【キエフで英国人将校が戦死との情報】
ウクライナ軍はロシアのクラスノダールとロストフを約250機の攻撃用ドローンで攻撃、3名が死亡、数十人が負傷したと伝えられている。ロストフでは航空機工場が被害を受け、エンジンや装置類が取り外されていた地上訓練用に使われていたIl-76輸送機とA-60実験機が破壊されたようだ。
それに対し、ロシア軍は11月26日、オデッサとキエフの軍事施設をドローンなどで報復攻撃したが、キエフでは3機のSu57戦闘機から亜音速のKH-69巡航ミサイルを発射、兵器庫やパトリオット防空システム、そして「意思決定センター」を破壊したのだが、ロシア軍の発表によると、前日のクラスノダールやロストフに対する攻撃を指揮したのはそのセンターで、そこには15名のウクライナ人将校と7名のイギリス人将校がいた。全員が死亡したとされている。
【ロシア軍と戦っているのはNATO軍】
本ブログでも繰り返し書いてきたが、ウクライナ軍が崩壊状態になってからNATO軍、特にイギリス軍やフランス軍が前線で戦うようになっている。例えば、ウクライナ東部の都市で兵站の要衝としても知られているポクロフスクではロシア軍に包囲されたウクライナ軍部隊の中にNATO軍将校、あるいはCIAの幹部工作員が含まれていたという。
包囲されつつあったポクロフスクでウクライナの情報機関GUR(国防省情報総局)は特殊部隊をUH-60Aブラックホークで運び、無謀な救出作戦を強行して失敗している。10月28日にはGURの特殊部隊員11名がヘリコプターから降りたところをロシア軍に殲滅される様子をロシア軍の偵察ドローンが撮影した映像が公開された。10月30日には2機のブラックホークで約20名から24名の特殊部隊員を送り込まれ、同じように殲滅されている。
また、今年8月2日にはロシアのスペツナズ(特殊部隊)がオデッサに近いオチャコフでイギリス陸軍のエドワード・ブレイク大佐とリチャード・キャロル中佐、そしてMI6の工作員ひとりを拘束した。ロシア深奥部に対するミサイル攻撃やテロ攻撃はMI6がオデッサから指揮していると言われている。ロシアのSVR(対外情報局)は、フランスがウクライナに約2000人の部隊を秘密裏に派遣する準備を進め、兵士をポーランドで訓練を行っているともしていた。
イギリスやフランスだけでなく、ほかのNATO加盟国も戦闘員をウクライナへ送り込んでいる可能性が高い。アメリカ軍の退役将校やCIAの元分析官など西側の軍事や情報の専門家もウクライナでロシア軍が戦っている相手はNATO軍だと指摘している。これは理屈の上からも明らかなことである。戦闘員が数千人単位で戦場に現れ、いなくなるというのは部隊として動いているからだとも指摘されている。中でも戦死者が多いとされているのはイギリスやフランスで、こうした国の政府はそうした事実を隠すため、軍隊を正式に派遣したがっている可能性もある。そうした部隊を派遣している国の中に日本が含まれていないとする保証はない。
ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は空中発射型巡航ミサイルの「タウルスKEPD 350」をウクライナへ供与すると主張していたが、この攻撃計画はドイツ空軍の中で議論されていることを示す会話がすでに公表されている。
ドイツ軍のインゴ・ゲルハルツ総監や作戦担当参謀次長のフランク・グレーフェ准将、そして連邦軍宇宙本部に所属する2名が2024年2月19日にリモート会議で行った会議の中で、クリミア橋(ケルチ橋)をタウルスで攻撃する計画が議論されていた のだ。イギリスの情報機関もこの橋の爆破を試み、失敗したと言われている。
ドイツ空軍幹部の音声は2024年3月にRTが公開したが、ディルク・ポールマンとトビアス・アウゲンブラウンの分析によると、ゲルハルツらは2023年10月の時点で計画の内容を太平洋空軍司令官だったケネス・ウイルスバックに伝えているという。ウィルスバックは2025年11月から空軍参謀総長だ。
ウイルスバックの後任として太平洋空軍司令官にケビン・シュナイダーが就任したのは2024年2月9日。問題のリモート会談が行われる10日前のこと。その時点でシュナイダーはウクライナでの攻撃計画について知らなかったようだ。グレーフェによると、シュナイダーは彼が何を話しているのか理解できていなかったという。太平洋空軍は独自の判断でロシア軍と戦争する準備を進めていたのだろうか?
タウルスに限らず、アメリカのATACMSにしろ、イギリスのストームシャドウにしろ、オペレーター、地上や衛星からの情報、あるいはミサイルを誘導するためのシステムが必要であり、NATO諸国の軍が関与しなければ使えない。つまりメルツの発言はドイツがロシアとの直接的な戦争を始めるという宣言に等しかった。
***********************************************
【 Sakurai’s Substack 】
【 櫻井ジャーナル(note) 】