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分厚い本の束を抱えて、図書館並みの書籍を誇る侯爵家の司書室で、オルクやベルクウェインを連れて、ついでにフリーデリ―ケを連れて、二階を歩いていた。「すごい量だな・・・」自分たちの中で一番背丈が高いオルクが、道歩く使用人との間隔を保ちながら、ゴットヴァルトに言う。「確かに」「ここに住んでるんだろ、全部は呼んでいるのか、いつもみたいにアフリカの死滅した言語とか、ヘブライ語とか、変な本ばかり読んでいるからな」「そうですね、でも、全部は無理ですね、さすがの僕も」いきなり家に来た時は驚いた。「テストいい点取れるかな」「アードルフなら余裕だろ」オルクが笑顔を向けてきたので、笑顔で返す。「オルクも今度の休みこそ、愛しの彼女に告白できるといいですね」「・・・」歩みが止まる。「オルク?」「余計な御世話だ、お前こそ彼女作れよ、遊んでばかりいないで」本の橋で叩かれた。「痛いですっ」「・・・あ」アードルフが声をあげる。「行くぞ、ヴァルト」「は?」「いいから」腕を引っ張られ、別の方に連れて行かれる。「オルフェウス中尉・・・」「何だ、来てたのか、あいつはどうした」
2015.01.31
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「だから?」スザクの頭の中が怒りに染まる。「ルル―シュ、お前は!!」「俺を殺せば、虐殺王女の名はブリタニアが消してくれるか?お前の力で日本は戻るか?柩木スザク、お前はなんのために俺を殺す?」まっすぐな目でルル―シュがスザクをみる。
2015.01.31
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リヒャルト・アヴァ―ルは、リトアニア戦線で行方不明になったユニヴァースのリーゼロッテを思う。死んだライバルの部下、ルートヴィヒ、ルートヴィヒ・フォン・ヴァイツェンの崇拝者アイアンの死を思う。リタイアした、アーデルハイトの崇拝者であのお固いユニヴァースのヘレネを思う。いささか、急展開過ぎないだろうか。「リーゼロッテ?」「ああ、アーデルハイトのくそ生意気な女騎士だよ、俺たちの管理生で教官でもあった」「その人が行方不明に?」「・・・信じられないが、アーデルハイトを裏切り、反体制派とつながっていたんだと、ブラッディ・ローズの蛇女と」「・・・一応、機密事項じゃないのか」「お前にばらしても問題ないだろ」この三カ月でアルヴィンの信頼を得ているらしく、彼はよく情報を喋る。「それで、警察が探しているのか?貴族のお嬢様が事件の関係者だと・・・」「迷惑な話だ、いたら板でうるさいが」「寂しいんだね」「はぁ?」「俺が、あのピーチく女を?」屋敷の中の庭の一角、屋敷の中で笑い合うシーザーや妹達をみながら、ゴットヴァルトは従者のセラムを連れて階段の途中で本を読んでいた。ガラガラ。振り返るとメイドがお菓子や紅茶を運んでいた。「続きと」ガァン。空からたんすが降ってきた。「ふざけんな、くそ女」「・・・・あ」オリバー?赤い宝石のペンダントが落ちてきた。「・・・・あ」「子爵・・・今の少女は」「イギリス帰りの…私の娘、マリアベル、好きに呼ぶがいい、貴様の実の妹だ」「・・・・は?」
2015.01.30
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「あ、いち、に」「いち、に」「あ」「ごめんなさい、いなほさん」「いえ、僕が踊れるか頼んだんですから」アセイラムの顔は真っ赤だ。
2015.01.30
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「本当に死んでほしいか?」「え・・・」「あいつはユーフェミアを殺し、野望のために人々にギアスをかけた。だがお前は、覚悟はあるのか?」「あいつの命を背負う覚悟だ」
2015.01.30
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「なぜって…お前、今でも、ユーフェミア皇女殿下が好きだろう?・・・亡くなったとはいえ、まだ一年だ」「何を言って」スザクは驚いた。「俺とおまえは一年前も今も親友で、お前が付き合っていたのは亡くなられたユーフェミアさまだろう、おれたちは何もなかったじゃないか」
2015.01.28
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「たとえば、日本人を殺せと言えば」「いや」「え?」「いや・・いや・・・」「私はそんな・・・・・」「ユフィ、まさか・・・」
2015.01.27
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工房でゴットヴァルトはルーン文字を描いた土の板を壁中に貼り付けて、中央の四方形の魔法水晶にエネルギーを当てるように設置した。浮きあがる水晶盤。その血を【プロメ―ソ】―誓約と叫んで、指先から流れる血を染み込ませる。一字一字に意味を持つ表意文字。「オ―スィラ」遺産・土地。「ソウェル」太陽。「アルギズ」大鹿・防御・庇護。バサバサバサ。「あ」魔術で作り出したルーン文字のかけらが鳥に変貌し、魔法水晶から逃げていく。パぁン。光がはじけ飛んでいく。魔術の方式が解けていく。「やっぱりちゃんとした方式じゃないと、駄目かぁ」鳥たちの甘く切ない声が耳の中をくすぐる。姉さんは金色の蝶で完璧に魔術の方程式や数式を理解し、解くことができたのに。「はぁ・・・」小さいことから、積み重ねていくしかないか。その手には、古い魔術や錬金術、東洋の魔術がある。「聖なる乙女の十槍をどう姉さんに戻すか」あの時、無理やり記憶を姉さんの中に戻して、結局拒まれた。安定性のない魔力や異能。自分はどうも破壊する魔法や体術、記憶魔法の創成には、白魔法には向いていないようだ。魔力が小さくなり、しぼんでいき、使えないときが多い。魔術回路は膨大な新しいエネルギーに耐えられない。古き純粋な血統で幼少時から仕込まれた魔術師。暗殺や潜入なら得意なのに。「千年の文化でまさか、魔術方面の医者がいないなんてな」派閥やらプライドやら、崇高な使命とか綺麗な理想とかくだらない。「錬金術と銀の十字架の回復魔法や禁書で何とかできないかな」ちらりと横をみる。「ホムンクルス作りはあきらめるか」何、あの壁に描いたような落書きのような物体。
2015.01.26
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花吹雪がふく公園、見つめ合うエルフリーデとゴットヴァルト。ダークブラウンの髪が軍帽から現れて。「それで話って?」何なんですか、と笑顔で言われた。「私は・・・」ああ、うまく言えない。「私は、あなたの」「はい?」顔が真っ赤になる。漆黒の髪が揺れる。リボンが曲がっていないだろうか。「貴方のことが」「はい」「す・・・」「俺を待たせておいて、ほかの男をナンパか、随分な立場だな」「オルフェウス」
2015.01.25
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アリスが箒を待ちながらエリクに聞く。「好きな子がいるんだって?」「・・・気になるか」日に焼けた肌、大きな瞳の可愛げのある顔立ち。運動神経ばかりがいい少年は天使のような少女に戸惑う。「どんな子?告白したの」「したんだけど気づいてもらえなくて」
2015.01.25
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「いったー」「いてて」「やだ、ルル」「シャーリー?何を急いで」
2015.01.25
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「空、どうして・・・」「太一にはわからないよ」「でも・・・」「わからないよ」
2015.01.25
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「アキト少尉」寝ているんだろうか。こんな窓辺で。激務が重なる軍人の仕事だ。それに無理をさせているのかもしれない。手を差し伸べるべきだろうか。上官として、一人の少女として、レイラは迷う。
2015.01.25
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どういう呪いをかけられているのか、ゴットヴァルトというともは人に好かれるようである。それも友達というより、主従愛的な感情を初対面の同世代の少年少女に。漁村の路地裏で、外見だけ見ると、知らない人間にはお育ちのいいおぼっちゃまで温厚そうに見えるらしい。「金出せ」「身ぐるみはがすぞ」「困ったな」のんびりした口調。危機感がないのか、ただ眺めるようにゴロツキをみている。ちなみに今日で五回目である。何で、こんなのに付き合っているのか。・…まあ、態度が悪い自分もあるか。アルヴィンは実はというと、短期で口も悪いため、話し相手の友人はいるが、本当の個人的な友達はエルフリーデと1人、そして、このゴットヴァルトしかいない。男の友人はゴットヴァルトだけである。いわゆるボッチ属性。孤児たちには目つきが悪いせいか嫌われるか、喧嘩相手だと思われて、基本的に穏健的な性格の人間が多いため、アルヴィンのようなタイプは自然的に外される。「おい、お前」にらんだわけではないのに。「何だ、喧嘩でも売ってるのか、ガン飛ばしやがって」男があわてて、拳を握る。喧嘩を売られたと思われたようだ。「違う、俺は」一歩動いただけなのに、男たちの一人が緊張感を走らせ、ナイフを取り出し間合いをとる。シスターたちはアルヴィンをガラの悪い乱暴者と思い、仕事のとき以外は近づいてこない。同い年の戦闘員の少女のシスターは。「はぁ?」「きもい」「ありえない」酷い差別で、と追っただけで敵のようにアルヴィンをみて、つばを吐きかける。付き合いがない人間にはどうも悪く見えてしまうようだ。「俺はただ、そいつから離れてほしいと」「あ?お前、この坊ちゃんとどういう・・・まさか、お前詐欺でもしようというのか!?」男たちが引いていく。「目つきの悪いガキと思ってたが、きょうはくか、誘拐か!?」「違う、俺たちはダチで、ただの旅行者で良心的な庶民だ!ゴットヴァルト、お前もなんか言え」あわてて応援を頼むが。「そうです、僕らはただの旅行者でお金なんか持っていませんよ」「ほら!」「彼はただテロリストをせん滅する仕事のために銀髪片言美少女にアメリカ式銃を作らせようと頼みに来た僕の付き添いです」いかなる解釈が行われたのか、男たちはお互いの顔とゴットヴァルトの顔をみて。「貴様、良心はないのか、こんなか弱い少年に活動家のまねごとをさせて、どこかの構成員か、戦闘員かー」アルヴィンに詰め寄った。「違う、言いがかりだっ」「お前、君は誰に脅されているんだー」ゴットヴァルトは混乱した男に肩を揺らされている。「君はまだ若い、俺たちのようなゴロツキとは違うんだ、自分の将来を考えろー」
2015.01.23
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容姿端麗、成績優秀。白の女王といわれる敬愛の対象であるアーデルハイトの祈りを守護する騎士であり、魔術師。北欧の古い、雷神を崇拝するその古くは、王家ともつながりのある元貴族、17歳でアルヴィンの先輩でもある。もっとも、中心人物のご意見バンであり、部隊の指揮を任される事が多い優等生の美少年は、問題児だが異能者殺しと異名を持つ赤い神と傷だらけのはぐれ司祭と喧嘩する事が多い。ロンドンの集まりで秘密結社らしく、秘密裏に会合を開くのだが、穏健派と武力は外見が会う事はなく、無意味に論争する事は常だった。中立派のハートマーク司祭のもとについているおかげで、アルヴィンはその争いから遠ざかっているのだが。世話好きの長身の先輩、銀の十字架の問題児が扉を乱暴に開ける。腕の中には、裏方でもある事務職のロビン司祭の姿もある。「困ります~」「早く起きろよ、朝の巡回の時間だぞ~」左利きのリヒャルト・アヴァ―ルの朝の挨拶である腹部に贈られるパンチが送られる。衝撃音が鳴り響く。「ぐっはー」床に崩れ落ちる。「リヒャルト・・・お前・・げほ、げほ」「今日もいい天気だな、絶好のさけびよりだ」人の睡眠を妨害しておいて、こいつは。「アルヴィンお兄ちゃん~」爽やかな陽光の中、ブロンドリボンの10歳の少女が可愛い笑顔でアルヴィンと同僚のトールとトレ―フルのもとに駆け寄ってくる。「懐いてるな」「実はお前、ロリコンじゃね」「・・・酷い言いがかりだ」頭痛が痛い。えへへ、と少女が近づいてくる。あと数センチで近づき、少女はアルヴィンの腕の中に飛び込もうと―グキッバキッ、ギィィン。空中を回転し、アルヴィンがよけたのを確認、少女は隙を見つけてアルヴィンの顔面にブローを連打でかまし、関節技を決めた。「ふっ、きまった」ロビンは他の戦闘員を連れて、通りがかる。・・・・平和的な組織だなぁ。そばかす短髪、眼鏡の大人に変装したロビン―ゴットヴァルトは笑顔でそう思った。
