《櫻井ジャーナル》

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2015.11.19
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 ロシア軍によると、 IS(ISIS、ISIL、ダーイッシュなどとも表記)が盗掘した石油関連の施設や石油をシリアからイラクの精製施設へ運ぶ燃料タンク車500台を空爆で破壊

 これまで約1年半にわたってアメリカが主導してISを攻撃してきたはずだが、戦闘力を衰えさせることができなかった。兵站ラインや石油の輸送を空爆しないどころかアメリカ軍は物資を「誤投下」で反政府武装勢力に提供し、トルコやイスラエルは反シリア政府軍を守ってきたと伝えられている。

 G20首脳会議でウラジミル・プーチン露大統領はG20参加国を含む40カ国がISへ融資していると発言した。9月28日にプーチンが国連で演説した際、国家主権について語り、暴力、貧困、社会破綻を招き、生きる権利さえ軽んじられる状況を作り上げた人びとに対して自分たちがしでかしたことを理解しているのかと問いかけている。

 その直後にプーチンはバラク・オバマ米大統領と会談したのだが、これは9月19日にアメリカ政府から持ちかけられて実現したのだという。そして9月末にロシアはシリアで空爆を開始、アル・ヌスラ/AQIやISは敗走を開始、アメリカの好戦派はロシアを罵り始める。パニックになったようだ。

 空爆が正確で破壊力が大きいことも注目されたが、それ以上に衝撃的だったのは、カスピ海の艦船から発射された26基の巡航ミサイル。例によって証拠を提示することなく、アメリカ側はミサイルが途中のイランで落下したとする話を流したが、実際は全てのミサイルが約1500キロメートル離れた場所にあるターゲットに2.5メートル以内の誤差で命中しているようだ。つまり、ロシア軍はカスピ海に浮かべた艦船からイスラエルを含む中東全域を攻撃できる。

 2013年の夏にアメリカ政府はシリア政府軍が化学兵器を使ったという偽情報を流し、直接的な軍事介入を目論んでいたが、この時からロシア軍のジャミング能力が話題になり始めている。 9月3日に地中海側からシリアへ向かって2発のミサイルが発射された のだが、2基とも海中に落ちてしまったのだ。

 その直後にイスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だと発表しているが、事前に周辺国(少なくともロシア)へ通告はなく、実際に侵攻作戦をイスラエルとアメリカは始めたと考えても不思議ではない。その攻撃がジャミングではじき返された可能性がある。



 最近、ロシア機がアメリカの空母ロナルド・レーガンから1海里(1852メートル)より近い場所を飛行し、高度500フィート(152メートル)まで降下したという。その際、空母から4機のF-18戦闘機が緊急発進したというのだが、空母の周囲にはイージス巡洋艦のチャンセラーズビル、イージス駆逐艦のムスティン、フィッツジェラルド、カーティス・ウィルバーが航行していたこともあり、そこまでTu-142が近づけたことが注目されている。また、長距離爆撃機が巡航ミサイルでISを攻撃したとも伝えられている。

 かつて、コンドリーサ・ライス元国務長官はFOXニュースのインタビューの中で、 控えめで穏やかに話すアメリカの言うことを聞く人はいない と語ったことがある。脅さなければ誰も言うことを聞かないと自覚しているのだろうが、その脅しはアメリカが圧倒的に強いと信じられなければ効果がない。

 勿論、ロシアや中国には通じない手法だが、ここにきてロシアは自分たちの軍事的な能力の高さを示し、アメリカやイスラエルに対する軍事的な恐怖心を世界の人びとから取り除こうとしている。アメリカの好戦派にとっては厳しい状況だ。





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最終更新日  2015.11.20 11:10:47


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