《櫻井ジャーナル》

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2017.12.23
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カテゴリ: カテゴリ未分類
関西電力は大飯原発の1号機と2号機を廃炉にするのだという。福島第一原発で大事故を引き起こし、状況によっては東京を含む東日本を壊滅させかねなかった東京電力は事実上、その責任が免除されているが、それでも運転の継続はできないと判断したのだろう。

事故後の福島第一原発がどういう状態になっているのかは明らかにされていない。政府や東電も状況を把握できていないだろう。状況が把握できていない以上、放射性物資による環境の汚染がどのようになっているかも把握できないだろう。勿論、汚染があったとしても秘密保護法が存在している以上、日本の安全保障と深く関係した原発に関する情報を明らかにすると刑事罰の対象になってしまう。

秘密保護法を安倍晋三政権が閣議決定したのは2013年10月。12月には成立している。閣議決定の直前、9月には東電が招聘したアメリカの専門家レイク・バレットは汚染水を海に放出する準備に着手するべきだと助言、同月には気象庁気象研究所の主任研究官だった青山道夫がIAEA(国際原子力機関)で原発北側の放水口から放射性物質のセシウム137とストロンチウム90が1日に合計約600億ベクレル、原発港湾外へ放出されていると報告していた。

そうした環境下ではあるが、東電は今年2月、2号機の下に少なくとも1平方メートルの穴があり、そこで毎時530シーベルト(53万ミリシーベルト)を記録したと発表した。チェルノブイリ原発で記録された最大の数値は300シーベルトだと言われ、それを大きく上回る。ちなみに、7〜8シーベルトで大半の人が死亡すると言われ、いずれも人間が近づける状況ではない。1号機と3号機の状態は2号機より悪く、溶融した燃料棒を含むデブリが地中へ潜り込み、それを地下水が冷却、高濃度汚染水が太平洋へ流れ出ていると考えるべきだろう。

メルトダウンした原子炉の数だけでも福島第一原発の事故がチェルノブイリ原発の事故より遥かに深刻だということは明らか。当初、福島第一原発から環境中へ放出された放射性物質の総量はチェルノブイリ原発事故の1割程度、あるいは約17%だとされたが、その主張を信じないひとは少なくない。

そうした疑問を持つ専門家のひとりが原発の元技術者であるアーニー・ガンダーセン。福島第一原発の場合は圧力容器が破損、燃料棒を溶かすほどの高温になっているため、99%の放射性物質を除去するという計算の前提は成り立たない。圧力抑制室(トーラス)の水は沸騰状態で、ほとんどの放射性物質が外へ放出されたはずだと指摘、少なくともチェルノブイリ原発事故で漏洩した量の2〜5倍の放射性物質を福島第一原発は放出したと推測している。(アーニー・ガンダーセン著『福島第一原発』集英社新書)

別の元エンジニアは、圧力容器内の温度が急上昇した結果、爆発的な勢いで溶けた固形物が気体と一緒にトーラスへ噴出したはずだとしている。その面からも水が放射性物質を吸収するという前提は成り立たない。そもそも格納容器も破壊されていた。

大飯原発の場合、廃炉作業に30年ほどが必要だとされているが、かなり楽観的な予測。この程度なら日本に住む人々が受け入れるだろうということから決められた数字だろう。1世紀は覚悟する必要がある。

大事故で崩壊した福島第一原発の場合はさらに困難。イギリスのタイムズ紙は​ 福島第一原発を廃炉するまでに必要な時間を200年だと推定

廃炉作業が終了したとして、その後、10万年にわたって放射性廃棄物を保管する必要があると言われている。荒唐無稽な話だ。





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最終更新日  2017.12.23 13:02:18


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