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京都に住む狸の家族と天狗の師匠、天狗になった女「弁天」が繰り広げるちょっと軽い家族の話。三男による「私」の視点が中心に描かれるが、三男が見ていない部分も「弟」などのように三男からの語りによるような、しかしかなり客観的な書き方で進行していく。忘年会で狸鍋をする金曜倶楽部によって食べられてしまった父の思い出、伯父と兄との地位争い、狸を愛するが故に食べてしまいたいという教授、父を食べた一人の弁天へいだく恋心の矛盾、プライドを突き通す天狗に同調するふりをしてお互い心の内はわかり合っている三男、など軽いタッチで微妙な心理を描く。じーんと来るほどではないが、軽い読み物として充分に楽しめる。少し厚めの本だが一日で読み切れた。
2009/05/14
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悼む人 天童荒太 圧巻の一冊。読むのに三日かかった。すいすいとは読めなく、息苦しささえあるが、充実している。爽快感はないが、とことん深く、多面的に、詩について追求している。エログロの雑誌記者、「悼む人の」母親や家族、僧侶である夫を殺した女からの視点を通じて、悼む人を描いていく。中盤で悼む人がそうなった理由も語られるが、周りの人の心の変化や、母親の癌の進行から死までへを一歩一歩という感じで描いていく。星5つ。
2009/05/11
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気になっていた福田栄一の長編を買ってみた。三冊のうちのまず一冊目。人へのちょっとした疑惑はよくあることだ。主人公の女はそんな疑惑がすぐにわき起こるが、すぐにいかんと思い直して素直に生きる。周りの人の優しさに助けられ、やや引っ込み思案だが少しの勇気を絵ながら進んでいく。大きな起伏には欠けるが、いい話だった。
2009/05/08
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