《櫻井ジャーナル》

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2014.09.21
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カテゴリ: カテゴリ未分類
IS(イスラム国。ISIS、ISIL、IEILとも表記)の服装を着込んだふたりの人物がトルコの路面電車に乗っている様子がインターネット上を流れている イスタンブール郊外ではISをイメージさせるTシャツ、帽子、カーゴパンツ、バンダナなどが売られている ようなので本当の戦闘員かどうかは不明だが、そうした服装で街を自由に歩ける雰囲気がトルコにあるとは言えるだろう。

 アメリカ/NATOやペルシャ湾岸産油国は2011年春からシリアのバシャール・アル・アサド体制を転覆させるプロジェクトを始動させているが、その頃からトルコの反シリア政府軍、FSA(シリア自由軍)の軍事支援活動が始まっている。その拠点として使われている米空軍インシルリク基地ではアメリカの情報機関員や特殊部隊員、あるいはイギリスとフランスの特殊部隊員が訓練、サウジアラビアからは武器が供給されている。

 サウジアラビアが武器を流している仲介者のひとりと言われているのがレバノンのサード・ハリリ。2005年2月に殺害されたラフィク・ハリリ元レバノン首相の息子で、06年に「ハリリ・グループ」を結成して「未来運動」なる活動を開始、戦闘部隊を編成した。この部隊を支援していたのが「ウェルチ・クラブ」なるプロジェクトだと言われている。デイビッド・ウェルチ米国務省次官補が責任者だったことからこう呼ばれているようだが、その背後にはネオコンのエリオット・エイブラムズがいたとされている。

 ちなみに、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟がシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラをターゲットにした秘密工作を開始したと調査ジャーナリストの シーモア・ハーシュ がニューヨーカー誌に書いたのは2007年のことだった。つまり、その前から秘密工作は始まっているということだ。

 シリアの体制を転覆させるプロジェクトが行動に移されてしばらくすると、ヨルダンが拠点として使われるようになり、2012年には同国の北部に設置された秘密基地でアメリカの情報機関や特殊部隊は戦闘員を軍事訓練、このことはドイツの スピーゲル誌 やイギリスの ガーディアン紙

 2011年に反アサド工作が顕在化する前から三国同盟はプロジェクトをスタートさせているが、その時点でアル・カイダ(イスラム系傭兵)を使うことは想定されていたはず。実際、FSAもアル・カイダもISも戦闘員の段階では渾然一体となっている。そうした戦闘員をNATOの加盟国でイスラム国でもあるトルコも支援してきた。今でもこの状態は続いている。

 アメリカはISを敵であるかのように宣伝しているが、その一方で支援していることは否定できない。アメリカ政府の内部が分裂しているのか、「ISとの戦争」が演出にすぎないということだ。軍事行動でISに勝とうとしているようには見えない。イスラムの一般市民はこうした事情を知っているだろう。本当にISを倒したいなら、まず自らの支援活動をやめ、石油の販売ルートを締め上げ、サウジアラビアなど湾岸産油国からの支援もやめさせなければならない。そして、 シリアのアサド体制とアル・カイダならアル・カイダを選ぶ というようなことをイスラエル政府に言わせないことだ。





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最終更新日  2014.09.21 19:04:51


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