《櫻井ジャーナル》

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2014.07.01
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 安倍晋三政権は7月1日、臨時閣議を開いて集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈変更を決定したようだ。安倍首相は感情が高ぶり、チンピラのように歩いている。

 安倍首相のような日本の「エリート」はアメリカの支配層(ネオコン=親イスラエル派)に従属している。そのアメリカの支配層は崩れ始めた自分たちの帝国を支えようと必死だ。アメリカが日本に対して集団的自衛権の行使を認めるように命令している理由もそこにある。「海外で戦争できる国」にするという漠然とした目的ではなく、中国との戦争が想定されているだろう。アメリカは韓国も使うつもりのはずで、だからこそ安倍晋三政権の韓国を刺激する言動が許せないように思える。

 アメリカは金融/博奕にのめり込んでいるうちに自国の製造業は崩壊、社会システムも崩れ始めている。逆に台頭しているのがBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)やSCO(上海合作組織)。SCOは1996年に「上海ファイブ」として創設され、2001年に改名された。そのメンバーは中国、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ウズベキスタンの6カ国で、オブザーバー国としてインド、モンゴル、パキスタン、イランも参加している。

 本ブログでも何度か書いたが、アメリカは破綻した自国経済を維持するために電子情報機関を使って投機市場での相場を操縦、他国から預かっていた金塊を盗んだ疑いがある。例えば、ニューヨーク連銀やケンタッキー州フォート・ノックスにある財務省管理の保管所に預けられていたはずの金塊1500トンをドイツが引き揚げようとしたところ連邦準備銀行は拒否、交渉の結果、そのうち300トンを2020年までにドイツへ引き揚げることにしたのだが、2013年にアメリカから返還されたのは5トンにすぎなかったという。

 現在のアメリカを支えている大きな柱は基軸通貨のドルを発行する権利も持っていることにある。これがアメリカを生きながらえさせている「生命維持装置」。正確に言うとアメリカという国ではなく、巨大金融資本が持っている権利なのだが、それを失う可能性が出てきている。貿易の決済をドル以外の方法で行おうという動きが出てきたのだ。

 イラクのサダム・フセイン政権は2000年に石油取引をドルからユーロに変更する姿勢を見せ、その2年後にはマレーシアの首相だったマハティール・ビン・モハマドが「金貨ディナール」を提唱、その金貨ディナールをリビアのムアンマル・アル・カダフィは石油取引の決済に使おうとした。ドイツが金塊を引き揚げようとした背景にもドル不審があるのだろう。

 5月21日にロシアと中国は天然ガスの供給契約を結び、今後30年間にロシアが中国へ毎年380億立方メートルを供給することになった。総額約4000億ドルという大きな取り引きだが、それをロシア通貨のルーブルと中国の元で決済する準備を進めているとも伝えられている。ロシアとの天然ガス取り引きでドル離れが広がれば、アメリカは「生命維持装置」を外された状態になり、崩壊する可能性がある。

 こうした苦境から脱するため、アメリカは軍事力に頼ろうとしている。武力で他国を侵略し、略奪しようというわけだ。例えば、アフリカを自立させようとしていたリビアのカダフィ政権を潰し、1991年にはネオコンが描いていた世界制覇プランに従ってフセイン体制を倒し、シリアのバシャール・アル・アサド体制を転覆させようと計画、ウクライナの東部や南部では民族浄化を推進している。国内のファシズム化、国外での侵略が彼らの「処方箋」であり、こうした「治療」を実行する引き金が2001年9月11日の出来事だった。

 アメリカで主導権を握っている好戦派はロシアに対しても武力で脅し上げ、屈服させようとしたのだろうが、これは通用しなかった。その結果、(核)戦争の危険性が高まっている。ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領はキエフのファシスト勢力と対立していたが、分離独立を目指す東部/南部の住民に対する攻撃を再開すると宣言した。これはネオ・ナチの圧力に屈したということ。そのネオ・ナチの背後にアメリカ/NATOやIMFが存在していることは、本ブログで繰り返し書いてきたとおり。



 そうなるとロシアとアメリカ/NATOが軍事衝突しても不思議ではなく、中国も巻き込まれてしまう。集団的自衛権を主張する安倍政権も日本を戦争へ引きずり込むことになりかねない。中国との戦争だ。日本の政策決定グループ内に「今なら中国に勝てる」という妄想を抱いている人物がいたなら、ブレーキはきかなくなる。

 アメリカ支配層にも「今ならロシアに勝てる」と思い込んでいるグループが存在する。シリアやウクライナでロシアの出方を見誤った連中だ。ロシアや中国との戦争になったあとに「間違った」と気づいても手遅れである。





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最終更新日  2014.07.02 03:16:34


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