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外科医の土橋重隆(つちはししげたか)先生は、ガンになる人は基本的に真面目に生きた人ですと言われています。ガンは頑張る人がなるというのは本当です。性格的にいいかげんな人は一人もいない。肉体的に頑張ったのか、性格的に頑張ったのか、自分の本音を抑圧して建前優先で頑張ったのかによってガンの発生場所が違ってくる。たとえば乳ガンですが、乳ガンの場合はストレスが関係しています。過去のある期間、強い肉体的ストレスを受けた人は左乳ガン、長い期間をかけてじわじわと、精神的なストレスが蓄積された人は右乳ガンになりやすいのです。左乳ガンの人は、誰かの下で働くことで能力を発揮する。その要求に、つい頑張って、肉体を酷使してしまう。激しいこともできるし、深夜残業もこなす。肉体的にボロボロになるまで頑張れる人です。ですから、左乳ガンの人は「あの時の無理がたたったのだ」と思い出すことができる。右乳ガンの人は、潜在的に職場や夫婦などの人間関係のストレスをため込んでいる。人間関係に問題を抱えている人は、自分の思い通りに相手をコントロールしたい人です。相手と対立して勝ち負けを争っている。和解、妥協という気持ちが持てないで、主導権争いを繰り返しているとストレスとなります。自己中心性が強くて、職場で四面楚歌になっている場合は危ない。肺ガンの患者さんは、病気が怖いのです。肺ガンであると知らされた途端に、一気に衰えてしまう。なんでこんなにガタガタになるのだろうと思うくらいです。そのショックが免疫力をさらに落としていく。その恐怖を不安の程度に落とすことが大切です。胃ガンや十二指腸ガンの人は、とにかく生真面目なのです。言われたことに対して、なにごとも真面目に取り組まれますね。自分の本音としては、断りたいのだけれども、相手のことを考えると建前上引き受けないとまずいことになると考えるような人です。他人からものを頼まれると、引き受けるかどうかをとことん悩むような人がかかる。肝臓ガン、胆のうガンの人はとりあえず引き受けてしまう。引き受けてしまってから、あれこれと悩む人が多い。胆のうガンの人は結構ユーモアのある人が多い。サービス精神が旺盛です。相手を思い、気遣うようなところがあります。すい臓がんは、「弱音をはかず、最後まで凛としている。芯が強い」人がかかる。昭和天皇がすい臓ガンでした。侍従長でさえ、昭和天皇がまどろんだところを見たことがないというのです。すい臓ガンの人は、葬式の準備までして終わるような人ですよ。とにかく立派な最後です。考え方、生き方、行動、食生活の偏りが、身体に無理やストレスを与え、それらが蓄積された結果、ガンが発症している。これを逆手にとって、自分の思考パターン、行動パターンの傾向を自覚して、片寄っているなと思った時は、すぐに修正してバランスを回復できる人はガンにかかりにくいということができます。遺伝子研究の村上和雄先生が指摘されているように、ガン遺伝子のスイッチがONにならないということだと思われます。そういう意味では、森田理論はバランスを取り戻すことをことさら重視している理論です。バランスのとれた生き方を身に着けるために、森田理論という人間哲学を学ぶことをお勧めいたします。(土橋先生の著書の紹介) 「ガンをつくる心、治すこころ」(主婦と生活社)、「ガンを超える生き方」(徳間書店)、「病気になる人、ならない人」(ソフトバンククリエイティブ)、「突き抜ける生き方」(あ・うん)、「50歳を超えてもガンにならない生き方」(講談社)、「生きる。死ぬ。」(ディスカバー21)など。
2024.11.09
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顕在意識と潜在意識の関係は氷山にたとえられます。顕在意識は海上に出ている部分です。潜在意識は海中に沈んでいる部分です。海上に出ている部分は2割程度です。残りの8割くらいは海中に隠れています。行動するとき顕在意識でどんなに叱咤激励しても、本音の部分(潜在意識)で拒否、回避、否定してしまうと積極的で継続的な行動にはなりません。なんとか行動しても行く手に壁が立ちはだかっていると、それを乗り越えていく力は湧き上がってきません。潜在意識と顕在意識の力関係は雲泥の差があるからです。山富浩司氏は、こうした現象が起きるのは強力な「心のブレーキ」がかかっているからだと言われています。赤ちゃんや幼い子どもの場合は「心のブレーキ」はかかりません。「これをやりたい」という感情に従って行動しています。物心つく前の子どもは、思考や行動(顕在意識の領域)と感情(潜在意識)の間に、ほとんどずれがない状態です。大人の場合は、成長過程の中で、ミスや失敗の経験により、やってよいこととやってはいけないことを学習しています。また親や社会から多くの行動規制を受けてきました。身心を破壊するような危険な行為や人を傷つける行為などは規制されることで大事に至らなくて済みます。しかし積極的に行動した方がよいにもかかわらず、強力な抑制力が働いて行動することを躊躇してしまうのは残念なことです。自分の意志、気持ち、欲求を軽視・無視してしまうようになります。積極的、生産的、建設的、創造的な行動に向かうことが少なくなります。行動は防衛的になりになりビクビクしながら生きていくようになります。山富浩司氏は、このような傾向が強い人は、潜在意識の中にある「心のブレーキ」を緩めていくことが大事になると言われています。そのための一つの方法として、マインドフルネスタッピングを勧めておられます。これは感情や思考パターンを瞬時に書き換えるというものです。従来のタッピング法とは異なり、過去のトラウマやネガティブな記憶を掘り起こすことなく、今この瞬間にフォーカスすることで、より効率的かつ迅速に変化をもたらすことができます。マインドフルネスタッピングのやり方に興味のある方は次の本をご参照ください。「願望実現脳は1分でつくれる 山富浩司 大和出版」184ページに集中力をアップのマインドフルネスタッピングのやり方。187ページに怒りやイライラを解消するマインドフルネスタッピング。194ページに恐怖・不安を解消するマインドフルネスタッピング。201ページに能力アップのマインドフルネスタッピングが図解付きで紹介されています。
2024.10.29
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今日は正しい姿勢を保つというお話です。「巻き肩」とは、肩甲骨が前に出てしまい、肩が内側に巻き込まれる姿勢になっている状態のことです。普段道を歩いている時、猫背になっている人は、巻き肩の可能性があります。巻き肩になると、背中や首の痛み、頭痛や神経質、手のしびれなどの症状が出てきます。巻き肩のまま何もしないと、どんどん背中が丸くなってしまいます。筋肉が弱って体を支えられなくなってしまうのです。巻き肩の原因の一つは、長時間同じ姿勢でいることです。スマートフォンや事務仕事など、頭が前に出ている姿勢を長時間続ける人に起きやすい。肩から背中にかけての筋肉を「僧帽筋」(そうぼうきん)と言います。肩甲骨が前に引っ張られると、この僧帽筋が伸びきった状態になり、筋肉が縮むことができなくなる。血流も悪くなり、筋肉が凝り固まってしまいます。椅子に座ったまま僧帽筋の緊張を和らげるストレッチがあります。①椅子に座り、両手を腰に置く。②肘を後ろに引っ張り10秒間キープする。(この時、肩甲骨を寄せるように内側に力を入れる)10秒たったら、ゆっくりと肘を前に戻す。③これを3回繰り返す。You Tube動画「太田病院HPH」で詳しく紹介されています。「巻き肩と猫背の改善のストレッチ」でアクセスしてみて下さい。人間の頭は5キロの重量があるそうです。スマートフォンを操作するため首を前に60度曲げた状態では、首にかかる負荷は27.2キロまで増えます。その重量の悪影響は全身に及びます。(パワーポーズが最高の自分を作る エイミー・カディ 早川書房 268ページ)「巻き肩と猫背の改善のストレッチ」をとり入れて正しい姿勢を保つようにしませんか。簡単ですから今すぐに始められます。
2024.10.17
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メラビアンの法則とは、コミュニケーションの方法によって、相手に与える影響が大きく違ってくるというものです。これによると言葉によるコミュニケーションでは7%しか伝わらない。具体的にはメールでのやり取りでは自分の真意の7%しか伝わらない。言葉プラス音声によるコミュニケーションは45%までは伝わる。具体的にはスマホで話をすると38%プラス7%で45%まで伝わる。言葉プラス音声プラス「ボディランゲージ」で100%伝わる。これは直接会って話をするということです。ボディランゲージには、身振り手振りのほか、表情、目の動き、雰囲気なども含まれる。(なぜ、あなたは他人の目が気になるのか 根本裕幸 フォレスト参照)最近は森田理論の学習会もZOOMを活用して全国規模の学習会が増えてきました。画面オフにする人もいますが、普通は相手の顔が見えます。メラビアンの法則でいうと、100%まではいかないと思いますが、70%~80%くらいまでは達成できているのではないかと感じています。ZOOMを活用した学習会は、今までの学習会とはかなり変化してきたように思います。家に居ながら全国の人と学習・交流会が開催できます。今までリアルの集談会だけ参加していた人にとっては、急に視界が広がりました。交通費がかからない。移動時間がなくなりました。時間の節約につながります。学習時間の制約がなくなりました。1時間から2時間程度の短時間の学習会も可能になりました。平日の昼間や夜の学習会も可能になりました。目的別の学習会が可能となりました。スケールメリットが働いているのです。同じ症状で困っている人達や同じ悩みや問題を抱えている人達だけの学習会が可能となりました。また学習内容を絞り込んで中身の濃い学習会も可能となりました。しかしメリットも多いのですが、デメリットもあるように思います。まずwi-fiに繋いでいないと通信料がかかるということです。パソコンを持っている人は問題ないと思われますが、新たに購入するというのはかなりの出費となります。スマホでの参加もしかりです。そこまでして学習会に参加する必要があるのかという人もいます。またZOOMに参加する方法や利用方法が分からないという人もいます。一からZOOMの取り扱い方を学習するのが面倒だという人もいます。但しこれについては、集談会で詳しい人がいますのですぐに解消できます。次に、ZOOMの学習会に参加することは敷居が高いという人もいます。地元集談会では初心者以外は旧知の仲です。お互いによく知っているので安心感があります。ZOOMは今まで見たこともない人の輪に飛び込んでいくことになりますからかなり勇気がいります。また最初からざっくばらんに自己開示は難しいと思います。どうしても当たり障りのない話に終始してしまいます。この面では対面の集談会に比べると見劣りがします。しかしこれも慣れで、何回も同じ会合に参加しているとすぐに親しくなれます。また、ZOOM学習会では、自分の顔がモニター画面に映し出されますが、受け入れられないという人もいます。そこで画面オフにして、音声のみの参加を認めている場合もあります。私の場合もモニター画面に顔が映し出されるのに抵抗感がありました。何回も参加していると違和感は感じなくなりました。私は禿げているのですが、恰好をつけても仕方ないと思うようになりました。それよりも目的意識が明確な人が参加してきますので、大いに得るところがあるというのが実感です。・現在は地元集談会(1ヶ月に1回4時間の学習会プラス居酒屋での飲み会2時間)・関東第一支部主催の生活の発見誌を読んでの意見交換の学習会(1ヶ月に1回夜2時間)・月1回夜2時間の所属支部の学習会(帚木蓬生氏の「生きる力」を読む会+なんでも語ろう会)以上3本立てでの参加を続けています。とても気に入っています。みなさんも自分に合う学習会をぜひ見つけてみて下さい。
2024.10.14
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今の仕事を辞めて、資格を活かして、独立開業したいという人がいました。今の会社勤めのノルマがきつく、上司はハッパをかけるばかりで仕事に嫌気がさしている。職場の人間関係も最悪でギスギスしている。会社に行くことが怖い。国家資格を持っているので、それを活かして独立開業したいと考えたわけです。親しい友人たちに相談してみましたが、「今から仕事を始めるのは難しいよ」「顧客開拓はどうするの」「軌道に乗るまでの3年は持ち出しばかりになるらしいよ。その間の生活費はどうするの」などと否定的な話ばかりでした。そのアドバイスに影響されて、今一歩踏みだすことができません。今のところ悶々と会社勤めを続けている。この問題は自分の気持ちが一番だと思います。ブラック企業と言われる会社もあるぐらいですから、独立開業が全くダメというわけではないと思います。ノルマがきつく、人間関係が最悪という場合、心身ともに疲弊してしまいます。今の仕事が自分に向いていないという場合もあるかもしれません。これを40年から50年も続けるというのは針の筵に坐らされているようなものです。しかし一方で会社員は、会社勤めを続けている限り生活費が確保できます。また健康保険や労災保険などの社会保険などが完備されています。将来の年金にも影響があります。会社員を辞めた場合のメリットとデメリットと、会社に残った場合のメリットとデメリットを書き出してあらゆる角度から検討してみることが大切になります。この手の話を、親しい友人に相談するというのは間違いだと思います。親しい友人は独立開業しているわけではないのですから、否定的でネガティブな助言をします。それが普通です。「それはいい考えだね。思い切ってやってみたらどう」というようなアドバイスをする友達のほうが無責任で危ないと思います。こういう人に相談すると、その人たちの不安が自分に乗り移って手も足も出なくなります。こういう場合は、実際に独立開業している人やコンサルタントに相談しないといけません。また同じ仕事仲間の連合会などが作られています。ときどき会合を開いて勉強会や交流をしています。そういうところで独立開業希望者の相談に乗っている。また独立開業者のためのセミナーや個人相談も受け付けています。指導料や授業料を払ってでも専門家の意見を聞く必要があります。仕事のやり方、自分の専門分野の決定、顧客開拓、事務所経営のノウハウ、経費と収入のシミュレーション、人脈の拡げ方、連合会への加入、家族の協力などは必須です。これらの問題にめどがついて、軌道に乗るまで頑張ると決意を固めることができれば独立開業の道もあり得ます。
2024.10.07
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NHKラーニングは過去の優れた作品が視聴できます。その中に4回にわたって、本格的な「そば打ち」指南の動画があった。講師は元メガバンクに勤めていた人で、退職後1万人以上の人にそのコツを伝授している長尾喜司男さんという方です。日頃からそば打ちには、是非とも挑戦してみたいと思っていた私にとってとても興味をそそられた。その中でも「そばつゆ」の作り方がとても参考になりました。本格的な二八そば作りの前に、ぜひとも「そばつゆ」作りをマスターしたいと思い挑戦することにした。「そばつゆ」作りは、つきっきりで温度管理をする必要があるということでした。この点は子育てや野菜作りなどと一緒だなと思いました。そのための温度計は必須アイテムとなります。その他計量カップを用意する。本格的な「そばつゆ」は、「返し」と「だし」作りの2つの工程からなっている。「返し」は、薄口しょうゆ100mmℓ、濃い口しょうゆ100mmℓを混ぜ合わせて強火で60度まで加熱する。焦げると使えなくなります。その中に「ざらめ」30g、みりん50mmℓを入れて85度になるまで5分間温めて火を止めて余熱をとる。これを常温で1週間寝かせるとまろやかになる。「だし」は、50gのカツオの粗削り節を使う。水500mmℓに入れて85度の温度を保ち強火で15分煮出す。つきっきりで温度管理をするのがコツです。これを混ぜ合わせて「そばつゆ」を作る。「つけそば」の場合は、「返し」1、「だし」2の割合にする。「かけつゆ」の場合は、「返し」1、「だし」5の割合にする。早速「つけそば」用の「そばつゆ」作りに挑戦してみた。温度管理はとてもむずかしかった。予定の温度をすぐに超えてしまうのです。越えたら冷ます、冷めたら上げるの繰り返しでした。次に「返し」1、「だし」4くらいが丁度よいだしになることが分かった。コクがあって確かにうまかった。薬味としてのネギは、切った後5分間水にさらす。香りと辛みが抑えられる。わさびをすりおろす場合は、サメ肌のおろし器を使う。森田先生は何でも自分で実際に経験してみることが大切だと言われております。こんな体験で無上の感動を味わえるのはうれしいものです。この次は折を見ていよいよ本格的な「そば打ち」に挑戦してみようと思っています。公民館活動で「そば打ち道場」をやっているところがあります。
2024.10.05
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水谷啓二氏は1957年(昭和32年)生活の発見の創刊にあたり次のように述べています。私どもは精神医学、心理学あるいは人間学の面では森田正馬博士の教えを継ぎ、教育及び社会生活面では下村胡人先生の教えを継ぎ、下村先生の主催された雑誌「新風土」の伝統を守りたいと思います。時代を超越して千古不易の心理を把握された二人の先師の心を心として、毎日の生活の上に具現し、社会にひろめてゆきたいと思います。(ノイローゼをねじふせた男 岸見勇美 ビジネス社 132ページ)今日は3月号の生活の発見誌から刺激を受けて、下村胡人の思想・考え方を取り上げてみたいと思います。下村胡人は「次郎物語」の著者として有名です。次郎物語は5部まである。1部は映画化された。1部は生まれた次郎がすぐに里子に出された。これは下村胡人の実体験であった。その後実家にもどされたが生みの母親にはなつかない。さらに祖母が兄や弟ばかりかわいがる。自分はいつものけ者にされる。次郎は当てつけにけんかやいたずらばかり繰り返す。今でいう愛着障害を抱えた子どもの苦悩と葛藤を題材にしている。ちなみに5部は、下村胡人が主催されていた青年団運動が取り上げられている。下村胡人は、東京帝国大学を卒業後一旦郷里の佐賀県に戻り、唐津中学の校長などを歴任している。その後東京武蔵小金井の青年団講習所で村の若者の社会教育に取り組まれている。そこに京都大学哲学科を卒業した永杉喜輔が加わった。後の群馬大学教授である。永杉喜輔は熊本の五高で水谷啓二と同級生であった。水谷啓二は永杉喜輔を通じて、下村胡人の考え方や思想に接し大きな影響を受けた。下村胡人は「新風土」という雑誌を出していました。武蔵小金井の青年団講習所では、全国から小学校を出たばかりの青年たち30名と、学歴などまるで無視して肌を突き合わせての合宿を行っている。青年たちに人間の本来の考え方、生き方をみんなが共に生活する中で、それぞれにつかみ取ってほしいと思っていたのです。青年団講習所での下村胡人の教育手法は、森田先生の入院療法に通じるところがあった。下村胡人の考え方は、「あたりまえのことをあたりまえにやろう」「凡人道を非凡に歩め」ということが基本になっている。水谷先生が、「神経質者は風雲に乗じて成功を収めるタイプではない。平凡を軽視しないで20年、30年と積み重ねると類まれな非凡な人になれる」と言われていることに通じるところがある。青年団講習所では、日常茶飯事の炊事、洗濯、掃除、風呂を沸かすのは自分たち自身で行うのです。座学ではなく体験学習なのです。下村胡人自身はトイレ掃除に率先して取り組んでいたそうです。それも半端ではなかったという。永杉喜輔は最初大きな衝撃を受けたという。下村胡人は、凡人道を実践していない人がどんなに素晴らしい人生論や国家の在り方を論じたところで意味はないと考えていたのです。(凡人の道 永杉喜輔 渓声社 200ページ参照)下村胡人は「煙仲間」運動を提唱していた。本来、「煙仲間」というのは、佐賀鍋島藩の「葉隠」からきており、名もない若侍たちが武士としての生き方を語り合った集まりをそのように名付けたものです。下村胡人はその精神を受け継ごうとしていたようです。どんな嫌いなもの同士でも肌を接して話をしてみると、必ず分かり合えるようになるという考え方を持っていた。これはヘルプセルフグルーブ、自助組織の意義を高く評価されていたということではないでしょうか。NPO法人生活の発見会の存在意義にかかわるところです。下村胡人の教育に対する考え方は自己教育です。「教育は自己教育に始まって自己教育に終わる」というのが下村胡人の教育の根幹です。青年団講習所でもその点ををきちんと踏まえて運営していました。ここには不思議なことに最初から何の規則もなかったという。規則はみんなで作ればよいという考え方なのです。30人がどういう方向を目指してやっていくのか、何も教えないのですから、最初はみんながキョトンとしていました。下村胡人のイニシアティブを期待していた青年たちは、下村胡人のやり方を痛烈に批判しました。永杉喜輔は次のように語っている。これはそのときは分からなかったんですよ。規則は自分たちで作るものだ。規則があって生活がある。組織の中に入るのではなくて組織は自分たちで作るのだ。結局自分ですね。最後は自分で、身体で悟るしかない。これが基本だということを、先生は青年団講習所の生活の中で、口では言わずに、そのような人間教育を行っていたということですね。(同書 198ページ)下村胡人の名言を紹介しておきます。道が見つからなければ切りひらけばいい自分の長所を伸ばすことに夢中になっている人は、自分の欠点を飾ることに決して心を労しないものである
2024.03.05
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2023年11月25日の高知新聞によると、国の文化審議会(佐藤信会長)は、高知県香南市野市町兎田にある森田先生の生家や土蔵などを登録有形文化財にするように、盛山正仁文部科学大臣に答申したという。森田先生の生家は1989年旧野市町が土地を購入して、1994年に住宅も譲り受けた。現在は森田正馬生家保存会(池本耕三代表)が管理しているが、母屋は雨漏りがして5年ほど前から防水シートをかけている状態になっている。老朽化が進み土塀などはひび割れが起きている。現在保存会では修復のための寄付集めをしている。私は2018年のいちふれあいセンター(サンホール)で行われた「森田正馬没後80年の墓前祭」に参加した。墓前祭には高知県知事、香南市長、森田療法学会員、生活の発見会員、地元の人など多数参加されていた。そのときに、森田先生の生家の見学、森田館、金剛寺、三宝山などを見学した。そして墓参りをした。森田先生をより身近に感じることができた。ちなみに東京の森田診療所についても紹介しておこう。現在の地名は、東京都文京区向丘二丁目である。当時は駒込蓬萊町(こまごめほうらいちょう)という地名である。通称大観音横丁と呼ばれていた。近くに巨大な11面観音を本尊とする光源寺があったからである。光源寺の横に、森田正馬の診療所に行きつく小道がある。小道を奥へとたどると、森田診療所の裏手にあったという蓮光寺が見えてくる。そして道をはさんで右手に養源寺が見える。この2つの寺にはさまれたあたりの敷地が森田先生の診療所跡である。現在その跡地は中国料理店・東天紅の社員寮となっている。(森田正馬が語る森田療法 岩田真理 白揚社 198ページ)
2024.01.24
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読者の皆様、昨年は大変お世話になりました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。今年はブログを始めて12年目に入ります。今年はとりあえず投稿件数5000を目指します。内容は始めた頃に比べると、少しずつステップアップしているように感じます。最近は森田理論の仕事や生活や人間関係への活かし方の投稿が多くなってきました。自分の投稿記事を読んで、自分が励まされているような状況です。今年は明るさを前面に出して、笑門来福(笑う門には福来たる)でさっそうと駆け抜けたいと思っています。さて生活の発見会ではJUPITERというリモート懇談会が昨年から始まっています。これはZOOMシステムを利用しています。今までのリアルの集談会では考えられない画期的な展開だと思います。森田理論学習に新しい風が吹いてきたことをひしひしと感じています。JUPITERというリモート懇談会は発見会の会員でなくても参加できます。30代から50代の人も多い。しかも無料で参加できます。自分の顔を出さなくて、声だけの参加もOKです。現在8つの部屋がありますので、お好みの学習会に自由に参加できます。森田の学習の要点を学習するメインの部屋、対人の部屋、バニックの部屋、若者だけの部屋、生活の発見誌を読んで感想を述べあう部屋、平日の火曜日の部屋、平日夜間の部屋、居酒屋などの部屋があります。私は最初はあまり乗り気ではなかったのですが、試に参加してみたところ、内容がとても良かったです。今後大いに発展するという確信を持ちました。もしかすると、森田理論の世界展開の始まりになる可能性すらあると思います。世界の人と同時通訳で森田でつながるというのは夢があります。とりあえず登録だけでもしておくというのは如何でしょうか。登録者はすでに200名以上に達しているようです。全国の仲間と学習ができ、会話がはずみ楽しいです。詳しくは生活の発見会のホームページでご確認ください。読者の皆さんが、これらのツールを大いに活用して、悔いのない1年を過ごされることを祈念して年頭のあいさつといたします。宮島の大鳥居
2024.01.01
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パソコンはできるだけ有効活用したいものです。私の活用方法をご紹介します。・プリンターには両面印刷があることに気づきました。両面印刷を使えば90ページの森田のテキストでも45ページで印刷できます。両面印刷の「長辺を閉じる」にして使います。これは常識ともいえることですが、私は先日まで知らなかったのです。・パソコンの今の画面のハードコピーを取りたいことがあります。これもフリーソフトがあります。これを起動すればいくらでもハードコピーがとれます。・グーグルドライブに写真、動画、テキストを保存すれば、パソコンを買い替えてもそのデータをそのまま使える。ファイルを作って保存すれば、すぐに取り出せる。15Gまでは無料で使える。私は有料の100Gで使っている。これ以外にも同様のサービスがあるそうです。・You Tube動画には、区間を区切って同じところを何回も再生してみたいことがあります。これはLOOP機能をONにするフリーソフトをインストールする。次にLOOPを押し込むと、範囲指定のワクが出てきます。両端の赤い丸をリピート再生したいところに動かすと、自動的にリピート再生します。分からない方は「You Tube動画区間リピート再生」で検索してみて下さい。私は一人一芸の所作を覚えるのにこれが重宝しています。・You Tube動画を見ていると途中で広告がいっぱい入ります。音楽を聴いているときに広告が入ると興覚めです。私は「You Tube premium」に入っていますので、広告なしの音楽を聴くことができます。ただしこれは月に1280円の経費が掛かります。ちょっと高いと思いますが、音楽が好きなので利用しています。その他無料で非表示にする方法があると聞いています。この方法はよく分かりません。・小さなノートパソコンは持ち運びには便利ですが歳をとると見づらいです。大きなモニターに接続すればとても見やすくなります。25インチぐらいになるととても見やすいです。・パワーポイントのスライドショウは会合、同窓会などのイベントのときとても喜ばれます。パソコンに詳しい人に聞けばすぐに習得できます。私は商工会議所のパソコン教室に通って身に着けました。ここでいただいたテキストがとても役に立っています。アニメーションもできるようになりました。音楽やフリーの動画を挿入すればとても楽しいものになります。・集談会の会場にはWi-Hiの設備があります。パソコンをインターネットにつなぎ、プロジェクターでスクリーン投影すると映像投影で楽しい勉強会になります。メンタルヘルス岡本記念財団の見逃し配信の講話は集談会で活用できます。私のところでは以前忘年会の時に、You Tubeのカラオケにつないで、カラオケ大会を行いました。その他パソコンの活用方法は無限にあると思います。集談会にはパソコンに詳しい人がいますので、活用方法について情報交換すると楽しいです。こんなことをやってみたいという項目を明確にして質問すればほとんど解決すると思います。私は現在zoomの活用に凝っています。そのうち使いこなすようになりたい。
2023.12.13
