《櫻井ジャーナル》

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2015.10.27
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 アメリカ海軍は 10月27日、中国が領海だと主張する南沙群島(チュオンサ諸島、あるいはスプラトリー諸島)の海域へ偵察機を伴ったミサイル駆逐艦(イージス艦)のラッセンを送り込んで挑発

 ラッセンは横須賀を拠点にしている。この海域は中国のほか、フィリピン、マレーシア、ベトナムも自国の領海だと主張しているが、今回はアメリカが自分たちの「縄張り」だと宣言する一種の示威行動だ。

 ウクライナでもアメリカは似たようなことをしている。昨年4月10日に黒海へ イージス艦のドナルド・クック を入れ、ロシアの領海近くを航行させたのだが、このときはロシアはジャミング・システムを搭載したスホイ24を米艦の近くを飛ばしている。その際、米艦のイージス・システムが機能しなくなり、その間、戦闘機は仮想攻撃を実施したという未確認情報が流れている。その直後にドナルド・クックはルーマニアへ緊急寄港、それ以降はロシアの領海にアメリカ軍は近づかなくなったという。

 こうした出来事の直後、4月12日にジョン・ブレナンCIA長官がキエフを極秘訪問して14日にはアレクサンドル・トゥルチノフ大統領代行が東部の反クーデターは住民を制圧する作戦を承認、22日にはジョー・バイデン米副大統領がキエフを訪問、それに合わせてトゥルチノフ大統領代行、アルセン・アバコフ内相、バレンティン・ナリバイチェンコSBU(治安機関)長官、アンドレイ・パルビー国家安全保障国防会議議長が会議を開き、ネオ・ナチ(ステファン・バンデラ派)のスポンサーとして知られているドニエプロペトロフスク市のイゴール・コロモイスキー市長も出席している。そして5月2日にオデッサで住民が虐殺された。

 虐殺を演出したのは会議を開いたグループで、実行部隊はネオ・ナチ。まず、サッカーの試合を強行してフーリガンを集め、反クーデター派を装ってそうしたグループを挑発して労働組合会館へ誘導している。

 会館の前に集まっていた反クーデター派の住民には子どもや女性も含まれていて、そうした人びとを会館の中へ避難させるようにネオ・ナチは仕向け、 その中で住民を殺している 。50名近くが殺されたとされているが、住民の証言によると120名から130名が虐殺され、70体から80体の死体は運び去られたという。

パルビーは事件の数日前、数十着の防弾チョッキをオデッサのネオ・ナチへ運んでいる 。その装具を受け取った ミコラ・ボルコフは虐殺の当日、労働組合会館へ向かって銃を発射 、状況をキエフの何者かに報告する様子が映像に残っている。その後、ウクライナの東部、ドンバス(ドネツクやルガンスク)でロシア語を話す住民をキエフ側は殺し始める。民族浄化作戦の開始だ。

 ウクライナではそれとなく警告していたロシアだが、シリアでは9月末から軍事作戦を開始、IS(ISIS、ISIL、ダーイシュなどとも表記)やアル・カイダ系武装集団に対して大きなダメージを与えている。シリア軍と連携、住民の協力を得ていることもあり、正確な情報で効率的に空爆を繰り返し、途中、カスピ海の艦船から巡航ミサイルでISやアル・ヌスラの部隊を攻撃している。

 攻撃までの動きが素早く、しかも攻撃の精度が高いことにアメリカ側は驚いているようだが、そのロシアは中国へ高性能地対空ミサイルS-300を供給、それを上まわる能力を持つS-400も提供すると言われ、アメリカ側は神経質になっている。中国がどの程度のジャミングの能力を持っているかも気にしているだろう。今回、ラッセンを派遣した理由のひとつは、そうした能力を見たいということもあるかもしれない。

 ラッセンが航行した南シナ海を安倍晋三首相は「日本の戦場」と考えている可能性がある。ベトナム、フィリピン、日本を軸にして中国を封じ込めようとしているアメリカの意向に沿ってのことだ。週刊現代のサイトで紹介された話によると、 今年6月1日に開かれた官邸記者クラブのキャップとの懇親会で安倍首相は「安保関連法制」について、「南シナ海の中国が相手」だと口にした という。

 シリアでの戦闘でウイグル出身者が死んでいるようで、今後、アメリカの好戦派は新疆ウイグル自治区などで戦闘を始めるつもりかもしれない。それと並行する形で東アジアへ戦乱が拡がる可能性もある。





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最終更新日  2015.10.27 20:53:58


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