そうにゃんです。
以前、美の巨人たちで放映されていたと
思います。

日帰りの旅であわただしかったです。
(2006年12月02日 20時26分29秒)

つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

全て | 徒然 | 読書 | アート |
2006年11月30日
XML
カテゴリ: アート
応挙と芦雪.jpg


行ってもいいでしょう。おかげで奈良に2回来ることになって
しまいました。(今回は、紅葉の時期でよかったです。)

まずは人物のコーナー。
応挙や芦雪の美人画。のちの浮世絵のようにデフォルメされた
美しさでなく、楚々とした気品のある絵です。静岡県立美術館
でも出会った芦雪の「大原女」が、いちばん好きです。

ギョッとするのが応挙の「波上白骨座禅図」。まさに読んで字の
ごとく、骸骨が波の上で座禅を組んでいます。先日、NHKの

り上げていましたが、こちらの応挙の絵も、当時見た人はみな
驚いたことでしょう。でもとてもかわいい姿で笑ってしまいま
す。

山姥.jpg

芦雪の「山姥図」は、異様です。でも迫力十分。乱杭歯の山姥
と真っ赤な金太郎。金太郎がこんな恐ろしげな山姥に楽しげに
まとわりついているということが、奇異に感じるのでしょう。
(親子だから当たり前なのですが。そういえば、この絵でも目
の感じがよく似ています。)晩年、芦雪は、このようなグロテス
クな絵を描くように変わってきたとのこと。曽我蕭白の絵を見
るようにゾクゾクします。

同じく芦雪の「唐子琴棋書画図」は、子どもたちのやんちゃな

髪のこども。弟に紐をつけてどこかに行かないように面倒を見
ている仕草がかわいい。ジャニーズ系の顔立ち。優等生という
感じもします。

応挙の「七難七福図巻」。今回は安心してみることのできる「福
寿」の巻。前回の「人災」の巻は、かなり残虐なシーンがあり、

は一部血しぶきが飛び散る場面が載っていましたが、それ以上
に残酷な場面だと係の人が話されていました。

花鳥のコーナー。
応挙の「朝顔図」。銀地にブルーの朝顔の花。花のブルーと白。
葉っぱの濃い緑と薄い緑の繰り返し。まるで琳派のような表現
です。

応挙の「雨竹風竹図」。雨に煙り、風に揺れる竹林。応挙の水墨
画の最高傑作とのこと。長谷川等伯の「松林図」を思い起こし
ました。

応挙の「雲龍図」と芦雪の「龍図」とが並んで展示されていま
した。比較してみるとやはり応挙の絵は写実的な表現です。い
ろいろな動物のパーツを的確に表現して、この龍を組み立てま
した。流れる雲に逆巻く波。その上を走る架空の龍。本当にこ
んな生き物がいそうな感じです。対して、芦雪の龍はデフォル
メされた顔や爪や角。大胆な筆致は迫力満点です。ここでこの
師弟の目指す方向の違いが理解できます。串本の無量寺蔵。前
期の「虎図」と対になる作品です。

同じく無量寺の芦雪の「薔薇図」に描かれた猫。前足を伸ばし
て川魚を追う猫のかわいらしさ。前期の「虎図」は、この魚の
目から見た猫の姿とも言われているそうです。

山水のコーナー。
芦雪の「昔話図」。絵巻の一部のような山里の光景。なぜこれが
昔話かというと、桃太郎の「おじいさんは山に芝刈りに、おば
あさんは川に洗濯へ」という情景を描いたものだからです。平
和な光景です。

taki.jpg

最後は応挙の「大瀑布図」。滝を実際の大きさで表現しようとし
た作品だそうです。なるほど離れてみると、ごぉごぉと滝の流
れ落ちる音が聞こえてくるようです。

他にも、応挙の孔雀や芦雪の猿・虎などの絵を紹介したい作品
が目白押しですが、このあたりで終わりにします。はるばる奈
良まで出かけた甲斐がありました。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006年12月01日 12時18分49秒
コメント(14) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


応挙と芦雪の龍  
いづつや さん
龍図のあるコーナーは圧巻でしたね。自分も雲海のなかにいて、目の前の大蛇のような龍をみているような気分になる応挙の絵に対して、芦雪の龍は足の爪がものすごく大きく描かれ、顔も顎あたりが戯画っぽいです。二人の画風の特徴を存分に感じることができました。 (2006年12月01日 17時11分09秒)