2015.01.23
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「アンジェリーゼ様」アンジェがモモカに手を差し出す。誓いの口づけをモモカはアンジェにする。「お慕い申し上げております」
2015.01.23
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ハラハラ、と蝶が舞っている。「あ、蝶だ」トコトコとヴォルフリートが追いかけている。ドタン。「・・・」「また違う蝶だ」ズドォォン。「・・・・」「・・・・お前、天然か、マジなのか」あきれたように皇太子ルドルフが言う。
2015.01.22
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「セラフぃだっけ、セラムだっけ?」首を長くしながら、哲学書を読むゴットヴァルトが今日から入る従者のセラムに話しかけてきた。中性的な、細身でつり目がちに見えるネコ目は紫色に輝く。灰色の髪は銀色に近い。従者らしく、目立たない色の服を着た。「は、はい、セラム・クレインです、未熟者ですが今後ともゴットヴァルト様、マスターのお世話にいそしみたく」「ふうん、僕と侯爵家に行くんだっけ?」14歳の少年は16歳の少年に興味を持たれていないのか、背中を向けられた。爆破事件に巻き込まれ、先日まで病院に入院していた、とされている。銀の十字架のスパイと聞いたら、この少年はどうするのだろう。雇い主と同じように殴るのか。「はい」ドキドキしながら、主の次の動向をみる。「じゃあ、下がっていいぞ」「え・・・」セラムが顔をあげる。ゴットヴァルトが振り返る。「執事のところに戻っていい」何かまずいことを言っただろうか。これでは、アーデルハイト様の姪にそむくことになるし、あのうるさいお目付け役に文句を言われる。自分は買われた異能者、壊れた卵―不良品で従うものだ。「・・・あの、何か僕、マスターのご機嫌をそこなるようなことを言ったのですか、でしたら言ってください」オッドアイの少年が振り返る。「はい?」どうしよう、どうしよう。・・・他に行くところもない。また殴られ、あの高貴な方の役にも立てないなんて。何としても、ゴットヴァルト、主に気に入られなければ、ここにいる意味はない。「なんでも・・・」「・・・」「なんでもしますから、貴方のおそばにおいてください・・・ですから」情けない、主の前で涙を見せるなんて。でも止められなかった。「君・・・」さすがに焦りを感じたのか、ゴットヴァルトは立ち上がる。「お役にたちたいんです・・・・」「ええっ・・・、ちょっと」
2015.01.22
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日だまりの中、赤毛が混じった、寝癖がついたダークブラウンの癖っ毛の少年は小さくて、人目につく可愛い容姿の姉に比べると、地味な印象を与えていた。白いブラウスにチェックの緑の半ズボン、ベルト付きの靴。平和的な、戦争など無縁の少年だ。「そばかす・・・」顔立ちは平凡にも見えるが近づくとパーツは整っている。瞳は今眠りのため閉じられている。発見されたアデルの遺体には、守護の刻印―血の呪術が描かれ、残された遺品からこの少年を引き取るようにいい残されていたという。死ぬ運命をアデルは受け入れていた。自分はアデルに何も言われなかった。「V-V00・・・」呪術組織での彼の番号を言う。あの冷徹な、冷たい番人の男の息子。髪の色は似ている。彼に対して、この子供に対して、抹殺する対象か、家族のような親愛を向けるべきか、哀しみと絶望、失望感に包まれた自分はわからない。いずれにしろ、アリスのために自分のために帝国のために従者たちは行動を起こしている。あるいは、反逆か。実験体、国を守るための道具。正妻ではない子、実の両親に見捨てられ誘拐され、初めから全ての愛情をはぎ取られた、病弱な哀しい子供。真実は何も知らない。吸血鬼の女王にうらから守らして、異能者たちは同志であり、同時に多くの血を流し、誰かの家族や恋人を殺す悪だ。不幸をまき散らす、悪魔の化け物。「・・・はっ、まるで喜劇だ」全ての異能者を、彼女を奪った彼らを滅ぼしたい。そうでなければ取り残された自分の生きる意味は。父親に自分を冷たくする、あの権力者の兄弟を負かしたい。自分の従者や親友を助けたい。現実は何も変わっていない。「どうせ現実は変わらない・・・」「・・・・・・・だれ・・・?」キョトンとした目でヴォルフリートが自分を見上げていた。「!!」突然、現実に意識が向かう。純粋そうな、子供らしい目でヴォルフリートは自分をみていた。動揺した。「・・・・んのつもりだ・・・」そうじゃないか、生まれついての人間の敵で血に飢えた獣で、悪で、彼らも自分たちを目の敵にして。「ふぁぁーっ、よく寝たー」頭を振って、ベンチの上の懐中時計とスケッチブックを手に取る。「・・・・?あれ、もう3時か」そうして時間を確認した後、ぼんやりした目で自分をみる。警戒などしていない子供の目だ。「・・・おなかでも空かせてるのか?…ええと、僕はヴォルフリート・・・お兄さんは?」柔らかな青い目と深い、深い緑色の瞳。そこだけは高貴な色だった。「・・・・・俺はオルフェウス・・・・、○×・・・侯爵家の」何を自己紹介している、こいつは敵だ、悪だ。自分は信頼してくる従者や部下、部隊の上の、アンジェやヘレナの兄で。「・・・ああ、ギリシャ神話の、ロマンチストなお母さんだね、それでオルフェウスさんは何で暗い顔してるんだ、昼食をとってないの?駄目だよ、食べないと、飢えは人間を犯罪者にするから、はい、キャンディー」ポケットから取り出したキャンディーを手渡される。「ふざけるな!」キャンディーが地面にたたき落とされる。「あ・・・、もったいない。気にいらなかったのか、じゃあ、レモン味、ああ、メロン味がいいかな?」はい、と渡される。「・・・」今まで殺してきた異能者の顔が浮かぶ。だけど、この子供と異能者が重ならない。子供といえど、容赦などしたことはない。にかっと笑ってきて、あの醜い悪魔の赤ん坊だった従兄弟の子供は近づいてきて。本当にこの少年は馬鹿で、平凡で、太陽のようなにおいがして。化け物で殺人者だ。だけど、手は冷たくて。ぬくもりがあって。あんまりにも頼りなく、小さい。「・・・・リンゴ味だ」「は?」「客にあげるなら、レパートリーふやせ・・・ガキ」「あはは、変なの、僕より大きいのに何、泣いてるの?変な人ー」
2015.01.22
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星が一面に見える屋根裏部屋で、エドワードとアルフォンスは楽しそうに笑う。「それでね」「馬鹿だな」アルが顔をあげる。「星が降ってきそうだね」「ああ」くすくすと笑う。
2015.01.21
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森の中で、別荘地がつながる広大な山の中でヴォルフリートは迷子になっていた。私有地の上、見回りが少ないエリアらしく、先ほどから大人の一人も見かけない。「姉さん、泣いていないかな」困惑するとすぐ泣くからなぁ。―それにしても、ルドルフ様って、偉いしたわれてるんだな。取り巻きのいやがらせがまた多くなった。ここは悔しがるところだろうか。けれど本能的なのか、自分の性格か、ヴォルフリートは攻撃しないことが最大の防御であることを知っていた。それに田舎にいた子供より、貴族の子供たちは体力がないようだった。「だぁれ?」振り向くと、軽やかな百合の匂いを漂わせた、春の妖精のような、かれんな少女がいた。服装からして、貴族の階級の子供だろうか。柔らかなウェーブかかった髪には赤いリボン。「ここはうちの私有地よ、どこの家の子?」ふわふわの砂糖菓子のような子。あまりの可愛らしさに自分の姿を急に思い出して。「アッ、ええと、僕は・・・ヴァルヴぇるぐらオ家の」あたふたと顔を真っ赤にして何とか自分を弁明しようとして―。目を合わそうとした瞬間、可愛い少女の姿が映像がぶれた。え?少女も同じようにヴォルフリートの目をみた瞬間、左目がうずいた。バン!!不協和音のような音と、何かが内側から破裂するような音が聞こえた。気づくと、アーデルハイトの手にはバターナイフがあった。「・・・・・え?」下から乱れた呼吸音が聞こえて。見下ろすと、目立たない通りすがりの少年が顔に血を浴びて、瞳から赤い涙をこぼして倒れていた。「・・・・・・は・・・・はぁ・・・・」自分の手には、少年の胸から流れた血がついていて。すぐに自分が少年を傷つけたことに気付いた。左目にピンク色の悪魔の契約の証、魔法陣が微かに浮かんでいた。「何これ、熱い・・・・」目の中が熱くなり、冷めた。自分のしたことが急激に襲ってきて―「・・・がう、私じゃない・・・・・」恐ろしテ身体が震えた。そして急に来る確信。揺れる不思議な瞳。「貴方はわたくしの―」
2015.01.21
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「アリス?かわいい名前だね」「グレンが君をこんなところに」「わからないわ、でもきっとみんな、私のことが嫌いなのよ」「そんな」「でも、ジャック、あなたが来てくれてうれしいわ」
2015.01.21
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壁一面で覆うほどの飾り鏡を揺らして、リーゼロッテをアーデルハイトは極彩色のドレスや舞台衣装や荘厳な装飾が施された部屋に招き入れる。「すごい・・・」部屋の中は薄暗く、博物館のように広く沈黙が支配していた。ワルツのように、軽やかなステップをして、アーデルハイトは手を引いて、リーゼロッテを部屋の奥に連れていく。壁には貴婦人や時の英雄、マジシャン、ピエロなど様々な肖像画が飾られている。「この家に婿入りしたお父様はしらないそうなんです」イタリア調ののびやかなデザインの猫足のタンスがある。「本当は触ってはいけないんですけど」「じゃあ、やめた方がいいわ、あなたのお父様厳しい人なんでしょう」「ええ、でも、せっかく、リーゼロッテが来ているんですし」古いかぎを取り出し、カギ付きのケースに鍵をかけ、そのケースを開けた。「見てください」ある木製の箱を取り出し、手渡した。「これは」「9年前のへその緒だそうです」「じゃあ、あなたの?」なかみをとりだすとへその緒が入っていた。「いいえ、私のはお母様のところにあります」「じゃあ」「私と同じ日に生まれた、お兄様のものだそうです」リーゼロッテは首を傾けた。「でも同い年の兄弟なんて、あなたにいたっけ?」「死産だったそうなんです」「え・・・」「ここでクイズです、お墓もお兄様の服がないのは?」にこり、とアーデルハイトは笑う。「・・・そう、私のお兄様は生きているんです!」
2015.01.20
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「三時・・・」「いけません、ルル―シュ王子」「スコーン」「なりません」「アッサム」「だめです」「柩木スザク!!」「はい」「お前は誰の騎士だ」
2015.01.20
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からからになって、マリーベルの妹ユーリアは死んでいた。炎に包まれた屋敷。お気に入りの使用人や見なれた部屋。胸の中で何かがガラガラと崩れていくのを感じた。「お母様・・・・」「マリー」すぐそばには、幼馴染のオルドリンの姿が。どうして?
2015.01.20
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「すごい寒いですね・・・」「そうだね、ああ足元暗いから気をつけて」山道をヴォルフリートは先に歩いて、アンネリーゼの手を引いていく。黄金の髪のツインテールが月光に照らされ、きらきらと絹糸のように輝く。気品のある、愛らしい顔立ち。異性ならば、心を奪われないものはいないだろう。アンネリーゼは可愛い。「今日は少し大人しいんですね」信頼しきった、期待に満ちた声でアンネリーゼが額のティアラを揺らして、大きな瞳で言う。相変わらず眉毛は長く、アイシャドウや独特の化粧は上に立つものの雰囲気を醸し出している。まさにプリンセスだ。着物のような、民族衣装のような独特の文様が描かれたドレス。小さな背丈。「そうかな、いつも通りだろ」「ふふ・・・」ほころぶように、ころころ笑いながら、アンネリーゼは笑う。真っ白な白い手。「何?」「いいえ、あなたはいつも温かい」
2015.01.19
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シュウウーー灰色の煙の中、アデルが息絶える前、オルフェウスの涙をぬぐう。「・・・・・馬鹿ね、なぜ、あなたがなくの」胸には、聖剣が突き刺さり、アデルの体は結晶化していく。「貴方は友達や貴方の世界を守ったのよ」「・・・・お前を助けられなかった」ふふ、と笑う。「本当に貴方は優しいね、優しいから、優しすぎるから、鬼の私にさえ・・・・」血が口から吹き出す。「アデル、もうしゃべるな、今、病院に」漆黒の髪をアデルがなでる。白い指先がオルフェウスの髪をなでる。「いいの…あなたもわかっているでしょう」「・・・アデル・・・・」「・・・・私たちは恋をかなえたのよ・・・もういいの」オルフェウスの瞳から涙がこぼれる。「貴方は許していいのよ、自分を・…だから行きなさい」「・・・」「もうすぐ、あなたの隊が迎えに来るわ」拳をぎゅっと握る。「異能者どもが・・・・」そう言って立ち上がり、オルフェウスは振り返ることなく、立ち去って行った。・・・アデル。蝶が11歳のダークブラウンの髪の少年にとまっている。ヴァるベルぐらオ家の別宅。「・・・・ん・・・・・」彫像の上でそのそばかすの少年はねていた。その顔立ちはカイザーに似ていた。「・・・・・」陽光の中、少年の前に立つ。
2015.01.17
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「早く起きてください、この二―ト予備軍」目をけるとデイジーが恨めしげににらんでいた。そういえば散々一日引きずりまわされ、異能者についての暗殺方法や性質で話してコンビニに行くノリで先週はスロヴァキアで魔女とその一族をせん滅していたなどと聞かされ、止まったのだった。「…え、・・今のセリフ、お前、君が言ったのか」「さっさとその象よりも遅い頭脳を起こして服にお着替えください」気のせいか、態度に敵意があるような。「って、ちょ、お前何するんだ」「何がです」「なんでって、俺は男、お前は女で、お前は男の服をかってに!」少女は首を傾けた。そこは主と同じか。「アルヴィン様は私の主の大事な客人であり、ご友人であります。そしてわたしは、ご主人様が戻られるまで、アルヴィン様の世話と相手を主によりい使っておます」「・・・なんて?」「・・・『アルヴィンは奥手だから美少女らしく、かつ異性にどう起こされたら喜ぶか、実践してみて、ああ、襲いかかられそうになったら頸動脈かふくぶを強く連打、でもキスまでなら許せば?異性間同士の色恋の食い違いのデータほしいから、後でレポートで出しておいて』だそうです」「・・・・・・お前はそんな奴の言うことに疑問を抱かないのか」「ふざけるな、王様気取りか、お前きもいんだよとは指摘はしておりますが・・・ご主人様はあの通りの方で」「苦労してるんだな」「いえ、私もご主人様の食べるものに持ってはいるのですが、異能者は人間より頑健な方が多くて・・ふう、お互い相手が純粋可憐なお子様だと、苦労しますね、長い戦いになりそうです、恋愛は難しいものです」「・・・あいつに弱みでも握られているのか」「なぜ」「いや、だって、女がそんな」「?女性も男性に好意を抱くと、ライバルを貶め、相手に興奮するものですが人間は違うんですか、ああ、キャンディーさん、それは昨夜のご主人様の使われたシーツです、今日は私が洗う約束ではないですか」「・・・・すみません、トイレどこっすか」「え、私ですか」「・・・・・・」「まあ、すぐに自分の命令聞いて従えと言われても普通納得できないだろうな、たぶん僕、伯爵の魔力がなければ、彼女に嫌われているんだろうな、普段、添い寝とかべたべたしたりしてるから、よくデイジーゲ面倒をみた後、使ったパジャマや歯磨きがなくなるから、僕はどうも同性代の女子にはやっぱり、ほら、具合が悪いみたいで、わかる人には僕が変ってわかるみたいで」道歩く女子に時々、鋭い目で獲物をみるように睨まれて凝視されて、怪文書贈られるしな。「やっぱり、目とか雰囲気だよな~」「・・・・いや」違うよ。それ、全部好意だよ。「見た目だけイケメンにしても僕が凡庸ッて気づいているんだろうな、クレイジーで変人でいかれポンチで痛いしな」「本当に顔が整形だと信じているのか」「え?」「・・・いや、何でもねぇ」「おい、スーパー怪力体力馬鹿童貞のの脳筋司祭」階段の上から、オルフェウスがアウグストとともに現れた。「・・・・その高い空の上から見下ろすように低い声で人を心の底から馬鹿にする声はてめえか」「お前、うちへの報告書まとめて出しただろお前のハンコ印で」「ああ」「書き直せ」「ふざけるな、ちゃんと締め切り守っただろうが」「一段ずれているうえ母国語じゃなく、地方の言語だ、これだと他の報告書も上に渡す俺の管理が危なくなる、少しは喧嘩だけじゃなくス微かのその頭を使って、ちゃんと見本通りに勝つ俺が上に気に入られるように礼儀正しく、敬語も使ってかけ」「人の頭をもので叩くな」「あぁ、逆らうのか、三珀四百万のチキンやろう」「・・・・お前」「払えよ、貧乏人、金はきっちり払う派なんだろ」「殺す」「違うだろ、靴の裏をなめます、だからもう少し返す機関遅くしてください、だろ、ガキ」「殺す!!」「まあまあ、オルフェウス様、アルヴィンも仲はいいのはいいですけど、あんまり人の往来でいちゃつくのは」「「違うわっ」」「俺がなぜこんな、突っ込むしか能のないアほといちゃつかないといけない」「それは俺のセリフだ!!」「ですが、会うと喧嘩をよくしていますし、お二人とも仲がよろしいのかと・・・オルフェウス様、幅広い趣味の人なんですよね?」「アウグスト!」