現内相が設立、ウクライナの東部/南部制圧作戦にも戦闘員を派遣、6名の戦死者も出ているとする情報もある。

 ポーランドのドナルド・トゥスク首相はロシアを打倒するためにはネオ・ナチと手を組むという人物で、ウクライナのクーデターではビクトル・ヤヌコビッチ大統領に対して武力を使わないように要求、ネオ・ナチの武力行使を助けることになった。そのトゥスクは現在、東部や南部の住民に対して厳しい姿勢で臨むべきだとしていた。実際、クーデター軍は住民を虐殺している。

 こうしたポーランド政府の方針は閣僚の資質という問題もあるだろうが、情報機関の指示に従っているともいう。ポーランドは1999年にNATOへ加盟しているので、この時点では反コミュニストの「秘密部隊」へも参加しているはず。この「秘密部隊」を動かしているのは米英の情報機関で、ポーランドの情報機関がそれらの影響下へ入るのは必然。

 ネオ・ナチの一派、UNA-UNSOはNATOの秘密部隊ではないかと推測されているが、ほかのネオ・ナチもNATOの軍事訓練を受けているわけで、いずれにしろNATOの命令で動いていると言えるだろう。

 ところで、東部の戦況を発表したマクニスキー検事総長代理はネオ・ナチのスボボダに所属している。スボボダは2004年まで「ウクライナ社会ナショナル党」という名称だったが、この政党を創設したひとりが国家安全保障国防会議(国防省や軍を統括する)のアンドレイ・パルビー議長代理。この人物はキエフのクーデターを指揮、警官や市民に対する狙撃もこの人物の命令で行われていたと言われ、東部の制圧作戦では顧問団に最も近い存在だ。





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最終更新日  2014.06.04 00:09:17


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