《櫻井ジャーナル》

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2016.09.06
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カテゴリ: カテゴリ未分類
アメリカを中心とする反中国同盟に参加しているはずのフィリピンだが、同国のロドリゴ・ドゥテルテ大統領とバラク・オバマ大統領との関係が険悪化、予定されていた ラオスでの会談が取り消された

 ドゥテルテが大統領に就任したのは6月だが、この人物は前任者のベニグノ・アキノ3世とは違い、アメリカの言いなりになっていない。中国を敵視する政策も軌道修正、話し合いを進めている。 国内では麻薬業者の摘発に力を入れ、司法手続きを無視する形で400名以上の容疑者をすでに殺害、逮捕者は約4400名 にのぼるという。選挙で公約した麻薬撲滅を実践しているのだが、その遣り方に対する批判が国連から発信され、ドゥテルテ大統領は反発していた。

 オバマ大統領との会談に先立ち、ドゥテルテ大統領は記者からオバマ大統領に麻薬取引の容疑者を殺害していることをどのように説明するかと問われ、オバマは「自分を何様だと思っているのだ。私はアメリカの操り人形ではない。主権国家の大統領であり、フィリピンの人びとに対してのみ、説明責任がある。」と応じていた。

 アメリカ人は自分たちが特別な存在であり、何をやっても許されると考えていると批判されているが、司法手続きを無視した殺害はオバマ政権が公然と実行してきたこと。無人機(ドローン)は殺害の道具だ。しばしば一般市民を殺害している。

 本ブログでは何度も書いてきたが、アメリカでは1997年にマデリーン・オルブライトが国務大臣に就任して以来、偽情報でターゲットを悪魔化しながら軍事侵略を進め、破壊と殺戮を繰り返してきた。ジョージ・W・ブッシュが大統領に就任した2001年の9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンにある国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されると、この攻撃に無関係だったイラクを先制攻撃している。その時に攻撃の口実に使われた大量破壊兵器の話も嘘だった。

 攻撃の直後、詳しい調査が行われていない段階でブッシュ・ジュニア政権は「アル・カイダ」が実行したと断定、「アル・カイダ」のメンバーで旅客機をハイジャックしたことになっているモハメド・アッタがチェコのプラハでイラクのエージェントと会ったとする情報も流れたが、この情報は間違っているとチェコの情報機関は認めている。イラクのサダム・フセイン政権は「人権無視」でアル・カイダ系武装集団を弾圧していた。

 イラク攻撃は「9/11」と無関係で、 ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官によると

 アメリカの支配層は自分たちにとって都合の悪い体制を破壊し、その国の人びとを虐殺している。そこに「正当な手続き」などはない。アメリカ自体の歴史も先住民の虐殺から始まっているわけで、人権を口にするなどおこがましいのだ。

 麻薬取引に関しては、CIAが深く関与していることが明らかになっている。ベトナム戦争の際には東南アジアの山岳地帯、いわゆる黄金の三角地帯で栽培されるケシを原料とするヘロイン、ニカラグアの革命政権を倒す目的で始めた秘密工作ではコカイン、アフガニスタンでの戦争ではパキスタンとアフガニスタンにまたがる山岳地域で栽培されるケシを使ったヘロイン生産、いずれもCIAが関係している。アメリカでは麻薬取引を取り締まったロサンゼルス市警の捜査官が司法省によって警察から追放されている。

 この取り引きをテーマにした連載記事をサンノゼ・マーキュリー紙のゲイリー・ウェッブは1996年に書いているが、それが話題になるとロサンゼルス・タイムズ紙、ニューヨーク・タイムズ紙、ワシントン・ポスト紙を含む有力メディアから事実を無視した激しい攻撃を受け、新聞社から追放され、自殺に追い込められている。(こうしたアメリカの有力紙ブランドを有り難がるのは愚の骨頂ということ。)

 1998年にCIAの監察総監室はこの問題に関する報告書(IGレポート)を公表、ウェッブの記事が正しいことが確認されたが、有力メディアはこのレポートを無視、自分たちの記事を訂正せず、行為を謝罪していない。アメリカの政府機関が麻薬取引に手を出しているとは言えないのだろう。麻薬取引がアメリカの世界戦略と結びついていると言え、そのアメリカの政府が展開してきた「麻薬との戦争」はインチキだということでもある。

 現在、アメリカ政府は中国を封じ込めるための枢軸として日本、フィリピン、ベトナムを考え、そこへ韓国、インド、オーストラリアを結びつけようとしている。その一角を占めるフィリピンがアメリカから自立する意思を示しているわけで、何らかの工作で従属させようとする可能性はあるだろうが、アメリカの支配力が衰えていることも確かだ。





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最終更新日  2016.09.06 16:48:27


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