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キューリング恵美子さんはドイツ人と結婚してドイツに住んでおられます。その方がドイツ人の特徴について説明されています。「残業はしない」「有給休暇は完全取得する」「通勤はジーンズにウィンドブレーカーを羽織る」「自分の気持や考えをしっかりと相手に伝える」「好き嫌いをはっきりと伝える」「女性でも人と会う時にメイクはしない」「ビールを注ぎ合わない」「誕生日は自分が周囲をもてなす」「土曜日、日曜日は店はクローズしている」「子供は幼児のときから別の部屋で寝る」「子どもの成績が悪くても責めない」次にドイツ人と日本人の考え方の違いも分かってきたそうです。生まれてからずっと、私は他人の目が気になり、自分の思いや主張を閉じ込めて、まわりのことばかり優先してきた。他人からどう思われるのか恐怖で、自分は間違っているのではないかといつも不安だった。結局のところ、私は私のものでない「他人の人生」を送っていたのだと気づいた。(ドイツ人はなぜ「自己肯定感」が高いのか キューリング恵美子 小学館新書 41ページ)たとえ「自分の人生」で躓いても、他人が責任を取ってはくれることはありません。まわりを気にしながら選択したり、人の意見を聞いて選択した結果、躓いたとしても、それを選んだのは自分自身です。だからこそ、「自分のための」「自分が選択した」「自分で責任が取れる」「自分の人生」を生きなければいけないと気づきました。(同書42ページ)おもしろいデータがあります。2019年内閣府の調査によると、「自分自身に満足している」日本人は45.1%、ドイツは81.8%と大幅に差がついている。「自分には長所がある」と思っている日本人は62.2%、ドイツ人は91.4%である。ドイツ人は他人のことを気遣うよりも、自分の気に入った生活スタイル、自分の気持ちや感情をなによりも大事にしているようです。また他人の心の中に断りもなしに踏み込む方ことは大きな問題だと考えています。森田でいう不即不離の人間関係作りが自然にできている。日本ではそんな人は、空気の読めない人、気遣いのできない鈍感な人とみなされ、仲間外れにされることさえあります。そのために本音を軽視・無視して、建前で仕事や生活をしている。自分の仕事が終わったにもかかわらず、「お先に失礼します」という対応が取れない。自分の人生を生きるよりも、他人の人生を生きてストレスをため込んでいるようにみえます。その結果、毎日イライラして、うつ状態や神経症に陥っている。森田では人の気持ちを思いやることは大切であるといわれています。それができるのは日本人のよいところだと思います。そこは大いに伸ばしていきたいものです。しかし他人の気持を忖度することばかりに注意や意識を向けているのはいかかなものでしょうか。その前に、自分の感情、気持ち、欲求、欲望、希望、夢を尊重する態度を持つことが大事になるのではないでしょうか。自分の意思が曖昧なままになると、空中をさ迷う風船玉のようなふらついた生き方になってしまいます。森田でいう「生の欲望の発揮」を軽視する人生は、後悔だらけの人生で終わってしまうのではないでしょうか。
2023.12.12
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自己肯定感のある人は、自分で自分を認めることができます。雲の上に居座っている自分が、現実で四苦八苦している自分を否定するようなことはありません。自分にはそこそこの力があり、まわりの援助も期待できる。将来ピンチに陥ってもなんとか乗り越えていけるだろうという感覚を持っている人です。自己信頼感、自己有用感・効用感がある人です。これは親の影響を強く受けます。親が自分の後ろ盾になってくれた人は自己肯定感が育ちます。信頼感のある親のもとで、小さな成功体験を積み重ねた人は自己信頼感が育ちます。たとえ失敗をくり返しても、粘り強く挑戦して成功をつかみ取ることができます。前向きに努力する習慣が身に付きます。一方、自己肯定感が育っていかないと、生きていくことが苦しくなりますので、何とか解消しようとします。その方向は次の4つに分かれます。1、辛い気持ちをなんとか紛らわせようとする。その結果依存症に陥る傾向があります。依存症にはアルコール、薬物、ギャンブル、ネットゲーム、買い物、風俗などがあります。2、他人を支配する方向に向かう。いじめ、DV、ハラスメント、怒りの感情の爆発など。3、他人の批判を極度に恐れるようになります。自分のことを非難・否定する人から逃げ回るようになります。4、過度な称賛・評価を期待して、背伸びをするようになる。これらが行き過ぎると、自己破産、家庭崩壊、健康破壊、人間関係の破綻、社会からの孤立を招きます。自己肯定感が低い人は、生活を立て直すことが必要になります。規則正しい生活、凡事徹底の生活を取り戻すことです。その中から小さな問題点や課題を見つけてものそのものになって取り組む。小さな成功体験を積み重ねることで、ささやかな楽しみや感動を味わうことです。森田的生活を続けている人は、自己肯定感が出てきます。もう一つは世話活動をすることです。労力を提供して、人の為に役立つことを心がけることです。親の介護、子供の世話、集談会での世話活動。犬や猫、鳥や金魚などを飼って世話をする。草花を育てる。自家用野菜を作る。私は集談会の世話活動を30年以上続けてきました。これが自己肯定感を育てていくことにつながったように思います。
2023.12.03
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最近は老人ホーム、地域のイベントの慰問の依頼が増えてきました。今日の出し物はチンドンミュージック、傘踊り、日本舞踊、エイサーでした。森田先生の鶯の綱渡りに刺激を受けて始めた活動が今大きく花開いた感じです。今度はドジョウ掬い、浪曲奇術、手品、腹話術、獅子舞のリクエストに応じる予定です。仲間との交流を楽しみ、多くのお年寄りに笑いと元気を届けています。
2023.08.26
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2008年赤塚不二夫の葬儀の時タモリさんが弔辞を読み上げた。その内容が森田的でとても参考になります。あなたの考えは、すべての出来事、存在をあるがままに前向きに肯定し、受け入れることです。それによって人間は、重苦しい意味の世界から解放され、軽やかになり、また時間は前後関係を絶ちはなたれて、その時その場が異様に明るく感じられます。この考えをあなたは見事に一言で言い表しています。すなわち、「これでいいのだ」と。赤塚先生はほんとうに優しい方です。シャイな方です。マージャンをするときも、相手の振り込みで上がると、相手が機嫌を悪くするのを恐れて、ツモでしかあがりませんでした。あなたがマージャンで勝ったところを見たことがありません。タモリさんは新宿の歌舞伎町でライブみたいなことをやっていた時、突然赤塚さんがやってきたそうです。ライブが終わった時、突然私の前にやってきて、「君はおもしろい。お笑いの世界に入れ。8月の終わりに僕の番組があるから、それに出ろ。それまで住むところがないなら、私のマンションに居ろ」と言いました。タモリさんは早速赤塚先生の目白のマンションに居候しました。しかも赤塚さんが持っていたベンツを自由に乗りまわしていました。それに対して、苦情や不平や不満を爆発させるようなことは一切なかった。赤塚先生は、自分の所有物でも、必要な人が必要な時に使うのが理にかなっていると考えているような節がある。赤塚さんは仕事で家に居ないことが多かったのですが、たまに家に帰って来ても居場所も寝場所もない状態でした。時にはロッカーを倒してその上に布団を敷いて寝ているようなこともあった。金や物に全く執着しない不思議な人でした。だまされることも多かったが、人を恨むということはなかった。また人の悪口を聞いたことがない。人を非難・否定することとは無縁の人でした。赤塚さんは2回結婚している。最初の奥さんと離婚した時には、家や土地の財産をすべて渡して、娘の養育費もきちんと出していた。その奥さんは再婚したが、ときどき赤塚家にやってきては茶飲み話や相談事に付き合ってくれていたという。常識では考えられないことである。赤塚さんは、困った人を見ると放っておくことができない性分です。家出人や浮浪者のめんどうを見ていた。家に連れて来て泊まらせていた。赤塚さんのマンションを自宅代わりにして、着替えなども置いて自由に飲んだり食ったりしている人が何人もいた。赤塚先生は、楽しいことが大好き。ギャグが大好き。どんちゃん騒ぎが大好き。酒が大好き。女性も好き。赤塚先生の知り合いには、タモリ、所ジョウジ、鳳啓介、青島幸雄、由利徹、たこ八郎、稲川淳二さんなどがいるが、類は友を呼ぶではないですが、みんな自由奔放で好きなことを好きなだけやって生きてきたような人ばかりである。でもなぜか思いやりがあり憎めない人たちばかりなんですよね。最後に赤塚先生の特徴をまとめてみました。・所有物やお金に対する執着心が全くない。・世話好き、面倒見がよい。その程度が常識を超えている。・みんなでワイワイガヤガヤ騒ぐのが大好き。・ナンセンスで面白いことには目がない。・無類の人間好き。・肝臓を壊すほどの酒好き。・グチ、不平不満、他人の悪口や批判とは無縁の人である。
2023.08.06
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祝 300万アクセス達成ブログを始めて11年目あたります。よくぞここまで到達したという感じです。最初は1日20人程度の人が見てくれている程度だったのです。それが途中で挫折することなく10年以上も続いたのです。今日は自分で自分を褒めてやりたい気分です。このブログは楽天ブログの健康・ダイエットというジャンルに登録しています。閲覧数上位を見るとガンなどの身体的疾患の投稿がほとんどです。精神疾患や心の問題を取り上げているブログはあまり見当たりません。森田理論というニッチの世界ながら閲覧数上位に入っているのが不思議です。ブログの内容面は始めた頃に比べると格段に向上してきたと感じています。これは自分が喜んでいるだけかもしれませんが・・・。今後はまずは自分のため、そして神経質性格者で素晴らしい生き方を模索している人の為に地道に投稿していきます。内容としては、森田理論のさらなる深耕と活用や応用面に力を入れていきます。それ以外に、石原加受子氏の自分中心の生き方、西田文郎氏の最新の脳科学の考え方、藤井英雄氏のマインドフルネスの今、ここを大事にする考え方・生き方などをご紹介していきたいと考えています。そういう意味では「森田理論学習のすすめ」という範疇を超えて来たように感じています。今後は「神経質性格者の人生観を好転させる考え方・生き方提案」という意味合いが強くなっていくのかなと思っております。そういう気持ちを持ってアクセスされる方のご期待に応えたいと考えています。最近今後のブログの方向性についてある方から助言をいただきました。投稿記事はできる限り800字以内に収めること。できれば400字以内。さらに分かりやすい記事にすること。そして撮りためた写真を毎回貼り付けることです。今後もどうぞよろしくお願いいたします。
2023.07.09
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私はチンドン屋のグループに所属して、老人ホームや町内のイベントなどでチンドンミュージックを披露しています。コロナ前は年間20~30回ほどありました。今は再開に備えて、公民館でメンバー5名と練習を積み重ねています。その中で気づいたことを3点取り上げてみたいと思います。私の担当はアルトサックスです。その他、チンドン太鼓、サックス、アコーディオン、ゴロスの人がいます。演奏する時は、みんなに合わせることが不可欠です。楽譜には、音符の長さ、休止符があります。足でテンポをとって楽譜の指示に従う必要があります。自分勝手な演奏は仲間を不快にさせます。みんなと調子があった時は後でたたえ合います。楽器は毎日練習しないと、今まで身につけた演奏技術が退化してきます。毎日少なくても20分から30分の練習は欠かさないようにしています。習慣になっているとはいえ、時にはさぼってしまいたいと思うこともあります。練習の手を抜いてしまうとその悪影響は本番で出てしまいます。だから気分に流されてさぼるわけにはいかないのです。私のソロ演奏で始まる曲があります。本来は腕の見せどころですが、「間違えないでうまく演奏できるだろうか」と予期不安が出てきます。予期不安がでてくると、ちょっとしたパニックになります。すると金縛りにあったようになり、手先の動きがぎこちなくなります。間違えて恥をかくことになります。予期不安の原因は、次のように理解しています。何回も練習を重ねていくと、前頭前野が指示しなくても、手先が間違えることなく自動的に動くようになります。不思議なことですがこれは事実です。このときは前頭前野がお休みして、記憶が蓄えられている側頭葉や運動野から直接指示が出されているのです。ここで前頭前野が前面に出てくると混乱します。予期不安というのは、本来休んでいればよいはずの前頭前野がお節介をやきに出てきているのです。前頭前野は少しでも不安を感じる行動に対して、「お前、本当に大丈夫なのか」と詮索してくるのです。練習でほぼ100%の状態で仕上げたときに、前頭前野が介入してくるのはマイナスの作用以外のなにものでもありません。では前頭前野を介入させない方法があるのか。本番前のイチローさんや羽生結弦さんウォーミングアップが参考になります。本番前のルーティンのことです。彼らはリズムに乗ってほぼ毎回同じルーティン動作をとっています。意識をルーティンに向けて、予期不安を遠ざけているのだと思われます。ルーティンに丁寧に取り組むことで、前頭前野が前面に出てこないようにしているのだと思われます。ものそのものになりきることでその効果は確実に出てくるようです。私の場合は、楽器の状態や腹式呼吸や楽譜に意識を持っていくように心がけています。
2023.06.18
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山崎房一氏の本を読んでいると心が安らぎます。自分の最大の敵は自分自分にとって一番恐ろしいことは自分が他人の目で自分の欠点を責めたてて自分の存在を否定すること自分にとって一番心強いことはどんなことがあっても自分が自分の味方になって自分を守ることです自分にとって自分は自分の安住地でなくてはなりません(70ページ)小さな幸せ ほんとのしあわせこの世の中には二つのタイプの人間がいますその一つは大きな幸せの中にいながらその中の小さな不幸せのみを見つめていつもブツブツ言いながら不幸せに生きている人もう一つは大きな不幸せの中にいながらその中の小さな幸せだけを見つめていつも幸せに生きている人です(79ページ)
2023.06.08
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2023年3月号の生活の発見誌に、「人生を豊かに楽しく生きるためのコツ」についての記事がありました。それによると、①自立して生きていくために経済的な裏づけを確保する。②心と身体の健康を保つ。③生きがいを持つ。これに対して私の考え方を投稿してみたい。①の生活資金の確保であるが、65歳になると年金がでる。これで最低限の生活はなんとか維持できるようになります。ところがこれでは不定期に発生する出費には対応できません。たとえは、冠婚葬祭費、家屋の修理費、家電製品の買い替え、車の買い替え、趣味、旅行、車検代、入院医療費、介護費用、固定資産税などの税金、子供や孫への援助など。これらは貯金を取り崩していくしかない。多額の資金が必要になります。しかし蓄えた預貯金がどんどん減少していくことはストレスになります。私はできるだけ長く働いて、減ってくる貯蓄を最小限にとどめたい。今後は毎日4時間くらい無理なく働きたいと考えている。これだけでも経済的に多少余裕が生まれてくる。それと生活にリズムが生まれて、生活に張りが出てくるのがよい。②ですが、心の健康は森田理論学習とその活用と応用を考えている。不安への対応方法、感情の法則、生の欲望の発揮、神経質性格の活かし方、「かくあるべし」を自分にも他人にも押し付けない生き方、人間関係で躓かない生き方などは大変役に立っています。森田と出会うことがなかったら、いまだに葛藤や苦悩の多い人生を送っていたと思われます。脳を活性化するために、読書とブログを書くことはずっと続けていきたい。身体の健康面は、毎日6000歩以上のウォーキングを続けたい。その際3分ゆっくり3分早歩きのインターバルトレーニングを取り入れたい。これは現在マンションの管理人をしているので無理なくできます。そのほかストレッチ、いろいろな一人一芸を継続して心身を鍛えていきたい。③ですが、大きな目標としてはこのブログをできる限り長く続けていくことです。これは長期目標になります。その他、短期目標も大事にしたい。規則正しい生活、凡事徹底のなかで、小さな問題や課題、小さな喜びや楽しみをいっぱい見つけていきたい。家庭菜園、ベランダでの草花の世話、メダカの飼育、カラオケ、ネット麻雀、競馬の研究、you tubeプレミアムの音楽を楽しむ、一人一芸の練習などいくらでも楽しいことがあります。
2023.04.23
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高知競馬にハルウララという牝の競走馬がいた。成績は(1998年11月デビュ、2006年10月競走馬登録抹消まで)113戦0勝。2着5回、3着7回。生涯獲得賞金は112万9000円。高知競馬では出走手当てが1レースにつき6万円支給されていた。ハルウララは1年間20回のレースをこなし120万円は得ていた。しかし必要経費の130万円から140万円には及ばなかった。乗馬への転身の道もあったが性格的には向かなかったという。ハルウララは1996年2月27日、北海道日高町の信田牧場で生まれた。競り市では残念ながら買い手がつかなかったという。やむなく高知競馬の宗石大調教師に委ねられた。ハルウララは小柄で臆病な馬だった。しかし気が小さいのにエラそうにふるまう。また小さな音や物に飛びあがって驚くような馬だった。1頭になると寂しがって泣きべそをかいている。気に入らないことがあると、すぐに怒りを爆発させていた。そしてわがままな面が強かった。鞍を装着しようとすると暴れる。腹帯を締めようとすると地面にひっくり返る。さらに気分本位な面があった。たとえば厩舎の周りを2回までは素直に歩くが、3回目は露骨に歩きたくないという態度をとる。発馬機からのスタート練習は1回はするが、2回以上は拒否する。わがままで世話をすることが嫌になるような馬だった。そのうえ人見知りが激しい。なついていたのは新人厩務員の藤原健祐さんだけだった。但しハルウララのよいところは、レースになると一切手を抜くことがなく最後まで一所懸命に走りぬくところだった。競走馬の中には勝てないと思うと急にテンションがさがる馬がいる。雨天や重馬場、荒れた馬場では気力をなくする馬もいる。その点ハルウララは結果が出なくても最後まで全力で走り切る。何度踏みつぶされても、たくましく立ち上がる雑草のような競走馬だった。欠点は多いがなぜか憎めないお転婆な馬だった。ハルウララが有名になったのは、2003年毎日新聞全国版に掲載、フジテレビで放映されたからである。何度負け続けても果敢にレースに挑む珍しい馬として紹介されたのである。これが「負け組の星」として世のサラリーマンの絶大な支持を集めた。ノルマに追われ、人間関係で心身をすり減らしているサラリーマンの心のオアシスのような馬だったのです。2004年3月22日の106戦目に中央競馬の武豊騎手が騎乗した。11頭立ての10着に敗北したが、ハルウララの単勝馬券は1億2175万円を売り上げた。なおそのレースの馬券売り上げは5億1163万円で高知競馬では史上最高だった。入場者は全国各地から集まり、入場制限を行ったという。その武豊騎手が次のようなコメントを残している。「強い馬が、強い勝ち方をすることに、競馬の面白さがあると思っています。しかし、高知競馬場にあれだけのファンを呼び、日本全国に狂騒曲を掻き鳴らした彼女は、間違いなく名馬と呼んでもいいと思います。彼女は間違いなく、ファンの心を大きく揺り動かしたスターでした」ハルウララは新聞やテレビで報道されなければ陽の目を見ることはなかったでしょう。きっと市井の競走馬として忘れ去られる存在だったでしょう。でも何が幸いするか分かりません。連戦連敗でも人の心をつかむことができたのです。能力面や性格面で多くの問題点を抱えながらも、黙々とレースに臨むハルウララはなぜだか精一杯応援したくなる馬です。成績なんか関係ないといった感じです。結果は出なくても、腐らずにレースに出続け、懸命に走る姿に多くの人が共感と感動を味わうことができたのではないでしょうか。ハルウララが伝えたいことは、能力や性格に問題を抱えていてもよい。神経症や人間関係に問題を抱えて、不器用な生き方であってもよい。一番大事なのは、そのままの自分で精一杯生き切ることだ。ところで、水谷啓二先生は「平凡に徹して平凡を10年20年と続けていけば、きわめて非凡な人間になれる」と言われています。これはまさにハルウララのような生き方のことを言われていると思います。我々神経質者はハルウララのような凡事徹底の人生を全うしたいものです。
2023.04.19
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わが家のベランダも花が咲き誇っています。アジサイも緑の葉をいっぱいにつけています。冬眠から覚めてメダカが元気になりました。いよいよ桜が咲いてきました。桜といえば大阪造幣局の八重桜を思い出します。花見が予定されています。春は楽しみで一杯ですね。
2023.03.20
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70歳以上になると高齢者運転講習を受けることが義務付けられている。この講習を受けていないと免許の更新はできない。これは昨今の高齢ドライバーによる重大事故の多発が影響しているのだろう。この講習は2時間あります。最近の高齢者による事故例の解説、動体視力などの検査、実車を使っての走行試験などです。人によってはその前に認知の試験があるそうです。認知試験は最初に果物の絵を見せておいて、しばらく経ってからさっき見た果物は何だったでしょうと聞かれる。人によっては、今日は何年何月何日でしょうかと聞かれる。頭が真っ白になって答えられない人には、あなたの生年月日を教えてくださいと聞かれる。これに答えられないと免許返納ということになります。歳を重ねると誰でも物忘れはありますがそれは許容範囲です。頭を使わなくなって、廃用性萎縮現象が起きると脳の働きが悪くなります。高齢者運転の講習を受けて参考になったことがいくつかありました。1、一時停止ですが、停止線の前できちんと停止することが大事です。停止線を越えていると、停止違反として切符を切られます。そんな馬鹿なと思っても、それが道交法に書いてあるそうです。せっかく停止したのに、パトカーや白バイに追いかけられてはたまったものではありません。またそういうところに警官が立っています。2、狭い道を走行中に菱形のマークが道路上にある時は、この先信号機のない交差点があるということだそうです。この印がある交差点に入るときは、いつでも停止できるスピード、つまり10キロ以下で走行しなさいということだそうだ。ついうっかりとスピードを出していると思わぬ衝突事故に巻き込まれることがある。3、原付バイクに乗る人は2段階右折を確実に実行する必要があります。3車線道路は直接右折すると、間違いなく切符を切られます。2車線道路が交差点の手前で急に3車線になっている場合がある。そういうところにも、警察官が立って見張っています。なお原付バイクの空気圧が低下すると、コブの上に乗りあげた時ホイールが変形しやすくなる。変形すると修理ではなく交換する必要があるそうです。4、実車試験は誰でも緊張する。県の運転免許試験場の教官は厳しいので、一般の教習所で受ける人もいる。ここではハンドルさばきをよく見ている。逆手でハンドル操作をしていると叱責される。S字道路で、もたもたしたハンドル操作も注意される。直線道路では、ノロノロ、モタモタ運転は厳禁です。他の車に合わせた走行が必要になるそうです。そして車線変更が問題なくできているかを見ている。さらに車庫入れの試験もある。次に段差の乗り上げ試験がある。これは10cmくらいの段差にタイヤをつけて一旦停止し、アクセルを踏んで段差に乗り上げる。乗り上げた途端ブレーキを踏んですぐに停止できるかどうかを見ている。ブレーキとアクセル操作がきちんと行われているかどうか。昨今高齢者の踏み間違いによる重大事故が発生している。ブレーキとアクセスを間違えることはないはずだという決めつけが危ないということです。また高齢者は、うす暗くなる時間帯、夜間運転、雨降りの時の運転はなるべく控えるようにした方がよいそうです。雨降りの夜間運転は特に危険です。事故は一瞬の気のゆるみから、後始末は何年もかかると肝に命じておくことです。
2023.03.05
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東海大学の有賀誠司氏の話です。筋肉の量は歳をとるごとに減ります。これは「サルコペニア」という現象です。日本人の場合、何もしなければ20代から80代にかけて半減する。荷物運び、階段の上り下りといった日常動作さえつらくなる。健康寿命を延ばすため、どの年代でも筋トレの習慣を身につけることが大切です。どんなことに取り組めばよいのか。腕立て伏せ、スクワット、シットアップ(腹筋運動)が自宅でできる3大種目です。腕立て伏せ・・・横から見て耳、肩、腰、ひざ、くるぶしが一直線なるようにする。腕を曲げてゆっくり体を下す。3秒間で下し、3秒間で上げる。きつい場合は、膝を床について、無理なくできる範囲で行う。スクワット・・・膝を曲げたり伸ばしたりする運動です。舞台女優の森光子さんは毎日朝晩100回ずつこなされていたそうです。しんどいと思えば、机などに手をついて行う。無理をしないように心がけましょう。回数はそれぞれ10回が目安です。それを2~3セット行う。各セット間には1分程度の休憩をとる。例えば腕立て伏せ2セットなら1分間で10回やって1分間休憩をし、さらに1分間やって計3分。3種目やっても10分で済みます。これを週2回行えば大丈夫です。筋トレで鍛えた筋肉の回復には2~3日かかるので、しっかり休ませましょう。注意点・・・たくさんこなすよりもていねいに行うことが大切です。回数が増えると筋力より持久力の鍛錬になってしまうので、ていねいに行うことを心がけてください。(中国新聞 2022年11月25日朝刊より)私も最近急に筋肉の衰えを感じるようになりました。この方法は簡単で続けられそうです。「継続こそ力なり」と心得て取り入れてみることにしました。その他ネットで検索してみると、「サルコペニア」の詳しい説明がありました。筋肉を鍛えるには、いろんな方法がありました。ダンベル体操、椅子に座って足を伸ばして一定時間我慢するなど。特に気に入っているのはダンベル体操です。1キロのダンベルを2個100均で買いそろえました。これで腕や肩の筋肉を鍛えています。この部分は筋肉が弱っています。横に持ち上げると肩甲骨から音が聞こえます。趣味でドジョウ掬い、傘踊り、しば天踊りを毎日練習していますが、体全体を動かすのでよい運動になります。それからマンションの管理人の仕事で、無理なく毎日6000歩から1万歩は歩いています。これでふくらはぎはパンパンに筋肉がつきました。
2023.03.03
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藤田紘一郎氏によると、食事をするときは、脳よりも腸内細菌が喜ぶような食事を心がけなさいと言われている。脳で食べることを優先していると、甘いもの、珍しいもの、脂ののったもの、おいしいもの、見た目の豪華なものを欲しがります。そして偏食、食べ過ぎになります。それらは得てして、腸内細菌が喜ばないものだと言われる。腸内細菌が喜ばない食事は体調を崩し、精神状態が悪くなる。腸内細菌は欲にとらわれることなどなく、自分の仕事を淡々とこなす存在です。正直で謙虚で真面目です。いつも自分のリズムを大事にしていて、不規則なことや不摂生なことを嫌います。腸には5万種以上、1000兆個の腸内細菌が棲息しているそうだ。人間の細胞は60兆個と言われていますから、それよりもずっと多い腸内細菌が棲息しているわけです。腸内細菌には、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類がある。善玉菌には、ビフィズス菌、乳酸菌、麹菌、酵母菌などがいる。悪玉菌には一部の大腸菌、ウェルシュ菌、ブドウ球菌、腐敗型細菌などがいる。日和見菌には、バクテロイデス、連鎖球菌、土壌菌などがいる。日和見菌は、悪玉菌に味方するフィルミクテス門と善玉菌に味方するバクテロイデス門に分かれているという。このバランスが善玉菌3、悪玉菌1、日和見菌6が理想だと言われています。悪玉菌は数が多いと厄介な問題を起こしますが、ビタミンを合成したり、病原菌を追い出したりといった頼もしい働きをしてくれるものもあります。悪玉菌をすべて追い出してしまうという考え方は間違っています。腸内細菌のバランスは入ってくる食事内容によってすぐに変わってしまいます。栄養の偏りや食べすぎ、飲み過ぎでも、すぐにバランスを崩してしまいますし、食事以外でも、緊張したり、おなかを冷やしたり、不規則な生活をしていたり、睡眠が足りなかったりといったことでもバランスを崩しがちになります。では腸内細菌がどんな食べ物を好むのか。それは、「お・な・か・は・す・き・や・よ」です。お・・・オリゴ糖のことです。たまねぎ、長ネギ、ごぼう、アスパラガス、にんにく、とうもろこし、バナナ、ハチミツなどがあります。な・・・納豆は腸内細菌が喜びます。発酵食品ですし食物繊維が豊富です。か・・・昆布、わかめ、のり、ひじき、めかぶ、モズクなどの海藻類。は・・・発酵食品。味噌、醤油、漬物、チーズ、ヨーグルトなど。す・・・酢の物。腸の中を酸性にすると善玉菌が増えてきます。き・・・キノコ類。しいたけ、しめじ、なめこ、えのき、エリンギなど。や・・・野菜。食前キャベツがお勧めです。よ・・・ヨーグルトに含まれる乳酸菌。腸内細菌は決して期待を裏切りません。人間が腸内細菌のことを考えて食べ物を送り届けていれば、心と体の健康を作り出して私たちの期待に応えてくれることでしょう。(腸にいいことだけをやりなさい 藤田紘一郎 毎日新聞社)
2023.02.25