明日見てきます♪  
遊行七恵 さん
七難七福図、以前模本ですが、全図見ました。
公開は確かに差し控えたほうがいいかもしれません。こうした公共の展覧会では。
応挙のリアリズムの目が怖いようでした。 (2006年12月01日 23時42分22秒)

にゃるほど  
アイレ さん
一村雨さん、こんばんは
奈良遠征お疲れ様でした。この時期本当に関西は混雑していましたね。びっくり!!!でした。

>前期の「虎図」は、この魚の
目から見た猫の姿とも言われているそうです。

にゃるほど、だから「薔薇図」の裏面が「虎図」なのでしょうか?
こういうところに蘆雪の機知がよく出ていると思います。
「七難七福図」は前期で見たよりも恐ろしい箇所があるとは…
そういった場面を応挙はどのように絵画化したのでしょうか?(想像するとちょっと怖い?) (2006年12月02日 01時44分21秒)

Re:応挙と芦雪(後期) 奈良県立美術館(11/30)  
応挙の滝は、ここで見せてもらうだけでも迫力ですね~ これは、観たい。
奈良まで二回行っても満足させる充実振りが、さすがの展覧会なんですね。ちなみに、観るのが「怖い」ような表現は日本の絵の方が、西洋絵画より上を行くのかなと、今ごろ思ってしまいました。
(2006年12月02日 02時07分44秒)

いづつやさん  
一村雨  さん
無量寺に行って虎図と龍図を同時に眺めてみたいなぁという
欲が出てきました。いつか実現したいなぁと思います。 (2006年12月02日 20時23分08秒)

遊行七恵さん  
一村雨  さん
この御時世ですから、興味本位で見られて
何かと物議をかもし出しそうですからね。
でも、ちょっと見てみたいです。
(2006年12月02日 20時25分06秒)

アイレさん  
一村雨  さん

れおなるど21さん  
一村雨  さん
私にとって、観るのが「怖い」絵は、子どもの頃に見た
地獄の絵です。罪人たちが切り刻まれていたりして
その夜は眠れませんでした。
そんな体験があるので、こういう日本の絵は
目を覆いながらも観たくなってしまうのです。 (2006年12月02日 20時36分57秒)

Re:応挙と芦雪(後期) 奈良県立美術館(11/30)  
mashenka  さん
はるばる奈良まで2回も・・その情熱に感服です。
たくさんは見てませんが、応挙の描写力ってほんとすごいですよね。
竹林や朝顔、龍、滝の絵などレポートされてるものは、
みんな見てみたくなりますね!
(2006年12月03日 12時23分51秒)

初TB成功!  
遊行七恵 さん
本当に見応えのある展覧会でした。
楽しかったです。
ちょっと芦雪のほうに関心がゆきすぎてしまった私です。しかし応挙と言う師匠は乗り越えられない壁でしょうね。芦雪は滑落したのでも迂回したのでもなく、途中で穴を掘って突き抜けたのかもしれません。 (2006年12月03日 23時52分37秒)

mashenkaさん  
一村雨  さん
2度、通う価値はありましたよ。
それにしても、今年は若冲、蘆雪などに
異常なほどまで、夢中になった一年でした。
かつて、こんな経験はないです。 (2006年12月04日 04時25分51秒)

遊行七恵さん  
一村雨  さん
初TBありがとうございます。

楽天ブログは、あまりにも変なTBが多いので、
過激な言葉のあるブログはTBできない設定に
していたため、遊行さんのブログはひっかからなかった
のではないかと思います。
私も今回、蘆雪のほうに思いっきり、重心を置いていました。 (2006年12月04日 04時29分59秒)

最終日滑り込み  
とら さん
ヤット記事を書きました。
なぜか二人の相違点よりも類似点に目が行きました。 (2006年12月06日 19時26分29秒)

とらさん  
一村雨  さん
師匠と弟子。二人の間でどんなやりとりが
あったのでしょうね。日常生活のことなど
想像すると楽しくなります。

(2006年12月07日 07時04分37秒)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: