2011年3月11日に東電の福島第一原発で炉心が溶融し、環境中に大量の放射性物質が放出された段階でも、政治家、官僚、あるいは「権威」とされる人びとはマスコミを通じ、安全であり、安心しろと宣伝していた。そうした政治家、官僚、「権威」、マスコミがCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)騒動では危険であり、心配しろと宣伝している。ふたつの出来事で逆の主張をしているが、共通項がある。いずれも根拠が示されず、逆の情報を封じ込めているということだ。
原発事故の場合、危険な状況だということは明白だったが、COVID-19の場合は季節性のインフルエンザに比べて危険だとは思えない。そもそもSARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)の正体がわからない。少なくとも公にはされていない。街はイメージだけが広がっている。
マスコミが「新型コロナウイルス」と繰り返し、人びとの頭にその単語が刷り込まれているようだが、そうした洗脳を効果的にしているのがハリウッド映画だろう。恐怖の伝染病が広がり、人類は死滅の危機に陥るが、ワクチンの登場で救われるというシナリオ。パンデミック映画はいくつか制作されているが、中でも話題にされたのは2011年に公開された映画「コンテイジョン」だと言えるだろう。
作り出されたイメージをリアルに感じさせるために「スペイン風邪」も利用されてきた。1918年8月頃から肺炎で死亡する人が増え始め、年明け後にも流行の波が来た。流行は1920年まで続き、1700万人から1億人が死亡したと言われている。「第2波」「第3波」という表現はこのときの経験から出てきたようだ。
スペイン風邪の最初の患者はアメリカのカンザス州にあるフォート・ライリーにいたアメリカ兵だった可能性が高く、「スペイン」という国名をつけたことには問題があるというか、何らかの意図が隠されているのだろう。第1次世界大戦に参加するため、アメリカは1917年の夏に新兵の訓練を目的としてキャンプ・ファンストンをここに建設していたのだ。感染した新兵はヨーロッパ戦線へ運ばれていく。1917年はロシア革命の年でもあった。
当時、インフルエンザが流行していたとされているため、少なからぬ人はインフルエンザが死因だと思い込んでいるようだが、これは幻想にすぎない。アメリカのNIAID(国立アレルギー感染症研究所)の研究者が2008年に発表した論文によると、1918年から19年にかけて死亡した人の死因は細菌性肺炎だったという。ウイルスが原因で人がバタバタ死んでいったわけではない。その細菌はどこからきたのか?
しかし、インフルエンザ・ウイルスで死んだわけではないという情報が広まると「新型コロナウイルスは怖い」というイメージを作る妨げになる。そのイメージが作れたら、「スペイン風邪」には触れたくないだろう・・・ある種の人びとは。