つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

全て | 徒然 読書 | アート |
2009年02月24日
XML
カテゴリ: 読書
歌麿抵抗の美人画.jpg


から、歌麿の半生を想像して書いた本。まるで
歴史小説を読むかのように楽しめた。

寛政の改革を推し進めた松平定信の視点、
浮世絵の版元の蔦屋重三郎の視点など、
歌麿一辺倒ではなく、さまざまな側面から、
歌麿の素顔に迫っていく。

歌麿と定信の行った改革との軋轢・確執。
実際には、定信は一介の絵師である歌麿の存在

現実に二人が出会ったことは無かっただろう。

読みながら、そんな二人が、もし出会っていたら
どうであっただろうと考えていたのだが、
その思いが伝わったかのように、本書でもこの
二人の出会いを夢想し描いているところなど、
まさに意を得たりという感じであった。

そのほか、歌麿の絵に見られる紫色の秘密。
また、プライド高い歌麿の生き様や、大田南畝、
十返舎一九との関わりなど、飽きることがない。

歌麿は、当局の取り締まりにあい、手鎖50日の
刑に処せられたのち、孤独のうちに死んだという

見解を述べており、興味深かった。

現在のお笑い芸人のような浮き沈みの激しい文字
通りの「浮世絵」の世界。そんな世界に生きた歌麿と
いう魅力的な人間像に迫った力作である。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2009年02月24日 22時03分45秒
コメント(2) | コメントを書く
[読書] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: