《櫻井ジャーナル》

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2025.06.17
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 イスラエル軍は6月13日早朝にイランをミサイルとドローンで攻撃、イラン軍のモハンマド・バゲリ参謀総長や革命防衛隊(IRGC)のホセイン・サラミ司令官を含む軍幹部、さらに少なからぬ核科学者が殺害された直後、アメリカのドナルド・トランプ大統領はその攻撃を「素晴らしい」と表現した。

 トランプは、「われわれはイランにチャンスを与えたが、彼らはそれを逃した。彼らは大きな打撃を受けた。非常に大きな打撃だ」とした上で、「さらに大きな打撃がこれから来るだろう」と語り、テヘランが核合意に同意しない限り、つまりアメリカの命令に従わない限り、「さらに多くの攻撃が行われるだろう」ともは警告。屈服しなければイランには何も残らないと脅した。

 アメリカ大統領は

 最終的には、1973年10月に勃発した第4次中東戦争の時と同じように核兵器を使おうとするかもしれない。この戦争でもアメリカは軍事物資をイスラエルへ供給していたが、戦況が悪化した際、 ゴルダ・メイア首相の執務室で核兵器の使用について議論されている。その際、モシェ・ダヤン国防相は核兵器を選択肢として見せる準備をするべきだと発言したという。

 ソ連の情報機関は早い段階でイスラエルが核弾頭を使う準備をしている疑いを抱き、その情報はエジプトのモハメッド・アブデル・ガーニー・エル・ガマシ参謀長に伝えられ、アメリカ政府へもイスラエルが核兵器を使う準備をしていると警告した。(William Colby, “Honorable Men”, Simon & Schuster, 1978)

 そこでソ連のレオニード・ブレジネフ書記長はリチャード・ニクソン大統領に書簡を送り、その中でアメリカがソ連と手を組めないならば、ソ連は単独で行動すると警告している。(Len Colodny & Tom Shachtman, “The Forty Years War,” Harper, 2009)その当時にCIA長官だったウィリアム・コルビーもそう証言している。(William Colby, “Honorable Men”, Simon & Schuster, 1978)

 その直後にヘンリー・キッシンジャーはWSAG(ワシントン特別行動グループ)を招集して討議するが、その会議にリチャード・ニクソン大統領は呼ばれなかった。

 その結果、まずニクソンの名前でブレジネフへソフトな内容の返信を送り、その一方でアメリカが核戦争の警戒レベルをDEFCON(防空準備態勢)を通常の5から3へ引き上げているということ。その後、全世界のアメリカ軍に対して「赤色防空警報」が出されたとも言われている。イスラエルのダヤン国防相は核攻撃の準備を始め、2基のミサイルに核弾頭をセット、目標をダマスカスとカイロに定めた。結局、イスラエルは核兵器を使わなかったが、使おうとしたことは確かである。(Len Colodny & Tom Shachtman, “The Forty Years War,” Harper, 2009)

 1986年10月5日付けのサンデー・タイムズ紙に掲載された内部告発者モルデカイ・バヌヌの話よると、イスラエルが保有する核弾頭の数は生産のペースから推計して150から200発。水爆の製造に必要なリチウム6やトリチウム(三重水素)の製造もバヌヌは担当、別の建物にあった水爆の写真を撮影したという。また、イスラエルは中性子爆弾の製造も始めていたとしている。(The Sunday Times, 5 October 1986)なお、ジミー・カーター元米大統領はイスラエルの保有する核弾頭の数は150発以上だと推測、400発だとする人もいる。

 このようにイスラエルが核兵器を使う可能性はあるのだが、それを懸念したパキスタンは、イスラエルがイランに対して核兵器を使用したならば、パキスタンがイスラエルに対して使うと警告した。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はアメリカの大手メディアの番組で、イランが核兵器の開発に取り組んでいて、アメリカ東海岸を核攻撃するための大陸間弾道ミサイルの開発にも取り組んでいると、かつて聞いたことがあるような話を述べ、イランはトランプ大統領の暗殺を2度試みたとも主張した。だからアメリカは配下の国の軍隊を引き連れてイランを破壊してくれというわけだろう。そうしたことを口にするほどネタニヤフは追い込まれている。

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最終更新日  2025.06.17 01:10:42


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