クーデターの前、アメリカ/NATOはEUの話し合い路線も許せなかった。欧州対外行動庁(EEAS)のヘルガ・シュミット事務次長と駐ウクライナEU大使のヤン・トムビンスキーとの会話もアップロードされ、その中でシュミット事務次長はアメリカからEUの対応が生ぬるいと言われていることを明らかにしている。ビクトリア・ヌランド米国務次官補に「EUなんかくそくらえ(F*ck the EU)」と言わせたのもそうした感情。そのヌランドから高く評価されているヤツェニュク首相が和平に否定的なのは必然。日本のマスコミはヌランドの発言を「品格」の問題に矮小化していたようだが、本質はロシアとの核戦争をどう考えるかという点にある。勿論、ヌランドは戦争を辞さずという態度だ。