「さて街の女のところに行くか」「大丈夫ですから、興奮しなくても僕人の恋愛には偏見はもちませんから、まあ、か弱い優等生タイプと好みはそう聞いていますが。オルフェウス様がだれをお好きでも僕がオルフェウス様を年上として教官として尊敬する気持ちは変わりませんから」「・・・・」「じゃあ、行きましょうか、アルヴィン。それでは僕らはここで失礼しますね」「明日、明日の夕方、俺の部屋に来い」「はあ?」「個人的な、学校の授業と無関係の特別なくみ手の課外授業をお前にだけ行う、お前だけでくるんだ、いいな、ゴットヴァルト」「なぜ、急に」壁に追い詰められた。「…アホで馬鹿で説明しないとわからないガキだからだよ。放っておくと何をしでかすか、俺はお前の保護者だ、つまり、お前には立場をわからせる必要があるからだ」「あの、顔が近くて怖いんですが失言しましたっけ」「来れば存分に教えてやる」「肩が痛いんですが、それに組み手なら室内ではなく、屋外でしたほうが面倒もないから手っっとり場やいのでは」「いいな、そこのあほも連れてくるなよ、お前の意思で決めろ」「ですから、そこは、家ではなく学校のぐラウンで行ったほうが僕もクラスメイトも学べるのでそうしてほしいのですが、せっかくちゅういが直接指導してくれるなら」「お前には才能があることをわからせるためだ」「いやー、厳しいですね、期待されるのもつらいもんです・・・って、アルヴィン、なぜそんな隅っこに?」「明日、エルフリーデと孤児院のガキと遠出するからお前も来いよ」「え、でも、今中尉と約束を」「いいから行くな」「でもテストもあるから」「行くなよ」「・・・ええ」「行くな、男は時に孤独になるものだ」「お、おお、真剣だね」
2015.01.16
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「いやあ、この前のレスリングでの投げ技はときめいたね、あの投げっぷりで重量クラスを」「まあ、確かにあれはすごかったが」露店やら花ややら、ゴットヴァルトはいちいち声をかけられては、買っていた。女性と出会えば、軽くほほ笑んでいた。えいや、こらーと拳を振り上げている。この前の試合の技のまねをしてるんだろう。「あ」「これは」一応、士官学校の生徒らしく、同じ軍人に敬礼のポーズをとり、きりりと表情を張り詰める。「・・・」まじめにしていればいいのに。そう思ってしかめっ面をしていると、どこかの政治家の演説が行われ、周りには観衆がいた。「ごめん遅れて、どうかしたのか?」「いや・・・」自分が不況やあまつさえ、演説するくらいなら孤児や浮浪者の生活を考えろとあの政治家に説教するのは間違いのような気がした。「俺がお前と同じ権力を持っていればな~」はあとため息をついたが、ゴットヴァルトは不思議そうに見ていた。「あれですか、権力あれば好きな女も金も手に入るっていう、いやあ、欲が深いな、アルヴィンは」いししと笑う。「俺をそんな欲深い人間にするな」「わかるよ、アルヴィン、態度でかくて口が悪い割になかみ、ピュアで童貞だもんな」「誰が童貞だ!」思わず真っ赤になり、肩を揺さぶった。「えー、ちがうの、だって全然エルフリーデと進展しないじゃないですかー、男子たるもの、女性には命を落とされる覚悟で挑まないとー」「それも違う!!」「中尉なんて、いつも女性に脅迫状やらカッタ―入りの手紙送られているよ」「・・・・え、ああ」そういえば、こいつの環境、特殊なんだった。「んー、じゃあさ、エルフリーデ攻略のために、マリエルとデートでもしてみる?」後ろにいたマリエルの肩が震える。泣きそうな表情で怨みがましく、ゴットヴァルトをみる。「はぁぁ!?」「?なぜ、驚くのさ、別に君もいちずってわけでもないだろ」「ご、ご、ごしゅじんさま、いきなり何を!」ゴットヴァルトはキョトンとして、首を傾けた。「いいじゃないか、アルヴィン紳士だし顔もそれなりにいいほうだし、マリエルフリーなんだし」「ですが、そのようなこと…命令、仕事ですか?」マリエルと言われた少女はアルヴィンをみた後、ゴットヴァルトを見つめる。「男性恐怖症なんだって?キャンディーに聞いたよ、お父さんが酷い人だったとか」「・・・」けらけらと笑っている。「ね、まずはアルヴィンは司祭様だし、せっかくの同い年だし、今から男に慣れていこうよ」「ですけど・・・私はあなたを守り、お世話するという役目が」「アルヴィンもいいでしょう、マリエルをみてみなよ、清楚な美人でスタイルもいいんだ!」ずい、と前に出した。「何でお前が誇らしげなんだ、マリエル・・・さんも、困っているだろ」「・・・・」本当に困っていた。歯をガタガタと震えさせ、身体を震えさせている。今にも泣きそうで、異性と意識したらしいマリエルはまるで親の仇をみるように、戸惑ったように自分をみていた。「い、いや、やめておく」「タイプじゃないのか?じゃあ、デイジーでいいか」
2015.01.16
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窓辺に立つフリル付きのエプロンに結いあげた亜麻色の髪を首元を飾る赤い色の同じ色のリボンで飾り、黒いワンピースにメイドらしいヘッドドレスと黒耀の留め具。反対の席に座るのは、黒いリボンで長い神をまとめた薄紫の髪のアンニョイな雰囲気の、大人びた雰囲気のわりに華奢な少女。半目がちだが、反対側の少女と並べるとまるで精巧に作られた人形のようだ。そのすぐそばを真っ白な髪の、どこか北欧か冷たい湖を思わせる、女だったら見とれてしまうような彫刻のように整った顔立ちの少年が従者らしいフォーマルな格好で金ふちの眼鏡をかけて立っている。くせ毛らしく、長い髪を黒いリボンで小さく結んでいる。メイド服の亜麻色の髪の少女たちは陶器のように滑らかで真っ白な肌をしている。自分の視線に少女は気付くが大きな瞳はすぐにアルヴィンをそらした。それでいて関心がないわけではないのか、数秒ごとに気づかれないように自分をみている。小動物のような動きで型を揺らしている。カタン、と扉が開く。「いやー、悪い、悪い、ペンキがなかなか乾かなくてさ」同じ司祭で兵士である同僚の少年たちを連れて、ゴットヴァルトが姿を現す。「ま・・・ご主人様、ご加減はどう・・・」見なれた主の顔を見て安心したのか、立ち上がり数歩下がりながらか細い声で聞く。「昨日も早朝まで起きていたとか…その、寝不足では」ゴットヴァルトの顔を遠慮がちに数秒みた後、少女は真っ白な手をゴットヴァルトに向けて、頬に手を当てた。ぎょっとなった。上流階級では主人に使用人はこんな態度は取らない。数歩下がり、飽くまで主の命令を聞いたアと、その命令を聞くだけの存在だ。メイドとなれば、おそば付きといえど、頬に手を当てて、心配するなど許されないことだ。貴族と庶民の恋愛に厳しいのは、当たり前だ。貴族たちに庶民とふれあうということはありえないのだ。「目も赤いようですし、くまも」仕事に使用人は感情を出さない。「そう?」生まれなのか、ゴットヴァルトの性格なのか、この16歳の割に幼い容姿の少年は男女のなんたるか、世間体や常識について知らないだけというより関心がない。まるで犬か猫でも見るように少女をみた後、懐中時計を取り出し、ほかの二人に視線を向ける。「ルーカス、デイジー、君たちもう帰って、今日は上がっていいよ」「・・・しかし」「僕は犬やマリエルを散歩を連れて歩いた後、一時間くらいで帰るからさ」「しかし、それでは子爵様に怒られます」「平気ですよ、父は僕を信じていますし」あ、猫かぶった。
2015.01.16
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・・・・助けにきてくれた。「・・・あ」身体から力が抜けていく。「よかった、君が無事で」ヴォルフリートは優しくほほ笑む。「あ・・・」その時だ、変化が起きたのは。きゅううんvディートリヒの胸がときめいた。どっくんどっくん。・・・え?なんだ、これは。自分の胸を押さえた。胸が高鳴っていて、どうしようもなく甘い。
2015.01.16
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花冠をかぶったユフィにスザクはキスをする。「おにいさま?」「俺大きくなったらユフィと結婚する」ユフィはきょとんとなる。「けっこん?」
2015.01.16
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僕は最悪の嘘をついた。俺は最善の嘘をついた。キ―ンコーンカーン。「ユフィ、おめでとう」「スザク、おめでとう」花吹雪の中、協会の鐘が鳴り、二人は祝福されていた。祝福する中でクロヴィスやシュナイゼル、コ―ネリアの姿があった。「もう、やり直しはできないのかな」驚いて、スザクの方をみる。「冗談か?」「僕がそんな冗談を言うと思う?」流れる風、爽やかな要項。あのころと変わらない空気。安心した関係。焼けつくような、じれったい学生時代。2人はいつでも一緒で、お互いのことをわかりすぎなくらい、わかっていた。確かにそんな感情を持っていた。けれど形にしなかった。スザクもそれを選んでいた。
2015.01.16
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「ブリタニアに勝ちたければ、誰でもいい、私の命令に従え」それはまさにカレンの世界を壊すキーワード、鮮烈な言葉だった。・・・ブリタニアに勝つ?
2015.01.16
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「スザク」「スザク」花園の中でユーフェミアはピンク色のドレスに身を包んで、くるくると舞う。白い騎士服に身を包んで、穏やかにスザクはほほ笑む。
2015.01.16
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「皇帝陛下への無礼は許さない、ルル―シュ陛下に謝罪し、一歩下がれ、オルドリン・ジヴァン」「・・・・柩木卿」「グリンダ騎士団は陛下の管理下に置かれ、お前たちは神聖ブリタニア帝国の判断を持って今後を決めることになる」「父親を殺して手に入れた権力だろう!」
2015.01.16
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「副総督に頼まれたのか」「違うよ、彼女は関係ない、僕が柩木スザクが一緒にやりたいんだ」「駄目だよ、スザク」「そうか、ルル―シュ、忘れてくれ」「ぜろ、おまえはいつも!!」どうして、いつもお前はわかろうとしない。こんなに。こんなに君が好きなのに。
2015.01.16
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繰り返し、繰り返される雨夜の殺戮。夢の中でカイザーは、鋭い牙に豆粒のような眼のうさぎの姿となり、襲いかかってくる巨人を意気揚々と狩っていく。何度も、何度も。嬉々として。子供が残酷に虫や猫で遊ぶように。口の端から、顔の半分まで裂けた赤い格好の醜い女が死神の鎌を持つ。―そういえば、あなたも。呪われた一族でしたね。血まみれで、死体の中にいるぎらついた眼の悪魔のように醜い少年。その目はとても悲しそうだった。悲鳴を何度上げたことか。「わぁぁぁぁぁ」「どうした?」あわててシーザーが飛び込んでくる。金髪がふわりと風で揺れて。「・・・カイザー」「おじさん、おれ・・・」
2015.01.13
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「君を信じていたのに!!」傷口を押さえながら、アレンは神田に行った。ふ、と笑う。「信じていた?」「裏切るなんて―」疑っていたの、間違いだろ。
2015.01.13
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アウグスティーンをアリスはにらむ。しばりつけられ、つるされている。「強気だね、アリス、さすがは反逆者の生まれ変わりというところか」鋭い眼光をアウグスティーンに向ける。「・・・アウグスティーン」くい、とアゴをアウグスティーンの優美な指がつかむ。「目が暁の太陽のようだ、なるほど、だから赤の女王か」「答えなさい、私の親友や弟はどこ・・・・」フッと笑う。
2015.01.13
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―ユーフェミアが死んだ。まるで世界が急に閉じてしまったようだった。暖炉の前で茫然とコ―ネリアは座り込んだ。美しい顔立ちはまるですぐに壊れそうなガラスザいくのようで。合憲で堂々とした、女性としての魅力を持つ戦場の女神。ブリタニアの魔女。それが何だ。この無様な姿は何だ。ああ、だけど、部下に聞かされたあまりにも突然すぎる妹の死。ケンカ別れしたが、仲直りするつもりだった。ゼロさえ撃てば、いつも通りの明日が来るはずだった。少なくとももっと未来、自分が皇族にふさわしい身分の男性と結婚し、ユーフェミアも総督にふさわしい人物になる。その筈だったのに、なぜ。あの庫はまだ、18歳にも、20歳にもなっていない。本来なら今、この時も宮殿で、学校で笑っているはずだ。たとえ仲直りしなくても、これはない。こんな別れをするために自分はユーフェミアを副総督にしたんではない。神聖ブリタニア帝国や国民、平和のためだったのに。疑問が何回も繰り返される。桃色の髪、優美なその姿。ユーフェミア。なぜ?
2015.01.13
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彼女は高貴なお姫さまで、僕は千人騎士とはいえ、ただのイレヴンでナンバーズで。―私を好きになりなさい。告白されて以来、ついつい彼女を意識してしまう。どうしたものか。それはユーフェミアも同じだった。あのときは勢いだったが、今になると恥ずかしい。・・・スザク。
2015.01.13
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「時縞ハルト、勝ったんだな、おれたちは」「ハルト?」「それ、誰?君は・・・だれ・・・ぼくは」「お前・・・」「覚えていないのか?」「俺と殴り合ったことも、契約した事も」「うん・・・」「お前は俺と・・・」
2015.01.13
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「ブリタニア皇帝は弱者だった、私はブリタニアのルールに従っただけだが?マリーベル皇女殿下」衛兵にマリーベルは抑えられる。「オルドリン!」マリ―ベルが衛兵に身柄を拘束されているオルドリンに叫ぶ。「マリ―をはなせ、反逆者め!」「こら!」そのまま一直線に、ルル―シュのもとに向かっていく。「控えろ」「なっ」動きが見えなかった?
2015.01.13
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「扇要始めもと黒の騎士団幹部は、ゼロであるブリタニア皇帝ルル―シュを暗殺しようとしました」世界的な会見の場で合衆国ブリタニア代表、ナナリ―は驚くシュナイゼルやコ―ネリアを無視して、発表した。「代表、一体何を」「ゼロ、不敬だぞ」近くにいた政府関係者がゼロを止める。「しかし」ナナリ―はにっこりと笑う。「私ことナナリ―・ヴィ・ブリタニアと神聖ブリタニア帝国皇帝ルル―シュ・ヴィ・ブリタニアは先代の皇帝に日本の捕虜として贈られ、土倉に住んでいました。そうなった原因は、皇位継承を狙った私たちの兄弟が差し向けたテロリストが私たちの家だったアリエス宮を襲ったからです」「ナナリ―代表!!」
2015.01.10
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誰もいない山道でシ―ツ―が聞く。「会いに行くのか?」「・・・」スザクは答えない。「会いに行く理由はお前自身の理由か?」「君はいかないのか?」「さあ、気が向いたら探しに行くさ」軽やかに手を振り、笑って見せる。「今度はお前、間違えるな、誰かではなく、お前自身で判断しろ」「わかっている」「あいつの話もゼロとか今までの因縁とかなしで聞けよ」そうだろう?スザクは振り返る。シ―ツ―は少女のように、軽やかに笑って見せる。
2015.01.10
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「アベルさん」雪の中でエステルは、司祭アベルの背中をみる。雪が降っていた。
2015.01.10
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「おい、鋼の」専用の机に肘をかけながら、ロイが言った。「ああっ、俺は鋼のじゃねえぞ」「それでは、小さいの」エドワードの顔が怒りで赤くなる。「誰が豆ちびだ!!」「それでは、鋼の、調査に行ってもらおうか」
2015.01.10
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薄い素材のカーテンの中でリーゼロッテは眠っていた。「姫はまだ」ドルシアの制服を着た女性軍人がアードライに声をかけてくる。アードライは頭を振る。部屋の中には銀髪の少年、エルエルフの姿がある。「リーゼロッテ・・・」その小さな手を抱きしめる。時縞ハルトはもういない。けれど彼女は戻ってきた。どうやって、助かったのか。考えたところでわからない。でも。「起きてくれ」君と話したいことがたくさんあるんだ。
2015.01.09
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夢だ。悪い夢だ。冷え切った、あまりに凍えた夜の道路で『私を飲んで』と書かれた甘い色合いの薬を飲んで、アリスは力を増幅させ、空に敵を引き裂く赤い魔法陣から光の刃を一斉に放つ。力のバランスを崩し、そのエネルギーは小さくなり、大きくなる。血だまりだ。血が道路に散らばって。その中心に、この世界にアリスはいる。自分の目の前に。殺したのは、人々を己の主義のためにデーモンとつるんだ悪党。正義の行いだ。悪を殺した。けれど、アリスが意識がない時に、彼らはアリスに帝国の敵を殺させた。まだ12歳のアリスに。「なんだ、魔力が」「暴走して・・・」男たちを振り払い、アリスのもとに向かう。「やめろ、姉さん!!」
2015.01.08
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