つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

全て | 徒然 | 読書 | アート |
2008年06月08日
XML
カテゴリ: アート
辻惟雄先生の監修の展覧会。辻先生お得意の飾りから
見た日本美術史観。

まず感じたのが、最初の火焔型の縄文土器の展示方法
から。東博の日本美術の流れも同じような展開から始
まるが、サントリーの方が照明に凝っている。暗く落
とした照明にスポットライトが綺麗に当たる。ミステ
リアスな雰囲気も感じられていい雰囲気。

中尊寺金色堂の迦陵頻伽の華鬘。人面鳥の歌声が聞こ
えてくるようだ。火炎型の舎利容器の水晶の中に入っ


姿見の段.jpg

そして、この展覧会の最大の期待作品。岩佐又兵衛の
浄瑠璃物語がいきなり現れる。牛若が屏風の間から浄
瑠璃姫が眠るのをのぞき見るシーン。以前、MOAで見
たものとは、別の場面。

しかし、この作品の細かさには驚かされる。ここまで
細部にこだわって描くというのはものすごい執念だ。
屏風の絵、御簾の線、巻物の文字、牛若や浄瑠璃姫の
着物の模様・・・など、見れば見るほど新しい発見が
ある。まわりのお客さんが、ひたすら「きれい!」と
連発する声が聞こえる。

金剛杵形兜.jpg

武士たちの飾りのコーナー。特に武将の兜で「黒漆塗

杵をしっかり握っている一本の腕。でも、実際にかぶ
ったものを見たら、ちょっと恐ろしいだろう。

刀剣では、その刃紋を美として意識したのが、日本に
おける抽象絵画の始まりではないかとキャプションに
あった。刀剣はその刃紋を見るのがコツなのかとはじ


下の階に降りると、陶器で製作した、大蛇退治の一式
飾り。昔は江戸の見世物に貝殻飾りとかいろいろあっ
たそうだが、今は菊人形しか見ないなぁと思っていた。
ここに江戸時代からの(庶民の)DNAが残っているの
だぁと感心する。自転車部品で作ったエビがスゴイ。
どこぞの現代アーティストが作った作品かと思った。

出口手前に展示されていた「ちょうちょう踊り図屏風」
は素晴らしかった。小沢華嶽という絵師は知らなかったが、
踊る人々の手首のしなやかさが見事。「流れ」を
非常にうまく表現している。蛙、大根、犬などの着ぐ
るみを着て踊っている人もいるので、どんな種類の着
ぐるみがあるのか探すのも楽しかった。

帰宅後、新日曜美術館を見たが、着物や一式飾りや神
楽などが中心で、又兵衛には言及されていなかったの
が残念。MOAのものなので、紹介されなかったのであ
ろうか。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008年06月09日 05時03分46秒
コメント(4) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


又兵衛  
Tak さん
こんにちは。

展示替えしたら又兵衛をじっくり
見るためにもう一度出かけましょう!
お供させて下さい。 (2008年06月14日 11時23分12秒)

ちょうちょう踊り  
palpal さん
こんばんは。
先日私も行って参りました。
とても見応えのある展覧会でした。
武将のダンディズムのコーナーも良かったのですが、最後に観た「ちょうちょう踊り」の屏風が忘れられません。 (2008年06月15日 22時59分29秒)

palpalさん  
一村雨  さん
ちょうちょう踊りには笑ってしまいました。
もう楽しくって~
(2008年06月16日 03時10分52秒)

Takさん  
一村雨  さん
こちらこそよろしくお願いいたします~
(2008年06月16日 03時11分24秒)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: