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2007.10.27

『善き人のためのソナタ』'０６・独

テーマ：レンタル映画(817)

カテゴリ：映画　ヤ行

あらすじ

（ウルリッヒ・ミューエ）は、劇作家のドライマン
（セバスチャン・コッホ）と恋人で舞台女優の
クリスタ（マルティナ・ゲデック）が反体制的である
という証拠をつかむよう命じられる。
ヴィースラーは盗聴器を通して彼らの監視を始めるが
自由な思想を持つ彼らに次第に魅せられ・・・。

感想
善き人のためのソナタ
略して、善きソナ
でも、ヨン様

は出てませんし
恋愛色も、強くはないです

ベートーベンによる其の曲を本気で聴いた者は
悪人になれないと言われている。

【送料無料選択可！】善き人のためのソナタサウンドトラック / サントラ

１９８４年、東ドイツ、国家保安省＝シュタージにより
盗聴などの監視の下、密告者の影に怯えながら
国家の指導者に対する冗談すら言えずに
人々は暮らしていた。
そして、捕まった者には、非人道的な
４８時間の尋問が待っていた。

わずか２３年前のドイツとは
信じられないような生活が映し出される。
もっとも、当時は逆に、ベルリンの壁が
崩壊するとは思いもよらなかったが。

そんな暗い時代に、善き人のためのソナタが
起こした奇跡の物語。

アカデミー最優秀外国語映画賞の受賞をはじめ
数多くの映画賞に輝いたのも、納得の作品だった！

主人公を演じたウルリッヒ・ミューエが
とても素晴らしかった。
感情を表に出さない役で、抑えた演技ながら
微妙な心の揺れを、見事に表現していた。
残念な事に彼は、今年の７月に胃ガンで
５４歳の若さで亡くなられた。
ご冥福をお祈りします

『幸せのレシピ』

のオリジナルの
『マーサの幸せレシピ』

が代表作の
マルティナ・ゲデックが、ヒロインを演じている。
べっぴんさんですね～

他には、『ブラックブック』

の
セバスチャン・コッホ等が出演している。

ネタバレ感想

ヴィースラーの表情や、クリスタにファンだと告げ
大臣との密会を思い止めさせる場面
その後、作戦においては意味をなさない報告書に
「良い報告書だ」と呟くあたりは
最初とのギャップもあり
驚きと高揚感を感じた。

ヴィースラーは最初、身の毛もよだつ尋問を
生徒に教える冷酷無比な人物に思われた。
だが次第に、ただ国を愛し尽くしてるだけの
善良な市民だと分かっていく。

そんな彼が、私利私欲の事しか頭になく
信念の欠片も無い上官よりも
厳しい制約の中で、理想の芸術に思い悩む
ドライマン等に共感するのは、自然な流れとは言える。

大臣と寝て、尋問に呆気なく口を割るクリスタは
ずるい女のように見える。
しかし、それは彼女の狡さではなく
薬に頼るような弱い人間の表れに過ぎない。

その証拠が、ずるい女になりきれず
見透かされたようなドライマンの視線に
罪の重さに耐えきれずに、部屋を飛び出し
車に跳ねられ、死んでしまった事だろう。
あの国の体制が、彼女をずるい女にし
そして命を奪った。

ドライマンは、わざわざ探して
ヴィースラーに会いに行ったのに
かける言葉が見つからず、そのまま立ち去る。

礼を言わのかい！

そして、２年後という文字で、オチは見えた(^_^;)
でも、最後の

「私のための本だ」

という台詞と笑顔が良かった！

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