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五木寛之氏のお話です。私はよく「他力」とはどういうものなのかを説明する時に、風にたとえます。海原に、エンジンの付いていないヨットが浮いているとします。動力源のないヨットは、風が吹かなければ動くことができません。私はこの風のことを「他力」、ヨットを自分自身だと考えています。風が吹いてくれれば走りだせますが、それまでは待つほかありません。ただ、風が来たらすぐ動けるように準備は必要です。まず、帆を張っていなければなりませんし、雲の様子を観察し、風が吹くと信じてそのチャンスを逃さぬよう待ち受けなければなりません。風の向きを予想して、帆を傾ける必要もあるかもしれない。帆の大きさを加減することも必要かもしれません。考えうる限り、できる限りのことをする。これらの努力が「自力」です。そして、自力を尽くしたら大自然の前ではもう何もできることがない。そうわかった時、その考えに気づいたということこそ「他力」の働きと言えるのではないかと思います。「人事を尽くして天命を待つ」という言葉がありますが、私はこれを勝手に読み換えて「人事を尽くさんとするは、これ天の命なり」としています。「人事を尽くそう」「精いっぱいやりきろう」そんなふうに思えたということ、それはなぜでしょうか。いつもなら、「面倒くさいから適当に済まそう」「無理だ、自分にはできない」、そんなふうに思うかもしれないのに、なぜか覚悟をきめられた、その点に注目したいのです。それこそ「天の命」ではないか。このように、自力と他力は相反するものではありません。他力とは自分を呼び覚まし、育むもの。また、自力をひっくるめてつつんでいくもの。私は他力とは「自力の母」だと思います。もう自力で思いつくことはやりつくした、またこれほど努力しているのになぜ報われないのか、そんな思いに囚われた時には、このことを思い出してください。そんな時こそ「他力」の風を感じられるチャンスです。(ただ生きていく、それだけですばらしい 五木寛之 PHP 研究所 87ページ)五木寛之氏の他力の思想は、遺伝子学者・村上和雄氏の「グレートサムシング」のことではないかと考えています。遺伝子は家を建てるときの設計図のようなものです。家を建てるために具体的に行動を開始しなければ、その設計図は眠ったままです。建設資金を用意し、工務店に発注すれば、その設計図は陽の目を見ます。このことを遺伝子のスイッチがオンになることだと言われています。一般的にそのスイッチの95%くらいはオフになっているそうです。遺伝子のスイッチをオンにするためには、目的に向かって行動を起こすことが欠かせません。そのあと成功するか、失敗するか自分では分からない。できる限りの努力をした後は、運を天に任せて待つしかない。つまり「グレートサムシング」の力に任せるしかない。人間のゲノムの解析はすべて終わっていますが、それを誰が、何の目的で作り上げたのか全く分からない。また遺伝子を組み替えることはできても、新たに作り出すことはできない。そこに「グレートサムシング」の意思が働いていると考えるのが妥当なのではないか。人間は「グレートサムシング」の後ろ盾を信じて、努力精進して生きていくしかない。
2023.02.14
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自分の人生を4つに区切って生活する考え方をご紹介します。第1期 0歳から23歳まで第2期 24歳から46歳まで第3期 47歳から69歳まで第4期 70歳から92歳までこれは92歳まで生きると仮定して、それを4つに分けてみたのです。具体的には23年を1期とみています。92歳以上長生きできたらおまけ、望外の喜びと考える。ホップ、ステップ、ジャンプと進んで、最後はまとめに入ると考える。400m走や競馬でいえば、第一コーナー、第二コーナー、第三コーナー、第四コーナーへと展開していく。それぞれの段階ではそれぞれの大まかな目標を持ち、それらを乗り越えて次の目標に移る。第4コーナーの位置取りが大事になると考えます。それぞれの期間はどんな目標が考えられるでしょうか。第1期は、身体作り、精神的な成長を目指す。自立に向かっての基礎作り。ミスや失敗は許される時期です。むしろミスや失敗を積み重ねて、試行錯誤を繰り返す方がよいと思います。興味や関心に沿った積極的な行動が、自分の財産になります。小さな成功体験を積み重ねることが大切です。第2期は、体力は有り余るほどある時期です。血気盛んで、やりすぎになることもあります。いよいよ社会に出て仕事をするようになります。仕事のコツが掴めない。人間関係がうまくいかなくて戸惑うことも多いと思います。自分の思いどおりにならなくて、自信喪失に陥ることもあります。ここで簡単にあきらめないで、粘り強くコツコツ研鑽を積んでいくことです。第3期は、第2期までの経験を踏まえて、大きく飛躍する時期です。イケイケドンドンの時期です。大きな社会貢献ができる時期です。成功体験が増えて、確信と自信が持てるようになる時期です。この段階では責任ある立場になり、後輩を指導する役割を果すことが求められます。仕事や付き合いを通して、自分なりの人生観を確立する時期です。第4期は、第一線からは引退します。心身の健康に留意して、人生を楽しむ時期です。そして今までの人生経験を総括する時期に入ります。自分史を作る時期に入るのです。エンディングノートいう人もいます。今までの人生を振り返り、後に続く人のために、自分の経験や知恵を伝えていく時期になると思います。公民館活動やSNSを活用すれば可能になります。それらを利用して、理想通りの人生を歩んだ人は、その成功体験をまとめていくことです。できるだけ成功のコツを伝授していきましょう。実際には、苦難の人生を歩んできた人が多いかも知れません。そういう人もまとめは必要です。成功体験よりも、むしろ失敗の体験の方が役に立つかもしれません。その苦悩の体験は次の世代の人にとっては貴重な財産となります。神経症体験を持っている人は、森田理論の学習の要点に「まとめのしかた」があります。その貴重な体験をぜひ苦悩している後輩たちに伝えていってほしいものです。
2023.02.11
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多くの人が日常生活で経験していることだと思いますが、こちらから求めていると、それに関連したことに出会うという不思議なことが起こります。たとえば、昔の親友のことを思い浮かべていたら、突然電話がかかってくるような事です。解決しなければならないような問題を抱えていたとき、偶然目にしたものから突然アイデアがひらめくようなことです。単なる偶然では片付けられないような、あたかもそこに何か意味や意図が隠されているような偶然の一致のことです。こうした現象を「シンクロニシティ」(共時性)と呼びます。村上和雄氏によると、次の3つの条件がそろったときに、科学や論理では説明しにくいシンクロニシティが起こるケースが多いといわれる。1、「こういうことをやりたい」という明確な目的意識を持っていること。2、その目的に向かってひたすら努力を重ねていること。3、何らかの障害があって、その進行が手詰まり状態になっていること。森田先生は自宅の机の脚で床が傷つくことに心を痛めておられました。ある日自転車屋の前を通りかかったとき、タイヤのチュウブを見て、これを机の脚に取り付ければ床が傷つかなくなると思いつかれました。早速チューブを取り付けて、床が傷つくという問題を解決されました。週末に60キロ離れた田舎で家庭菜園を楽しんでいる私の悩みは水やりでした。日照りが続くと定植した苗が枯れるのです。枯れると何度も植え直しになります。あるいは種まきしても芽が出てこないのです。適期を逃してしまうことがありました。何年もどうしたらよいのか困っていました。近所の人に水やりの仕事を依頼しようかと考えていました。またペットボトルからポタポタと水が落ちるグッズも試してみましたが、効果はありませんでした。あるとき、ネットで水やりのタイマーがあるのを見たとき、「そうか、ポンプの電源に簡易タイマーを取り付けて、蛇口を緩めておくとうまくいくかもしれない」とひらめきました。早速蛇口の先に延長ホースを取り付け、その先に水が染み出るホースを接続しました。これはうまくいきました。私にとっては世紀の大発見でした。ささやかな幸せを感じることができました。遺伝子研究の村上和雄先生は、これはサムシング・グレート(目に見えない偉大な神様のようなもの)からの贈りものではないかと言われています。私たち神経質者は不安や不快な問題や課題を抱えてしまうと、せっかちですぐに解消しようと考えます。でもすぐに解決策を思いつかないということが多々あります。こういう時は、イライラしながら、一旦その案件から離れて、サムシング・グレートを信じて別のことに取り組むようにする。問題を抱えたまま、散歩をしている時、風呂やトイレに入っている時に、ハッと妙案がひらめいてくることがあります。これは神様が、これくらい悩んできたのだから、解決のヒントを与えてやろうと思われているのかもしれません。神経症を乗り越えたいと考えている場合に、この考え方を応用していくというのは如何でしょうか。森田理論では神経症は正攻法ではなかなか克服できないと学びました。神経症にまともにぶつかるのではなく、神経症からいったん距離をおくようにするのです。つまり、神経症を抱えたまま、目の前の必要なルーティンワークに手を出していくことで、神経症はどんどん良くなっていく体験を多くの人が持っています。それは村上和雄先生のいわれるサムシング・グレートが、苦労を抱えながらも目の前のことに一生懸命取り組んでいる人に助け舟を出されているのではないか。私の神経症との格闘の歴史を振り返ってみると、森田理論学習とその応用や活用によって何か目に見えないものに助けられたように感じます。
2023.01.30
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トランス脂肪酸の弊害についてはご存じだろうか。トランス脂肪酸とは、植物油は常温では液体であるので取り扱いが難しい。さらに酸化しやすいという問題もあります。そこで食品会社が考えだしたことは、水素を添加して、植物油の性質を常温でも固形化することでした。空気中でも酸化しないものに変えれば使い勝手がよくなるということでした。これは自然界には存在しないものです。パンつけているマーガリンはトランス脂肪酸そのものである。コーヒーフレッシュはミルクだと思っている人が多いがトランス脂肪酸である。ファーストフードのフライドポテトは2年くらいは腐らないという。その他食品表示にショートニングと書かれているものがある。マーガリンの仲間で、トランス脂肪酸が多量に含まれている。ファーストフード店では、植物性シートニングを高温で溶かし、これを揚げ油として使っているのである。このことを科学者たちは、「オイルをプラスチック化」するというそうだ。トランス型になった脂肪酸が人間の体内に入ると、分解や代謝に大変なエネルギーと時間を消費し、大量のミネラルやビタミンを消費することが分かっている。しかも、体内で活性酸素を発生させる。私たちの体の細胞膜は脂質で構成されているが、トランス脂肪酸を取り込むと、必須脂肪酸の役割を果せないばかりではなく、細胞膜の構造や働きが不完全なものになる。さらにトランス脂肪酸は、身体のコレステロールのバランスを崩してしまうため、心臓病を誘発することも分かっている。そして糖尿病の発症にも深くかかわっている。これは、すい臓からインスリンが分泌されても、それを受け取る細胞膜の受信機能が鈍くなってしまうためだ。トランス脂肪酸の影響を最も受けやすいのが脳であるという。それは、脳の60%が脂質でできているからだ。イギリスオックスフォード大学のピュリ医師らは、トランス脂肪酸が脳の活動に必要な酵素を破壊し、注意欠陥障害(ADD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)などを引き起こす要因になると報告している。また、アメリカ神経学会の学術誌(2004年)に発表された論文によると、トランス脂肪酸を多く摂っている高齢者は認知症になりやすいという。脳を構成する脂質は、不飽和脂肪酸のオメガ3脂肪酸が欠かせない。これが不足してくると、トランス脂肪酸が構成材料として使われる。その結果、脳の細胞膜が不安定になり、脳の伝達機能が衰えてしまうのである。アメリカのC・ベイト博士は、トランス脂肪酸が慢性的な抑うつ症状や疲労を生み出していると報告している。トランス脂肪酸の摂取が精神障害を招き寄せているというのは衝撃的である。そういうものに囲まれて生活しているという認識は持って置いたほうがよいと思う。(心の免疫学 藤田紘一郎 新潮社 103ページ)
2023.01.29
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私は土曜日、日曜日は中央競馬を楽しんでいます。土曜日、日曜日の楽しみがまたひとつ増えました。今日は競馬と仲間との楽しみ方を取り上げました。普通中央競馬は全国3会場で行われています。たとえば中山、阪神、小倉といった具合です。1会場1日あたり12レースですから、全部で36レースあります。私は馬券を買っていますが、1日当たり1レースだけです。1日1000円から2000円以内です。これは厳守しています。馬券はいろいろありますが、私は3連複1本に絞っています。3連複は1着から3着までに入る馬を的中させるのです。1着から3着までに入っていれば順不同でも的中となります。レースを、順当か、小波乱か、大波乱かに分けて考えています。順当なレースは、1番、2番、3番人気の馬がそのまま入線するレースです。入線する確率は高くなりますが、配当はごくわずかです。いくら入線確率が高いからといっても、あまり食指は動きません。大波乱は、9番から16番人気の馬が3着内に1頭でも入線してくる場合です。これは高額配当になりますが、的中させることは至難の業です。闇夜で鉄砲を撃つようなものになります。この場合は、潔くあきらめるしかないと考えています。小波乱は、1~3番人気の馬が1頭は入っているが、それ以外は4番人気から8番人気の中から2頭が入ってくる場合です。私が目をつけているのは、この小波乱のレースです。小波乱でも、的中すれば、万馬券近くいくこともあります。そのための購入の条件は、2つあると考えています。まず1番人気のオッズが3.0以上、できれば4.0以上であること。次に、4番人気の馬のオッズが12.0以上であること、できれば15.0以上が望ましい。オッズ2.0というのは、100円の単勝馬券を買って的中した場合、200円の払い戻しがあるということです。単勝オッズはJRAが随時公開しています。事前に目をつけておいて、直前に最終確認しています。買い方はフォーメーションです。まず1頭目は1番人気~3番人気の馬から1頭だけ選択する。その中でも特に1番人気の馬に注目しています。オッズというのは馬券を買う人が事前に人気投票をしているようなものです。信頼度はかなり高いです。全く無視することは得策ではありません。次に2頭目は、4番人気の馬から8番人気の馬をそのまま5頭選択する。3頭目も、4番人気の馬から8番人気の馬をそのまま5頭選択しています。つまり2頭目と3頭目は同じ馬を5頭選択しているということになります。的中例としては、1着が1番人気、2着が6番人気、3着が8番人気というようなケースです。うまくいけば、万馬券が狙えます。この買い方のメリットは、掛け金が少額で済むことです。1000円で万馬券を狙っているということになります。本当は1頭目として1番人気~3番人気をすべて買いたいのですが、そうすると合計30通り、3000円分の馬券を買うことになります。1万以上の配当があれば、ペイするのだから、全部買ってしまえという人がいますが、その考え方は掛け金がかさみ趣味の域を出てしまいます。私は賛同しかねます。必ず的中するという保証はないわけですから。たまに惜しいというのはありますが、縁がなかったときっぱりと諦めています。私は宝くじは買いません。馬券が宝くじだと思っています。趣味ですから多少経費が掛かっても構わないと思っています。プラスマイナス0になれば、それだけでもう十分です。現在7回~8回に1回くらいは的中していますのでほぼトントンです。的中しても外れても、一喜一憂しているようでは身が持ちません。競馬を楽しむ方法は自分なりの戦略が大切だと思います。相場師の予想に頼って買っている人が多いように思います。それでは外れたときに後悔するようになります。それは天に唾をして自分に降りかかってくるようなものです。競馬仲間との競馬談議は楽しいものです。競馬仲間には研究熱心な人がいます。血統にこだわる人、枠順にこだわる人、騎手にこだわる人、過去の成績にこだわる人、調教師にこだわる人、距離にこだわる人、コースにこだわる人、芝かダートにこだわる人、その日の天候にこだわる人、展開を予想する人、会場にこだわる人、馬場の状態にこだわる人など。こういう薀蓄の話は聞くだけで為になり、とても面白いものです。この利害関係のない和気あいあいとした人間関係は気に入っています。精神的な息抜きとストレスの軽減につながっているように思います。仲間の人が言うには、競馬をしていると、生きがい作りとボケ防止に役立っているそうです。
