つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2005年10月22日
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カテゴリ: アート
(昨日の続き)

常設展の一階の入り口が今までと反対になって、雰囲気
が変わった。右の部屋に入ってすぐ前にあるジャッドの
箱は作り付けなのだろう、場所は以前と変わってなかっ
たが、部屋の中央にリキテンスタインの「ヘア・リボン
の少女」が2階からこちらへ移動していた。この絵の前
だけ足元にガードがしてあるのだが、6億円もした絵な
ので当然の措置なのだろう。

デイヴィッド・ホックニーの成金趣味の美術収集家を皮


次は、「表面に向かって」とタイトルのついた部屋。ただ
表面に白の絵の具を塗っただけの大きな絵など???の
連続。作者の意図を聞かないことにはさっぱり分からな
いなぁ。現代美術は分からないなりに造形的、構図的に
面白く楽しめる作品もあるのだが、こういうのになると
お手上げ。

次の部屋は「彫り刻んでいくと」というタイトル。特に、
そこらの角材を彫り進めて、その木の幹を突きあてると
いう「木の書物」という作品はすばらしい。建築現場で
見かける角材の中にも、このように美しい木の幹が隠れ
ているのかとしげしげと見とれてしまう。年輪を一枚一


舟越さんの彫刻3体。素朴な女性の表情はどこか寂しげ
だ。どこの位置に立っても視線が合わない玉眼。深く永
遠の時を見つめているのだろう。表面の彫りのあとが、
とても暖かい。

ところが、次の高柳恵里の作品はまたまた???の連続。

もの。面白いかといわれれば、そうなのかもしれないが、
これもアートか?と思ってしまう。作者の記憶の再現と
いうテーマなのだろうか。これもじっくりと作者の意図
を聞いてみたいところだ。

次の部屋には横尾忠則。Y字路シリーズが数点。分かれ
道というのはどちらの道を選んでも心残りがする。この
絵も道の奥は暗く闇が落ちており、先はまったく見えな
い。さあ、あなたはどちらを選びますかと問いかけてく
る。「彼岸へ」は、遠く続く線路の上に咲く彼岸花と飛ん
できた黄色い蛾。空には亡くなった同級生の似顔絵。生
と死は連続しているんだなぁとふと思った。

「1920年代の東京」のコーナー。新日曜美術館で知
った清水登之の「水夫のいるカフェ」。フランスのカフェ
での一家の様子が画中で再現されている。おかっぱ頭の
息子がかわいい。第2次大戦で戦死したこの息子を追う
ように清水も戦後すぐに亡くなったのかぁと、この幸せ
いっぱいの絵を見るとジ~ンとした気持ちになる。

その他、神原泰の「マリアとキリスト」は竹橋の近代美
術館にあるこの画家の「スクリアビンの「エクスタシー
の詩」に題す」と同様、お気に入りの一枚。黒い太い線
が、黄色や緑の上に描かれた太い黒い美しい曲線。
kanbara

2階のサム・フランシスと宮島達男は変わらず。双方の
コーナーも大きな作品を展示した広い展示室で非日常の
世界に誘ってくれるこの美術館ならではの不思議な空間
だ。





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最終更新日  2005年10月23日 21時40分23秒
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