《櫻井ジャーナル》

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2014.12.31
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 2011年から戦闘が続いているシリアに平和の訪れる見通しは立っていない。この戦いはバシャール・アル・アサド体制の打倒を目指すもので、西側の政府やメディアは「民主化勢力」の蜂起であるかのように宣伝してきたが、実態は外国からの侵略軍だ。

ジョージタウン大学のハイララー・ダウド教授 によると、反政府軍のうちシリア人が占める割合は5%。残りの95パーセントは外国人傭兵だとしているが、シリアの北部、トルコとの国境に近いコバニでの戦闘で死亡した74名の反政府軍兵士の場合、15名はウクライナ、8名はチェチェンの出身者だったとシリア政府側は主張している。死亡した戦闘員が携帯していた身分証明書で確認したという。

 チェチェンの反ロシア勢力はグルジアのパンキシ渓谷を拠点にしているが、そこでCIAは戦闘員をリクルート、軍事訓練してシリアへも送り込んでいると言われている。これは本ブログで何度か書いたこと。チェチェンの反ロシア勢力にはウクライナ人も参加している。

 アメリカ(ネオコン/シオニスト)は遅くとも1991年にシリアの体制転覆を目指し始めている。この年、 ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官 は、ポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)がシリア、イラン、イラクを掃討すると話していたと証言している。クラークによると、2001年9月11日から間もなく、ジョージ・W・ブッシュ政権は攻撃予定国リストを作成、そこにはイラク、イラン、シリア、リビア、レバノン、ソマリア、スーダンが載っていたという。

 すでにアメリカはイラクを破壊、シリアの体制転覆を目指しているわけだが、その中心にはネオコン/シオニストや戦争ビジネスが存在、軍の中にも同調者はいる。すでに退役しているが、スキャンダルでCIA長官を解任されたデイビッド・ペトレイアス大将、アフガニスタン駐留米軍の司令官を務めていたジョン・アレン大将もシリアの体制転覆を目指している一派。2014年9月、バラク・オバマ政権はIS(イスラム国、ISIS、ISIL、IEILなどとも表記)に対する空爆の「司令官」役にアレンを就任させた。

 リビアでアメリカ/NATOが飛行禁止空域を設定した最大の理由は自分たちの地上軍である アル・カイダ系のLIFG(リビア・イスラム戦闘団) を守ることにあった可能性が高い。現在、LIFGはISの一部として活動中だと伝えられている。



 カダフィ体制が倒された直後、 ベンガジでは裁判所の建物にアル・カイダの旗 が掲げられた。その様子を撮影した映像がすぐにYouTubeにアップロードされたほか、イギリスの デイリー・メール紙 などもその事実を伝え、アメリカ/NATOとアル・カイダと同盟関係は多くの人が知るようになった。

 リビアの体制を転覆させた翌年、2012年にアメリカの情報機関や特殊部隊は ヨルダンの北部に設置された秘密基地で 数十人とも3000人以上とも言われるISの戦闘員を訓練している。数字に開きがあるのは、訓練の時点で戦闘員がISのメンバーだったかどうかということにあるようだ。

 本ブログでは何度かしてきしたが、戦闘集団の名称には大きな意味はない。その時々で使い分けているのが実態で、例えばアメリカから武器を提供され、軍事訓練を受けるときは「穏健派」で、戦闘に参加するときはISということがよくある。現在、ISは対戦車ミサイルのTOWを保有、戦闘機を撃墜する能力も獲得していると見られている。

 現在、トルコ政府がISを支援しているが、基本的には調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュがニューヨーカー誌に2007年3月5日付けで書いたように、 アメリカ、サウジアラビア、イスラエルの三国同盟が中東や北アフリカ不安定化させている元凶 。ISはイスラエルを攻撃せず、イスラエルはISを攻撃していないのは当然だ。

 ISがアメリカやイスラエルとつながっていることはロシア政府の関係者からも指摘されているが、イスラエルも隠してはいない。 イスラエル軍の幹部からアメリカが始めたとISへの空爆を批判する声が出ている ほか、 駐米イスラエル大使だったマイケル・オーレンは退任前の2013年9月、アサド体制よりアル・カイダの方がましだとエルサレム・ポスト紙のインタビューで語っている






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最終更新日  2015.01.01 04:42:39


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