2023.01.18
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私の経験から生きていくことが楽になる考え方を2つ紹介します。1、弱点や欠点に取りつかれて自己否定感が強い人へこういう人は劣等感に取りつかれている人です。絶えず自分の欠点や弱点を他人の長所や強みと比較して自己否定しています。この状態は、家の中に様々な不用品をため込んでいるようなものです。不用品を早く処分して、本当に必要なものだけにして、それを大切に使いこなすように心がけることをお勧めします。これがなぜ自己否定感の解消に役立つかということですが、ないものねだりを止めて、自分の持っているものに焦点をあてて、活用する方向に意識が変わるからです。ないものねだりをすることから、現在あるものをいとおしみ、工夫して楽しく生活していくという考え方です。森田理論の「物の性を尽くす」とは、自分が所有しているものに居場所や活躍の場を与えて生き尽くしてもらうということです。この考え方を取り入れていくと、自己否定感は急速に勢いが弱まります。自分が今持っているものを整理して書き出してみるというは如何でしょうか。人間誰でも長所や強みを持っていると思います。普段は持っているものは当たり前になっていて意識されていないのです。神経質性格も見方を変えれば貴重な財産になります。自覚できたら生活や仕事の場で活用していくようにしましょう。樹木希林さんは、自分の身体、所有物はすべて神様から借りているものだと考えている。借りたものだから、いずれはお返ししなければならない。借りたものを大切に扱うのは当たり前のことです。感謝の気持ちを持って取り扱っているかどうかは大切なことです。そして借りたものにケチをつけたりしないで、そのままの状態で存分に活用させてもらう。そして返すときには付加価値をつけてお返しをする。普通レンタルしたものは、借り賃を支払って使わせてもらいます。借りた時よりも、磨きをかけて価値のあるものに変身させてお返しする。そういう心がけをしていると、貸してくれた人は大いに喜びますよ。次はもっと良いものを優先的に貸してあげたいと思いますよ。2、後悔で悪夢にうなされることが多く辛いという人に対して長生きすれば誰でもミスや失敗、言わなければよかった、しなければよかったと思うことはどんどん増えていきます。それは人間がもともとミスや失敗を連発するように作られているからです。ですからミスや失敗の数が多いからと言って何ら恥ずべき事ではありません。むしろ自分の財産が増えて誇らしいことだと言えます。失敗の数が多い人は国から表彰状を授与してあげたいような人です。「あなたはミスや失敗の数が目標に達しました。全国民の模範として多大な貢献をされました。よってその栄誉を称え、永久にあなたのお名前を後世に伝えるために表彰いたします。文部科学大臣○○○○」表彰してもらうためには、過去のミスや失敗を貴重な財産として、その後に活用しているかどうかだと思います。忌まわしい過去を消去したいと考えている状態ではその資格はありません。ミスや失敗は今後回避しなければならないことを教えてくれているわけですから、宝の山のようなものです。過去のミス、失敗、後悔などは、「べからず集」として、必ず次に活かしていくという気持ちを持つことが大切になります。それが評価のポイントとなります。目標を持って挑戦している人は、ミスや失敗、後悔を次に活かしています。エジソンを見ているとよく分かりますが、失敗を成功の足がかりにしています。人生は山あり谷あり、乗り越えるべき困難な壁が次々に立ちはだかります。そのときに役立つのは。過去のミスや失敗、後悔の経験の積み重ねです。痛い経験は、二度とその失敗をしないように回避すれば、成功への道が早まります。後悔や悪夢でうなされるという人は、観念中心で「かくあるべし」を自分に押し付けている人です。森田理論でいう事実唯真の立場に立って、目的や目標に向かって日々努力している人は後悔で苦悩することは少ないはずです。
2022.12.19
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ベランダの菊が咲いてきました。友人からは大阪の国華園の菊祭りの写真も届きました。私も菊花展に行ってみようと思っています。
2022.11.13
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今日は秋晴れのもと、サツマイモ堀をしました。最高の気分転換になります。大豊作でした。大きいものは3キロ近くもありました。サツマイモのツルはそこら中に伸びますので、広い畑がないと難しかもしれませんね。早速近所へおすそ分けです。明日以降はサツマイモ料理が続きます。サツマイモのツルは炒め物にします。おいしいですよ。今日はダイコンの間引きもしましたが、間引き菜もおいしいです。
2022.10.15
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広島カープの監督に新井貴浩氏が就任した。その記者会見で素晴らしい話があったので紹介したい。・若手の底上げというか、力をつけさせることが大切だと思います。しかし若手だけでは勝てないんですよね。若手、中堅、ベテラン、外国人選手のバランス、何ごともバランスを大切にしていきたいなと思っています。・監督、コーチ、選手は目の前の戦いを全力で戦うんですが、例えば1年単位で考えてみた場合、序盤、中盤、後半を念頭に置いて、中期的、長期的な考え、そういうビジョンを持って戦いたいなと思います。いつまで監督を続けられるかは分かりませんが、3年先、5年先の目標を明確にして取り組んでいきたいと思います。・佐々岡真司前監督が退任会見で「何も残せなかった」と言っていました。そんなことはありませんよ。たくさんの若手を起用してくれました。特にピッチャー陣、彼らが芽を出して、つぼみにしてくれたのは佐々岡監督です。今度は自分が水をやって、花を咲かせていきたいです。私は森田理論のことを常に考えております。この会見から思いついたことを書いてみたいと思います。まずバランスということです。私は森田理論はバランスの理論だと思っています。いつも念頭にあるのはサーカスの綱渡りです。長い物干し竿のような棒を巧みに操りながら、バランスをとって慎重に前進しています。この棒の両端に欲望と不安という重りをぶら下げると森田理論の説明ができるのではないか。このバランスが崩れてしまうと、たちまち落下してしまいます。落下すると、綱渡りという芸は見るも無残な結果に終わってしまいます。これは森田理論では両面観、精神拮抗作用などの学習で出てきます。次に目標についてです。森田理論の基本的な考え方は、「今、ここ」を大切にする考え方です。凡事徹底といいかえてもよいと思います。私はそれに加えて、1年後、3年後、できれば10年後の目標を設定して取り組むとよいと思います。私は20年後の目標として、このブログを継続していくにしています。最初は10年の目標にして取り組みました。それが今年の末で達成できそうなので、新たな目標に設定したのです。中期、長期の目標を設定すると、生きる張り合いが持てることが分かっています。他人に対する思いやりですが、相手の持っているもの、強みや長所に注目して、それらが陽の目を見るように見守っていきたいと思います。具体的には自分の気持や意見を一方的に相手に押し付けないようにしたい。傾聴、共感、受容、許容、感謝の気持ちを持って付き合いたいと思っております。
2022.10.15
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今年は梅が豊作ですべて梅酒にしました。最近は毎日飲んでいます。至福の時です。
2022.10.04
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私はマンションの管理人として同じ棟で13年ほど働いてきました。この度、定年退職しました。それでも会社の好意で1年延長してもらいました。まだまだ働ける、この棟でずっと働き続けたいと思っていましたが、断腸の思いで辞めることになりました。その間居住者の3分の1は入れ代わりました。新しく入居された人たちにはできる限り支援をしてきました。その人たちから山のようなお菓子や飲み物やお酒や花束や餞別をいただきました。私にとっては予想外のことで大変驚きました。マンション中の噂になって、最後の日は和やかな挨拶ばかりで終始しました。中には携帯の電話番号を教えておいてくれという人までいました。入ったとき小学生だった子どもたちは、大学生、社会人として巣立っていきました。その成長を目の当たりにできたことは幸せなことでした。管理室で宿題をして過ごしていた子供が、大きく成長するのはあっという間です。感激したのは、小学生のとき母親が外出中で家に入れない子供の面倒を見たことがありました。その子が、「おじさん、その節はお世話になりました。どうして辞めるんですか」と挨拶に訪れたことでした。思わず感激して涙が出てきました。小さな親切は仕事上当たり前のことだと思っていましたが、相手にとってはいつまでも心の中に残っているのだなとしみじみと感じました。それからこの会社には、非難、叱責をくり返して誰も電話をしたがらない女性の統括責任者がいました。確かに手ごわかったです。情け容赦ない感じでした。私も何度も腹が立って、そのために退職の危機に立ったことがありました。この度、森田の感情と行動は区別するという理論を検証する事にしました。電話をして、「長い間大変お世話になりました。ご迷惑ばかりおかけして申し訳ありませんでした。体に気を付けてこれからも頑張ってくださいね」と言いました。すると不思議なことに、その女性が電話口で涙声になっているのです。これには驚きました。そして私が会社の懇親会で「獅子舞」を踊ってくれたことを懐かしく思い出しますと言い出しました。今までに聞いたことのない言葉でした。感情と行動を切り分けるというのはすごい効果があるというのを再認識しました。これは森田をやっていたおかげです。そうでなければ恨みつらみで電話することはなかったでしょう。私の定年退職の話は、他の管理会社に拡がっており、早速別の管理会社からオファをいただきました。今度の会社は定年がないから存分に働いてくださいと言われるのです。私もまだ働きたい気持ちがありましたので、引き続き働くことにしました。学校の先生でいえば、学校を変わるようなものです。ここで大きな目標を立てました。この度定年退職した棟よりも、もっと居住者に寄り添って絶大な信頼感を得るように頑張ってみようというものです。そのためには、居住者の顔と名前を早く覚える。笑顔での挨拶を心がける。依頼事項は素早くこなす。会社との連絡、清掃、植栽管理、点検作業、立ち合い作業はそつなくこなす。とくかく想定以上の仕事ぶりで成果を出したい。そして管理会社にも高く評価されるような仕事をしたい。とりあえず、ここ1年が勝負だと思っています。よい結果を1年後に報告できるように頑張りたい。
2022.09.14
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永井孝尚氏のお話です。200円の激安弁当を売っている弁当屋がある。ご飯にハンバーグ、パスタ、漬物が少々である。この店は365日24時間営業です。安さを求めるお客さんが次々にやってくる。新聞報道によると、この弁当の原価は130円らしい。店の人件費を入れると1個の利益は10円程度だという。薄利多売で成り立っている店なのだ。別の日天王洲アイルに行くと、また行列のできる弁当屋があった。こちらは550円だった。大きくカットされた野菜が目立つ。おかずも食べ応えがあり、1000円の高級弁当の内容だ。この店の名前は「旬八キッチン」という。このお店がテレビで放映された。どうして1000円並の弁当を550円で販売しているのか。それはコストを抑えているからだという。550円の充実健康弁当の原価は138円だという。あの200円弁当とほぼ同じなのである。しかし販売価格が550円なので粗利75%である。旬八キッチンは「旬八」という青果店が始めた弁当だ。旬八は普通の青果店とは少し違う。規格外の野菜や果物を専門に扱っている。それを農家と直接取引して、半値で仕入している。しかし旬八でも完売できない野菜や果物もある。そこで旬八キッチンは、それらを弁当の食材に使って成功したのである。永井孝尚氏曰く。コストを下げるためには、今までの常識を疑い、当たり前をやめ、「やらないこと」を徹底することである。これに手を付けないで、安易に特売を連発して安売りに走ってしまうと、企業はもうけが出なくなる。そのうち特売の反動が出てきて売上が減少し赤字に転落する。そして従業員に過大なノルマを押し付けて、叱咤激励するようになるとブラック企業化してくる。そして最後はライバル企業に息の根を止められる。(なんでそんな価格で売れちゃうの 永井孝尚 PHP新書)私は森田理論学習の意義を認めて普及をおしすすめている人間である。これは大いに参考になる話だと思った。参考にしなければいけない。私の目指していること・・・神経症を治してあげることではない。ただし、神経症の克服を目指して集談会にやってくる人が多いので、私の克服体験は伝える。最大の目標は、神経質性格者が森田理論を活用して、それぞれの人生観を確立するお手伝いをすることである。この分野では36年間研鑽を重ねたので十分可能だと判断している。やってはいけないこと・・・神経症を治すためにのみ森田理論を利用すること。治療は基本的に専門家に任せる。私は専門家との橋渡しに専念する。治すための話をすると自己満足で終わってしまう。ほぼ相手の役には立たない。私が力を入れて努力すること・・・神経質者の人生観の確立に向けて、そのヒントを具体的に分かりやすく、多彩に紹介していくこと。そのために、このブログと「森田理論学習のすすめ方」というホームページを使って情報を発信し続けること。今は260万アクセスだが、20年かけて1000万アクセスまでは続けていきたい。これにより神経質性格を持っている人が、一人でも多く味わい深い人生観の確立を目指して欲しいのである。
2022.08.11
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タレントの所ジョージさんは、毎朝起きた瞬間から、今日一日をいかに楽しく過ごすかばかりを考えているという。だって楽しむために起きているのだから。悩むことで解決することなら、いくら悩んでもよいと思うけど、解決しそうもないことなら悩まない方がいい。たとえば、好きな人ができて脈がない場合、自分ではどうしようもないでしょう。相手に嫌われてしまったら、自分も嫌いになったことにすればいい。あまり一人の人に執着しないほうがいい。失敗する人生も楽しいじゃないですか。人生は失敗に満ちている。だからこそ、楽しいわけで、失敗しない人生なんてそんなつまらないものはない。いろんなことが自分に降りかかってくるからこそ、生きている実感があると思う。今の世の中は便利になりすぎている。それが楽しさを奪っている気がします。便利なものを使うのはいいけれど、あまりにそれに頼り過ぎると生きる楽しさがどんどん減っていく。楽しみを見つけることにコツなんてないよ。身の回りを見渡せば、面白いことは一杯転がっているはず。お金をかければ楽しいというわけじゃない。要は自分自身が主人公にならなければ、楽しさは味わえないということ。受け身で他人から与えられた楽しさは、所詮他人の楽しさでしょ。そんなものはすぐに飽きてしまう。不便さや曖昧さを楽しみながら、自分の足元に落ちているものに目を向ける。楽しいものは最初から存在しているわけではない。いかに楽しく工夫するか。いかに楽しさを引き出すか。それに尽きると思う。(60代からもっと人生を楽しむ人、ムダに生きる人 PHP 71~75ページ要旨引用)森田に通じる話ですね。所さんの話を聞くと、宇野千代さんの次の言葉を思い出す。幸福のかけらは、幾つでもある。ただ、それを見つけ出すことが上手な人と、下手な人がいる。(宇野千代 幸せの言葉 海竜社 195ページ)問題を抱えることは、解決策を目指すかぎりにおいて、生きがいを作り出します。問題を抱えない人生はあり得ません。神経症の発症、仕事や人間関係の問題、心身の健康問題、経済問題、事故や自然災害、理不尽な仕打ちなど様々です。それは、神様からどう取り組むかという宿題を出されていると受け取るのは如何でしょうか。それぞれ、出される宿題は違いますが、要はそれらに真剣に向き合って生活しているかどうかが肝心です。死後の世界が存在するかどうかは分かりませんが、もし仮に存在するとなると、その点を厳しく査定されることになると思います。
2022.08.04
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人間味あふれる小説を多数生み出された藤沢周平氏の人生は波乱に満ちたものであった。1929年(昭和2年) 山形県東田川郡黄金村大字高坂(現鶴岡市高坂)の生まれ。父小菅繁蔵、母たきゑの次男として生まれる。6人兄弟の4番目。1938年(昭和9年) 11歳 吃音で悩む1946年(昭和21年) 19歳 鶴岡中学校夜間部卒業 山形師範学校入学1949年(昭和24年) 22歳 山形師範学校卒業 湯田川中学校へ赴任 2年B組担任 担当科目は国語と社会1950年(昭和25年) 23歳 父繁蔵61歳で死去1951年(昭和26年) 24歳 3月肺結核になる 新学期から休職、療養生活に入る。1953年(昭和28年) 26歳 東京の東村山の篠田病院に入院。右肺上葉切除のあと、さらに2回の保形成形手術を行い、肋骨5本を切除。1957年(昭和32年) 30歳 退院。教員に復職しようとしたが叶わず。友人の紹介で東京で業界新聞社に就職。1959年(昭和34年) 32歳 同郷の悦子と結婚 藤沢というペンネームは奥さんの故郷の地名である。1960年(昭和35年) 33歳 日本食品経済社に移り「日本加工食品新聞」の編集に携わる。生活がやっと安定した。1963年(昭和38年) 36歳 妻悦子、娘の1歳の誕生日前、28歳で病死。1969年(昭和44年) 42歳 妻和子と再婚1973年(昭和48年) 46歳 直木賞受賞1974年(昭和49年) 47歳 日本食品経済社を退社 作家生活に入る。1983年(昭和58年) 56歳 自律神経失調症になる1984年(昭和59年) 57歳 慢性肝炎を発症して治療が始まる1996年(平成8年) 69歳 肺炎で入院1997年(平成9年) 1月26日、69歳で死去。父親は真面目な人で黙々と農作業に打ち込んでいたという。本人の容姿は母親似だったという。藤沢氏の小説は、自然描写が的確で美しいという特徴があるが、これはふるさとの山形県ではぐくまれたものだった。山形師範学校を卒業して、中学校の教師になったが肺結核のため、2年の教師人生で退職。青春真っただ中の5年近くを療養生活で明け暮れた。大手術も経験された。完治後、山形県で教師として再起を願ったが叶わなかった。その後、東京で業界紙の記者として働いた。その間結婚した妻は、女の子を一人生んだが、1歳の誕生日を祝うことなく病死した。作家生活は順風満帆だった。直木賞を受賞し、その後は直木賞の選考委員をしていた。庶民の生活や悩みに寄り添った小説を次々と発表している。。時代考証を重ね、歴史的事実に基づいた作品に仕上がっている。地名などがしっかりと踏まえられている。道や川、建物や橋などの位置感覚が的確である。季節や自然の描写が写実的である。亡くなる10年くらい前からは慢性肝炎で苦しんだ。大病を患い、術後の体調不安を抱えていた。教師の仕事を続けることができなくなり、東京で業界紙の記者をしていた。妻を失うという家族の不幸も重なり、幼子の養育で苦労している。でも決して投げやりにならなかった。子供は立派に育てた。69歳というのは現代では早すぎる死であった。それらが小説の中に滲み出て、多くの人を魅了しているのではなかろうか。山形県鶴岡市に藤沢周平記念館がある。
2022.07.29
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時代小説家、藤沢周平氏の文庫本は合計2300万部も売れているという。映画やドラマにも取り上げられている。何処に魅力があるのだろうか。興味は尽きない。しばらく藤沢周平氏の魅力について取り上げてみたい。女優の竹下景子氏は次のように紹介されている。藤沢先生の作品を読んでいると、登場人物のほとんどは下級武士や市井の人など、無名で私たちと何ら変わらない人たちであることに気づきます。藤沢先生は、そんな庶民のささやかな暮らしぶりをすくい上げてきた人で、そこでは絶望や、思いもよらない不幸に遭遇したりしますが、結末では必ず「薄明かり」のような、うっすらと明るいものが見え隠れする。あるとき、「それが藤沢先生の温かさ、人に対する優しさの投影」なのだと気づきました。それは、いま生きている私たちに向けられた「いとおしさ」のようなものであり、「ささやかに」生きていくことの大切さを教えてくれるものだという気がします。(藤沢周平「人はどう生きるか」 遠藤崇寿・遠藤展子 悟空出版 133ページ)作家の宮部みゆき氏は次のように説明されています。人間50年、60年と生きてくれば、思い出したくない過去、消してしまいたい過去の1つや2つあるものです。それらをそう簡単にきれいさっぱりと忘れることは出来ないのだから、それを引きずりながら、その過去を引き受けて生きることも大切。そこから逃げないという覚悟も必要かもしれない。そして、そうやって生きてきた結果、その先に小さな幸せや小さな理解が生まれたとしたら、それはもう、誰に遠慮することもなく「その人」が大手を広げて、しっかり掴んでいいんです。一生懸命に生きる人たちにやさしい、それが藤沢ワールドです。続いて、落合恵子氏曰く。一生懸命生きてきて、いろんな失敗やいじめを体験するかもしれないけれど、でも、最後に「生きるってことはそんなに捨てたもんじゃない」と思える人生でないとおかしいという主張が、藤沢先生にはある。(同書 167ページから168ページ)佐高信氏は次のように述べておられる。雪の原野に立ち尽くす迷子の子供がいたとして、これを助けようとしない大人はまずいません。でもその助け方にも二通りあって、ひとつは、その子を咄嗟に毛布にくるんで自分の車に連れて行き、自分の家に着くと、すぐ暖炉の横に立たせて、暖かい牛乳を飲ませるという処し方。もちろんこれも素晴らしい人助けですが、藤沢さんのやり方は違うと思う。まあ、彼には、車も暖炉もないかも知れませんが、彼なら、まずその子供のところに一目散に走って行って、抱きしめると思うんです。そして寒さに震えて泣いてる子供を抱きしめて、周りの雪を彼にまぶしながら、必死に身体をさすると思うんです。まず、自分の手で抱きしめて、自分の手でさする。つまり、なにより先に、人間の温もりで温めてあげようという思い、その思いが子供に伝わり、子供は元気を取り戻す。藤沢さんの場合はこれです。(同書 169ページ)藤沢周平氏は次のように言っている。男も女も、人間はみなずるく、それでいて優しくはかない。人のあさましさ、醜さを見るからこそ、人は人に優しくなれる。人間は、いくつになっても再起ができる。人生はリセット可能。そしてそれは遅すぎるということはない。藤沢周平氏の小説は、生きる勇気を与える作品ばかりだと思います。私は藤沢作品の大ファンです。短編もあり、長編もあります。私は、「海鳴り」「蝉しぐれ」「三屋清左衛門残日録」「一茶」「霧の果て」「喜多川歌麿女絵草紙」「漆の実のみのる国」などの長編が印象に残っています。特に「海鳴り」は何度も繰り返して読んでいます。紙問屋を経営する主人が、ふとしたことから同業者の奥さんと不倫関係になり、他の同業者から恐喝されるという話です。最後は切羽詰まって心中するしかないと思っていました。藤沢氏も最初はそのような形で終わらせようとしていましたが、情が移ってきて心中させることは忍びないという気持ちになったといわれていました。人生に行き詰まった時、自分に寄り添って、「それで十分ですよ。完璧な人なんていないのですから」とささやいてくれているように思います。涙が出る映画、感動する音楽と同じように、藤沢氏の小説を読むと優しい気持ちにさせられます。生涯に渡って読み続けることになりそうです。江戸時代の歴史小説ですが、登場人物は何らかの問題を抱えている人たちばかりです。食べることに困り、不治の病と闘い、仕事で行き詰まった人、理不尽な運命に翻弄されている人、人間関係に大きな問題を抱えている人達です。そういう人たちが、運命に翻弄されながらも、決して人生を投げていない。人に冷ややかに見られながらも、懸命に生きている。そこに共感できるのです。藤沢周平氏がどうしてそのような心境になられたのか。興味が尽きない。それは自身の病気や思うようにならなかった仕事、最愛の妻の早すぎる死と無縁ではなかったと思う。明日は、藤沢周平氏の一生を見てゆきたい。
2022.07.28
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以前「男女そろって全国でも稀な長寿村」があった。山梨県北都留郡上野原町棡原地区だ。その村が戦後30年間で長寿村から短命村に転落した。どうしてそのようなことになったのか。今日はそれを説明してみたい。この町に昭和27年にバスが通れる道路が開通した。陸の孤島と言われた町からの大きな変革だった。それを境にして、素晴らしい伝統食が戦後急速に崩れていった。伝統食、郷土色、自給自足、地産地消、身土不二の破壊である。その第一は、雑穀米から白米の常食化から始まった。その流れで、食の近代化と称する洋風化が吹荒れた。肉、魚、カレーライス、ハム、ソーセージ、缶詰などである。これらは集落にできたスーパーが提供した。その結果、両親と子供夫婦が食べるものがかみ合わなくなった。両親は伝統食の煮込みうどんや味の濃いい味噌汁を飲んでいた。子供夫婦は、パン、オムレツ、ベーコンを食べる。好きなおかずは、ハンバーグ、ミートボール、から揚げ、焼き肉、卵焼き、スパゲティになった。肉やサラダは食べるが、野菜の煮つけなどは食べなくなった。現在都会の人が食べているメニューと同じである。それを強力に推進したのは、役所による食生活の改善運動であった。昭和36年に栄養指導のキッチンカ―「しあわせ号」がこの町にもやってきた。「6つの基礎食品」を発表して、キッチンカ―では「しあわせ号献立」を配布する。穀類、イモ類偏重の害が説明され、タンパク質が足りないと肉食を勧められた。さらに、「塩分の過剰摂取は血圧を高め、脳卒中などの成人病を誘発させる」ということで減塩が取り上げられた。この生活改善運動に主婦たちは積極的に参加したという。そして、伝統食、自給自足、地産地消、身土不二の食生活は姿を消してしまった。その結果何が起きたか。子どもたちの肥満、生活習慣病、突然死である。両親よりも子供たちの方が早く亡くなるという現象が起きた。この町の老人には、いわゆる老人病など皆無、死ぬまで達者で働き、家族に迷惑をかけずに死んでいくのが普通だった。老人用の病院など無用だったのである。(正食と人体 一倉定 123ページ参照)何とも残念なことが起きたものです。悔いても悔いきれない。森田では変えてよいものと変えてはいけないものがあるという。現実的な不安はしり込みしないで積極的に行動する必要がある。しかし、神経症的な不安は欲望の反面として発生しているので、取り除こうとしてはならない。視点を変えて、生の欲望を賦活させることが肝心です。上野原町棡原地区では、心身ともに健康で長寿を全うする面からすると、昔からの伝統的な食生活は決して変えてはいけないものであった。その選択を完全に見誤ったとしか言いようがない。自然循環の伝統的な農法を守り、その土地で生産できるものをその土地の人が食べる。あたりまえのことです。そしてさまざまな加工食品作りに精を出す。燃料基地としての里山を守り、牛馬を飼育して、田畑を豊かに耕す。まさに自然循環が貫徹されている。実に無理や無駄がない。そうした生活は地域の絆を強固にし、自分たちの生きがい作りにつながる。生活習慣病とは無縁で健康体を維持できる。心の病気に罹る人もいない。食生活の欧米化を掲げた改善運動は、これらのあたりまえの生活を完全に破壊してしまったことが今になって分かったがもう手遅れだ。後戻りはできない。何とも罪作りなことをしたものだ。日本有数の長寿村が今や限界集落の予備軍である。これはここに限らず、日本全国の田舎で起きている真実である。限界集落というのは、戸数が減り、さらに動くことが困難な年寄りが多くなり、もはや共同体の維持や修復が困難になっている集落のことである。夜はイノシシ、鹿、熊、野良犬が我が物顔で公道をうろついている。イノシシ除けの電気柵などを張り巡らせないと作物は全部食べられてしまう。北海道では、その荒れた土地を日本のエージェントを使って中国が安値で買い取っているという。そんなことを全国展開されたら恐ろしいことになる。耕作放棄地でも農地を持っていると固定資産税は毎年徴収されますから、売れるものなら安くても早く売りたい人が多いのです。将来は、そこで作られた食料を中国に送り、中国人の食を支えることになる。何しろ中国は食糧の輸入国ですからね。日本人がこうした真実に気付くことは並大抵のことではない。これは大変だと気付いたときは、すでに後の祭りだったというのがオチだろう。森田理論の「物の性を尽くす」という考え方に立つと、伝統食、自給自足、地産地消、身土不二が基本になると思いますが如何でしょうか。
2022.06.04
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2019年の女性の平均寿命は87歳、男性は81歳となっている。健康寿命は女性74歳、男性72歳である。平均寿命と健康寿命のタイムラグは、女性で13歳、男性で9歳となっている。人生の終盤は、持病で病院通い、認知症、要介護、寝たきりの人が多い。メンテナンスを怠らず、心と身体の廃用性萎縮現象をいかに抑え込むか鍵となる。目標とすれば、よくテレビに出ていたきんさん、ぎんさんであろう。きんさんは107歳、ぎんさんは108歳まで元気溌剌で私たちに笑顔を振りまいてくださりました。きんさん、ぎんさんのようにピンピンコロリの人生を送るためにどんなことを心掛ければよいのか。1、よく笑うこと。2、感動すること。3、感謝の気持ちを持つこと。4、プラス思考でいること。5、高い志と大きな夢を持つこと。もう一つ付け加えると、6、きんさんぎんさんのようにお金を稼ぐこと。(笑いがニッポンを救う 江見明夫 日本教文社 189ページより引用)私の場合を振り返ってみました。1、川柳を作ってる。ユーモア小話作りと収集が趣味である。2、花を育て癒されている。家庭菜園でいろいろな野菜を作り楽しんでいる。収穫の時は大きな感動がある。加工食品で梅酒やラッキョウ漬けを作っている。至福の時を感謝している。田舎通いが楽しみである。3、毎日寝る前に仏壇に手を合わせて、ご先祖に感謝の言葉をかけている。日記に今日の感謝、今日楽しかったことを最低1つは書くようにする。4、愚痴は言わない。対人関係では、他人を非難、否定しないように心がける。傾聴、共感、受容、許容を心掛ける。感謝気持ちで生活する。5、このブログをあと20年は続けたい。そのために毎月10冊以上の本を読む。本を読んだ後は要点を書き出して、森田理論と突き合わせる。老人ホームの慰問活動を末永く続けていきたい。そのために、ドジョウ掬い、獅子舞、腹話術、楽器の練習を続ける。6、今はマンションの管理人の仕事を続けている。わずかながら収入になる。階段の上り下りを利用して、足腰を鍛えている。ウォーキングは無理なく5000歩以上を心掛ける。そのときはあごを鍛えるため、キシリトールガムを噛む。カラオケの練習を毎日行う。毎日大きな声をだすようにする。マインドフルネスを学んだので、正座瞑想を生活の中に取り入れる。ちなみに生活習慣病とがん検診は年1回行っている。以上、身体、精神、経済状態でじり貧にならないように気を配っている。
2022.03.28
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冬の暖房ですが、私は足先が冷えるのが一番つらいです。今年はこの足先暖房のおかげで、大変助かりました。足元さえなんとかなれば、少々の寒さは我慢できますね。というよりも、快適そのものです。足から上は着こむことで何とかなりますからね。この中に足を入れると、電熱でポカポカです。私にとっては手放せません。
2022.03.08
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私が本を読む時の台を紹介します。これは楽譜を置く時の譜面台です。これが本を読む時に大変役に立っています。1000円くらいのものです。椅子に座って高さと傾斜角度を決めます。自由自在です。ページを固定するための譜面止めが役に立ちます。それから100均で買った大きなクリップどめで片方を止めます。これでフリーハンドで快適に本が読めます。ちなみに写真の本は、3分冊した森田全集第5巻652、653ページです。マーカーや鉛筆は台の上に乗せられます。これを利用すると本を読む時の姿勢がよくなります。本好きの人に参考のためにご紹介しました。
2022.03.06
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20年ぶりくらいに歯医者に行った。きっかけは左の奥歯の1本が沁みる様になったのである。神経を刺激してチクチクした痛みがある。診察を受けてみると思いもかけないことを指摘された。・全体に歯石がついている。・歯茎に発赤、出血、腫れがある。・上の奥歯の頬側に歯ブラシが届いていません。・虫歯が2本ある。・ただ歳の割には歯がそろっている。グラグラした歯はない。・2本の親知らずは役に立たないので抜いた方がよい。私は元々歯が丈夫であるというのが自慢であった。それに慢心して、歯の手入れに関しては無頓着であった。歯磨きも朝晩しているが2分か3分くらいで終わらせていた。歯科衛生士の人が言うには、シュミテクトを使っているのなら最低5分くらい磨かないと効果はないということだった。下の裏側を2分、表側を2分、上の裏側を2分、表側を2分くらいの気持ちで、ていねいに心を込めて磨くことを心掛けてください。それと歯石は誰でもたまるので、ほとんどの人は定期的に歯医者でメンテナンスをしているのが普通ですということだった。寝耳に水とはこのことを言うのだろう。元々歯が丈夫だということに慢心して、歯については感謝の気持もなく、気にかけて大切にするという気持ちが抜け落ちていた。丈夫な歯を持っていることが当たり前だったのだ。また丈夫な歯を与えてくれた親に感謝する気持ちもわいてこなかった。それどころが、神経質性格者に生んだ親を憎んでいたのである。片手落ちも甚だしいと言わざるを得ない。そういえば集談会で、朝食と夕食後に歯を丁寧に磨くことを森田実践としている人がいた。今考えると素晴らしい実践課題だと思う。ただそれを聞いたときは、あまり共感はできなかった。「親孝行したいときに親はなし」という言葉がある。歯については、歯を痛めた時、歯を失った時に初めて大切さがわかる。そのときに初めて気づいたというのは後の祭だ。私は髪が少ないのが劣等感だった。そちらの方にエネルギーを使っていた。今思えばそこに注意や意識を向けるよりも、虫歯を防止すること。歯石のメンテナンスをすること。丁寧に磨くこと。いつも気にかけてあげること。そして健康な歯を与えてくれた親に感謝すること。いつまでも歯と仲良く付き合っていく方がよほど意味のあることだった。今持っているものにより多く光を当ててさらによりよくしていくこと。森田でこのことをよく学習したはずであったが、灯台下暗しとは自分のことを言うのだろう。これからは気を引き締めて、自分に元々備わっているものに磨きをかけることを目指していきたい。
2022.01.31
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録音機のスピーカーが壊れた。アマゾンでBluetoothのスピーカーを購入した。3000円と安価ながら優れものだった。録音機とは有線でつないでいる。音が大きいので、老人ホームの慰問でマイクなしで使えそうだ。それ以外にスマホやパソコンと無線で繋いでYouTubeの音楽を存分に楽しんでいる。遅まきながら、正月から、新しい世界が始まった🎵
2022.01.08
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今日は大島清さんの「カキクケコ」の法則を取り上げてみたい。「カ」は感動、「キ」は興味、「ク」は工夫、「ケ」は健康、「コ」は恋のことです。大島さんは、「この5つを上手に循環させれば、脳は老化することなく常に若々しい気持ちを維持できるので、人生そのものが快活になる」と言われている。この本の中で、「恋」とは、異性への関心ではあるが、また異性を愛するように他のものを愛する心でもある。たとえば野の花でもいいし、小説でもいい。心が揺れ動くことが恋なのだと思いたい。富士山をずっと撮り続けている男性がいる。朝焼けの富士が撮りたくて、何夜も毛布を抱えて待機している。それも1ヶ所ではない。そこで成功すれば場所を変えて撮りつづける。富士山のことならなんでも関心があり、高山植物から小動物まで、鉱物から地下水まで貯えた知識、そしてその写真の数は相当なものである。恋する対象の全てを知りたい、いつも一緒にいたいと思うことが恋ならば、この男性は間違いなく富士山に恋している。その思いが高じて、ついに富士山麓に別荘を買ってしまった。ある日、「いい写真が撮れました」といって、見事な笠雲がかかる富士山の写真を見せてくれた。恋人に送る熱いまなざしだけがとらえることができる富士のたたずまいがそこにあった。(感動するとなぜ脳にいいか 大島清 新講社 76ページより引用)異性だけではなく、心がワクワクドキドキ揺れ動くことを見つけることが大切だといわれています。恋する気持ちを持つことは素敵なことですね。私は読書に恋しているのかもしれない。常時読みたい本を手元に10冊は抱えている。買ったものではありません。全部図書館から借りているものです。広島市は各区に図書館があり、まんが図書館をなどを含めると、その数は10か所あまりです。その図書館をくまなく回っているわけではありません。広範囲ですからそんなことは不可能です。ネットによる予約システムを利用して、近くの図書館で受け取っているのです。通勤途中にある図書館ですから便利です。予約システムは100冊まで登録できます。本を読んでいると参考文献が書いてあります。それと琴線に触れたものを蔵書検索するのです。驚くほどそろっています。森田関係の本は、「森田正馬全集」も含めてほぼ全部そろっています。それをひとまず予約かごに登録するのです。そのうち貸してもらえる本は10冊までです。借りだし期間は2週間です。借りた本は、目次を見て、最初の50ページを読んでみます。さらに、これはと思った本は、以降斜め読みしています。良本は付箋をつけながら改めて精読します。全体の3割程度です。蔵書にしたい本は、アマゾンやブックオフの中古の本を探します。読み終わった後、要旨を書き出します。それと森田理論を突き合わせて、ブログの原稿を作っています。これを土日を除いて毎日続けているのです。投稿原稿のネタ切れはあまり発生しません。本は古今東西の一流の人の講演を聴いているようなものです。こんなにありがたいことはありません。
2022.01.07
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今日は初日の出を見て、初詣に行きました。その時の写真です。
2022.01.01
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11月も今日で終わりです。今月からその月の投稿記事のうち、一番のお気に入り記事をご紹介します。11月の「一押し記事」は、「11月26日の「かもの法則」で人生が変わる」です。ぜひお読みください。
2021.11.30
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本日、心の健康セミナーが開催されます。you tube配信です。無料です。時間は13時から15時です。題は「人がこわい、病気がこわいをどうするか」森田療法の知恵を活かすです。講師は九州大学の黒木俊秀先生、作家の波多江伸子さんです。下記URLからお入りください。心の健康セミナー
2021.11.23
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公益財団法人 メンタルヘルス岡本記念財団の「心の健康ビデオセミナー」が始まっております。下記をクリックしてご確認ください。心の健康ビデオセミナーのご案内
2021.10.26
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今日はクイズを出します。口という字に2画足して、別の漢字を作ってください。これを集談会など大勢で行うのです。時間は3分間です。一番多く見つけた人にプレゼントを用意しておくのもよいでしょう。10個以上見つける人は非常に少ないそうですから、見つけた人には全員プレゼントを渡してもよいかも知れません。例をださないとよく分からなという人がいるかもしれません。たとえば、2画足して、「目」とか「田」という漢字になります。二画たして別の漢字を短時間でいくつ見付けられるのか競うのです。結論から言うと、27個あるそうです。これは最後に掲載しておきます。答えを見る前にまず自分で考えてみてください。教えてもらうと、なるほどそうかと納得します。しかし自分ではなかなか見つけられない。他人が2つ3つと見つけると、俄然やる気が出てきます。それでも、なかなか難しい。でも、見つけようという努力をしないと、永遠に見つけることはできません。見付けようという努力が大切です。そうしないと次に進めません。これは森田理論でいうと両面観にあたります。自分が観念で考えたことに固執することは、一面的で間違いが多くなるということです。円錐柱も多面的、立体的に見るからこそ、正しく見極めることができます。自分の一面的な考えを相手に押し付けることは、「かくあるべし」を押し付ける事になります。自分はこういう考えですが、あなたはどういう考えですかと謙虚な気持ちで尋ねてみることが肝心です。田原総一朗さんの「朝までテレビ」という番組では、真反対の論者を参加させて、喧々諤々の議論をしています。双方の主張を聞いていると、しだいに自分の考えが浮かび上がってきます。民主主義の基本は、相手を力や理屈や経済力でねじ伏せる事ではありません。双方が対等の立場で自分の意見を述べあい、時間をかけて妥協点を見つけるところにあります。こうすれば、間違った方向に流されないので、その後の惨禍を免れ、平和で友好的な人間関係を築くことができるのです。両面観を無視して自分の一方的な考え方に固執すると、後で後悔することになる場合が多くなることを忘れないようにしたいものです。それでは、クイズの答えを書いておきます。全部で27個です。囚、四、目、田、申、由、甲、旧、旦、白、古、占、召、台、只、兄、号、叶、叱、加、石、右、史、句、可、司、叩10個以上思い浮かべた人は、普段の生活の中で多面的なものの見方や思考ができる人だと思います。
2021.09.08
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