《櫻井ジャーナル》

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2016.09.22
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 高速増殖炉「もんじゅ」をめぐる動きが活発化、安倍晋三政権は「もんじゅ事業」の抜本的な見直し方針の表明を急ぐ方針だという。高速増殖炉自体が無謀な技術ではあるが、「もんじゅ」の場合は事故/トラブルの影響で再稼働はきわめて困難。プロジェクトを再始動させるためには「もんじゅ」を廃炉にして再出発する必要があると判断したのだろう。実際、政府は高速炉研究や核燃サイクル政策は維持する方針だとしている。一部で話題の一体型高速炉(IFR)も危険であることに変わりはない。

 この「もんじゅ」は1991年から性能試験を始めたが、その4年後に2次冷却系のパイプが破裂、そこから2〜3トンと推定される放射性ナトリウムが漏出、当然のことながら火災が発生して運転を休止している。その際に動力炉・核燃料開発事業団(動燃)は事故原因が写ったビデオ映像を隠そうとして大きな問題になった。2010年には原子炉容器内に筒型の炉内中継装置(重さ3.3トン)が落下するという事故も引き起こしている。

 安倍政権が「もんじゅ」の廃炉を考えているとするならば、それは核兵器製造の仕組みを作り上げたいという意思の反映だろう。1964年に中国が原発を手にした直後、佐藤栄作首相はアメリカのリンドン・ジョンソン大統領に対し、アメリカが核攻撃に対する日本の安全を保障しないなら、日本は核兵器システムを開発すると通告したとされている。今、朝鮮での核兵器開発が伝えられている。

 ジョンソンは安全保障を約束し、日本の核兵器開発を思いとどまらせようとしたが、その後も日本側は核兵器開発を続けたとも言われている。少なくともアメリカの情報機関は日本が核兵器開発を続けていると考えている。

 1977年に試運転を始めた東海村の核燃料再処理工場(設計処理能力は年間210トン)はそうしたプロジェクトの一環だと見られ、78年6月に開かれた「科学技術振興対策特別委員会」で再処理工場の建設について、ジャーナリストで市民運動家の山川暁夫は「核兵器への転化の可能性の問題が当然出てまいるわけであります」と発言、アメリカ政府はそこを見過ごさないと指摘した。実際、当時のジミー・カーター政権(1977年から81年)は日本が核武装を目指していると疑い、日米間で緊迫した場面があったと言われている。

 日本が核武装を目指していると疑われている一因はRETF(リサイクル機器試験施設)の建設を計画したことにある。RETFとはプルトニウムを分離/抽出するための施設で、東海再処理工場に付属する形で作られることになった。

 こうしたRETFの建設をロナルド・レーガン政権は支援する。同政権は兵器産業へ多額の資金を投入、テネシー州のクリンチ・リバー渓谷にあるエネルギー省オークリッジ国立研究所の実験施設では増殖炉を建設していた。増殖炉の開発には1980年から87年の間に160億ドルが費やされたものの、成功していない。そこで議会は予算を認めなくなる。

 そこで増殖炉を推進していた一派はクリンチ・リバー計画の技術を日本の大手電力会社へ格安の費用で移転することにした。その際、日本の核兵器開発を懸念していたCIAはこのプロジェクトから閉め出されたという。当時、ソ連や中国との戦争を想定していたアメリカ軍の好戦派は日本を核武装させることで自分たちの負担は軽減されると考えていたようで、こうした動きを黙認していた。

 日本側もクリンチ・リバーの計画に興味を持ち、毎年何十人の日本人科学者が施設を訪問、そこでの計画が打ち切られそうになると、以前にも増して多くの日本人が訪れたという。日本がアメリカ側に要求していたリストのトップに挙げられていた高性能のプルトニウム分離装置、つまり使用済み燃料から核兵器級プルトニウムを分離することができる装置が日本のRETFへ送られた。

バラク・オバマ米大統領は保有する核兵器を増強するため、今後30年間に9000億ドルから1兆1000億ドルを投入する計画 を打ち出した。日本に対して核兵器開発を要求してきても不思議ではない。





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最終更新日  2016.09.22 12:33:50


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