《櫻井ジャーナル》

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2017.09.20
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カテゴリ: カテゴリ未分類
デリゾールを制圧することにほぼ成功したシリア政府軍はユーフラテス川を渡り、対岸のダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)に対する攻撃を始めた。シリア政府軍がユーフラテス川を渡ったことでアメリカとロシアは難しい決断を迫られようとしている。

16日にその地域をロシア軍は空爆している。その攻撃で指揮下にある戦闘員(クルド系戦闘集団SDF)が負傷したとアメリカ軍は主張しているが、ロシア軍によると、ダーイッシュをピンポイントで攻撃、その際にダーイッシュとSDFは交戦状態になかった。

それに対し、アメリカ軍主導軍は昨年9月17日、F-16戦闘機2機とA-10対地攻撃機2機を使ってデリゾールでダーイッシュを攻撃する準備をしていたシリア政府軍を空爆、80名以上の政府軍兵士を殺害している。空爆から7分後にダーイッシュの部隊が地上でシリア政府軍に対する攻撃を開始していることから、両者は連携していた可能性が高い。つまりアメリカ側が主張するような「誤爆」ではなかった可能性が高い。その後、9月28日にアメリカ主導軍は2つの橋を、30日にも別の橋2つをそれぞれ爆撃しているが、その目的はシリア政府軍の渡河を妨害することにあったのだろう。

2006年にアメリカ軍のラルフ・ピータース中佐はシリア、トルコ、イラクをまたぐ地域にクルド系国家(クルディスタン)を作るという計画を明らかにしている。中東に「満州国」を作ろうということだろう。イラクのクルドは冷戦時代からイスラエルの傀儡となり、最近ではシリアやトルコのクルドもアメリカの影響下に入ったようだ。

アメリカ軍はクルド勢力を使ってシリアやイラクの北部に居座るつもりで、サウジアラビアもクルドの支配地に影響力を及ぼそうとしている。イラクの前首相で現在は副大統領を務めているノウリ・アル・マリキはイラク北部に「第2のイスラエル」が出現することを許さないと語り、シリアやイランとの連携を強めている。

バラク・オバマ政権は特殊部隊をシリア北部にある7つの基地へ派遣、トルコ政府によると、アメリカはクルドが支配している地域に10カ所以上の軍事基地を建設済みだという。シリア政府軍やロシア軍に対する威嚇のつもりだろうが、政府軍の進撃を止められるかどうかは不明。

トルコも北から攻めてくる可能性があるのだが、トルコはNATO加盟国。そのトルコがロシアから防空システムS-400を購入することで契約が成立したと伝えられているが、このシステムが「クルドの空軍」、つまりアメリカ主導軍に対して使われてNATOが揺らぐ可能性もある。NATOはヨーロッパを支配するためにアメリカが創設した仕組みであり、これが揺らぐことは避けたいだろう。





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最終更新日  2017.09.20 02:32:05


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