つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

全て | 徒然 | 読書 | アート |
2005年08月18日
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カテゴリ: 読書
若年性アルツハイマーにかかった50歳の広告会社部長
の話。記憶を失う部長の視点で書かれているため、記憶
を失っていく恐怖がまざまざと伝わる。実際このところ、
物忘れが激しく、我が身に置き換えると実に恐ろしい本
だった。

もう20年以上前、隣家に住む同級生の母親が、夜中に
突然、我が家にやってきた。パジャマ姿で足の片方だけ
スリッパを履いており、片方は裸足。異様な姿で驚いた
ところ、普通のお盆を突き出して、これは我家の家宝な

とのこと。あれには驚いたし、気持ちも悪かった。

まだ40後半で、当時は頭がおかしくなったのかなと思
ったのだが、実は若年性アルツハイマーだった。徘徊し
て近所の子どもに物を投げつけられたこともあったよう。
隣家から絶叫が聞こえたこともあった。御主人が会社を
辞められて、介護していたのだが、やがて施設に入って
亡くなられた。家族はさぞ辛い思いをしていたことと思
う。

さてこの小説は、美しくも哀しいラストで終わる。その
切なさに泣けてしまうが、やがて来るはずの家族の苦し
みの日々を想像すると胸が重くなる。







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最終更新日  2005年08月19日 08時10分25秒
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