《櫻井ジャーナル》

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2014.12.17
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 ウクライナ東部、ドンバスの情勢を話し合うためにロシアのウラジミル・プーチン、ドイツのアンゲラ・メルケル首相、フランスのフランソワ・オランド大統領、そしてウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領が電話会議を行ったとロシア政府が明らかにした。

 今月6日にはフランスのフランソワ・オランド仏大統領がカザフスタンからの帰路、ロシアを突然訪問してプーチン大統領とモスクワの空港ビルで会談しているが、この頃からアメリカ政府がロシアとの戦争を目指して「偽旗作戦」を計画しているという噂が流れ始めていた。アメリカの傀儡になっているEUの「エリート」だが、さすがにアメリカの暴走を懸念し始めたようだ。日本とは違い、EUにはその程度の知性は残っているのだろう。

 今年7月のマレーシア航空17便の撃墜は本ブログや一水会の機関紙「レコンキスタ」でも書いたように、キエフ側の戦闘機が撃墜したとみられ、偽旗作戦だったと推測する人もいる。一貫して西側は撃墜に関する調査に消極的で、ブラックボックスもどこにあるか明らかでない。 BBC をはじめ、西側メディアも情報の隠蔽に必死だ。

 オランド大統領がロシアを訪れた2日前、アメリカ下院はロシアを非難する決議を411対10という大差で可決しているのだが、 ロン・ポール元下院議員 の言葉を借りると、これは「向こう見ずな議会がロシアに宣戦布告した」と言える代物。すでにアメリカ/NATOはロシアとの国境近くにおける軍事を増強、その延長線上にある決議だ。アメリカの政界は好戦的な雰囲気が広がっている。11日には 上院 がウクライナへの軍事支援を容認する決定をした。

 こうした雰囲気を広めているのはネオコン/シオニストや戦争ビジネスの手先たち。今年2月にビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒したクーデターを現場で指揮していたのもネオコンのビクトリア・ヌランド国務次官補だ。彼女が結婚した相手のロバート・ケーガンはネオコンの大物で、ジョージ・W・ブッシュ政権が政策の基盤にしたPNAC(ネオコン系シンクタンク)の報告書「米国防の再構築」を執筆したひとりである。中東/北アフリカやウクライナで戦争を煽っているひとり、ジョン・マケイン上院議員もネオコン。安倍晋三政権はこうした勢力に従属している。

 本ブログでは何度も書いているように、こうした アメリカの戦争マシーンを動かしてきた戦略は 1992年に書かれたDPG(国防計画指針)の草案

 ソ連の中心だったロシアは西側の傀儡、ボリス・エリツィンが大統領に据えられた。飲んだくれだということもあり、西側とつながった勢力がクレムリンを支配、不公正な手段で国民の資産を私物化、巨万の富を築いていく。そうした富豪をオリガルヒとも呼ぶが、その象徴的存在が、少なくとも一時期はロシアとイスラエルの二重国籍だったボリス・ベレゾフスキー。そうした動きの中心にはエリツィンの娘、タチアナ・ドゥヤチェンコがいた。

 こうした勢力に接近し、粛清してロシアを独立国へ復活させたのがプーチン。そこで西側支配層の怒りを買っている。特に怒っているのが米英のエリートで、2012年の5月31日から6月3日にかけてアメリカのバージニア州で開かれたビルダーバーグ・グループの会議につながる。

 西側にとって厄介なのはプーチンが国際ルールを遵守していること。そこで、西側の政府やメディアはプーチンを「悪魔化」して自分たちを正当化するため、嘘をつき続けなければならなくなった。メディアを使い、大多数の人びとを騙すことには成功しているようだが、一部の人には嘘を見抜かれ、信頼を失っている。

 そこで、 コンドリーサ・ライス元国務長官 がFOXニュースのインタビューの中で語ったように、控えめで穏やかに話すアメリカの言うことを聞く人はいないということになる。アメリカの「同盟国」だというEUのエリートも脅しと買収でコントロールされているわけだが、彼らもアメリカ(ネオコン)の嘘は熟知しているわけで、ロシアとのつばぜり合いが長引くとEUも離反する可能性が高い。

 クリミアの住民がネオ・ナチとオリガルヒのクーデター政権を拒否してウクライナから離脱することを決めた際、西側の政府やメディアはロシア軍の侵攻を叫び、それを真に受けた「専門家」もいた。西側のメディアは権力を監視しているという妄想に取り憑かれているのかもしれないが、ユーゴスラビア、アフガニスタン、イラク、リビア、シリア、ウクライナなどで彼らが伝えてきた話を調べれば単なるプロパガンダ機関だとわかるはず。いい加減、ワシントン・ポスト紙やニューヨーク・タイムズ紙のような西側の「有力メディア」を信奉するのはやめるべきだ。

 そもそも、1970年代には議会の調査やカール・バーンスタイン(ウォーターゲート事件で有名になった)がCIAとメディアとの癒着を明らかにしている。クリミアの場合も、その嘘はすぐにばれた。MH17を「親ロシア派」が撃墜したとする宣伝も崩壊状態。アメリカは経済戦争で攻勢をかけているようだが、こうした流れを考えると、ロシアを早く服従させるため、新たな偽旗作戦を練っているという噂の信憑性は低くないと言わざるをえない。現在、アメリカが行っている攻勢はEUだけでなくアメリカ自身も傷つけているわけで、負けるわけにはいかない勝負だ。

 少なからぬ人が懸念しているのは、ネオコンが冷戦で勝ち、世界の支配者になったと信じていること。 フォーリン・アフェアーズ誌の2006年3/4月号に掲載されたキール・リーバーとダリル・プレスの論文 は、アメリカはロシアと中国の長距離核兵器を第1撃で破壊できると主張している。しかもアメリカにはエリート向けの巨大シェルターが100カ所以上存在すると言われている。「唯一の超大国」という妄想が「核戦争で圧勝できる」という過信と結びつき、何があっても自分たちは生き残れるとネオコンは信じているように見える。安倍政権の愚かさを笑ってはいけない。首相の言動が日本の国土を破壊し、国民を死滅させかねないのだ。(14.12.17)





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最終更新日  2014.12.17 17:15:07


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