《櫻井ジャーナル》

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2020.09.02
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カテゴリ: カテゴリ未分類

 ​ サウジアラビア軍の戦闘部隊が8月26日にシリア北東部のハサカにあるアメリカ軍の基地へ入った ​と伝えられている。戦闘部隊は約20名で編成され、石油を盗掘するため、その1週間前に現地入りしたサウジアラビアやエジプトの専門家を守ることが目的だという。昨年12月にはユーフラテス川沿いにあるシリアの油田地帯、デリゾールへ数十名のサウジアラビア兵がヘリコプターで到着したとも伝えられている。

 シオニストの一派であるネオコンはイラク、シリア、イランを壊滅させるというプランを1980年代から持っていた。イラクのサダム・フセイン体制を倒して親イスラエル体制を樹立、シリアとイランを分断した上で両国を殲滅するというもの。

 その当時、アメリカの一部支配、つまりジョージ・H・W・ブッシュやジェームズ・ベイカーたちはフセインをペルシャ湾岸産油国の防波堤と認識、ネオコンと対立する。そこで機密情報の暴露合戦が展開され、イラン・コントラ事件やイラクゲート事件と呼ばれるスキャンダルが浮上したわけだ。

 クウェートの石油盗掘に怒ったイラク軍が1990年8月2日に同国へ軍事侵攻、それに対してアメリカ主導軍が91年1月16日にイラクへの空爆を開始する。いわゆる湾岸戦争だが、大統領だったジョージ・H・W・ブッシュはフセイン体制を倒さず、2月末に戦争を終わらせてしまう。

 これに怒ったのがネオコン。1991年5月に国防総省を訪れたウェズリー・クラーク元NATO欧州連合軍最高司令官に対し、国防次官だったネオコンのポール・ウォルフォウィッツはシリア、イラン、イラクを5年から10年で殲滅すると語ったという。(​ 3月 ​、​ 10月 ​)

 クラークによると、2001年の9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンにある国防総省の本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されて間もない時期に、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺にいたネオコンはイラク、イラン、シリアだけでなく、リビア、レバノン、ソマリア、スーダンを攻撃する計画が立てていたという。

 こうした話が漏れ出た後、ジョージ・W・ブッシュ(息子)政権は7カ国だけでなく、もっと多くの国を攻めるつもりだという話が流されたが、これは「枯れ葉」を撒いて真の計画を隠すことが目的だったのだろう。

 遅くとも1980年代にネオコンが立てた計画に従ってアメリカ軍は今も動いている。その計画を遂行するために必要な資金、そして私的な利益を稼ぐためにシリアの石油は盗掘されてきたが、その盗掘を本格化させる動きがあると言える。

 サウジアラビア軍が部隊をシリアへ派遣していると伝えられる中、興味深い出来事が中東では引き起こされている。

 例えば、8月4日にはレバノンの首都ベイルートで核兵器を連想させるような大きな爆発があり、13日にはドナルド・トランプ米大統領がアラブ首長国連邦とイスラエルの「国交正常化」を発表した。シリア東北部では17日にアメリカ軍の戦闘ヘリコプター、AH-64アパッチがシリア軍のチェックポイントを攻撃、18日にはロシア軍の少将が殺され、同じ日にアメリカ軍が保有する2機のドローン(無人機)、MQ-9リーパーが行方不明になっている。

 アメリカは中東での軍事作戦に傭兵やクルドだけでなく、ペルシャ湾岸の産油国などを巻き込み、「内戦」を演出しようとしているようにも見える。






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最終更新日  2020.09.02 00:00:10


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